徒然なるままに、一旅客の戯言(たわごと)
*** reminiscences ***
PAXのひとりごと
since 17 JAN 2005


(since 17 AUG 2005)

ちょっとおさらい - 気象通報式

 “霧”には幾つかの種類がありますが、そのうちの一つとして「“雲”(こちらも十雲形を基本にバラエティ豊か)の雲低が下がり地表面にまで達した」ことによるものがあります。

以前、“気象通報式”について稚拙な記事を何回か投稿しましたが、部分的ではありますが、ここいらでちょっとおさらいを。

この投稿の motivation は、昨日の広島空港の運航状況を、とある師匠(と小生が勝手に崇拝している御方)の日記で拝読したことからです。

タイトル画像に用いたのは羽田~福岡線で上空から撮影した広島空港ですが、このようにお天気が良ければ苦労はないのですが....。

それでは、先ずは、昨日(2月9日)の広島空港( ICAO Airport Code: RJOA )の気象通報式を以下にダラダラと並べました。
[出所は NOAA Aviation Weather Center, Aviation Digital Data Service(ADDS) です]

RJOA NIL
RJOA 091200Z 31005KT 240V050 3500 BR FEW003 BKN010 10/10 Q1009
RJOA 091121Z VRB03KT 2500 BR FEW000 SCT005 BKN010 10/10 Q1009 RMK 1ST000 3ST005 5ST010 A2982
RJOA 091100Z 28006KT 260V330 2500 BCFG BR FEW000 SCT003 BKN006 10/10 Q1009
RJOA 091048Z 28004KT 2000 BCFG BR FEW000 SCT003 BKN005 10/10 Q1009 RMK 1ST000 3ST003 5ST005 A2981
RJOA 091035Z 25003KT 1500 R10/P1800N -RA BCFG BR FEW000 SCT001 BKN003 10/10 Q1009 RMK 1ST000 3ST001 5ST003 A2981
RJOA 091029Z 25003KT 0300 R10/P1800N FG -RA VV001 10/10 Q1009 RMK A2981
RJOA 091023Z VRB03KT 0600 R10/P1800N FG -RA VV002 10/10 Q1009 RMK A2981
RJOA 091000Z VRB03KT 1800 -RA BCFG BR FEW000 SCT001 BKN003 10/10 Q1009
RJOA 090947Z 27002KT 0600 R10/0600V1600U FG VV002 10/10 Q1009 RMK A2981
RJOA 090938Z 25003KT 0600 R10/0550V0900D FG VV002 10/10 Q1009 RMK A2980
RJOA 090930Z VRB03KT 0600 R10/0800V1400N FG -RA VV002 10/10 Q1009 RMK A2980
RJOA 090921Z VRB03KT 0400 R10/0550V0900N FG -RA VV002 10/10 Q1009 RMK A2980
RJOA 090912Z 24004KT 180V280 0600 R10/0800V1800D FG -RA VV002 10/10 Q1009 RMK A2980
RJOA 090900Z 23004KT 190V280 0300 R10/0750VP1800U FG -RA VV001 10/10 Q1009
RJOA 090800Z VRB03KT 0100 R10/0450V0650D FG -RA VV001 10/10 Q1009
RJOA 090717Z 16002KT 0100 R10/0450V0650N FG -RA VV001 10/10 Q1009 RMK A2979
RJOA 090700Z 00000KT 0100 R10/1400VP1800U FG -DZ VV001 10/10 Q1009
RJOA 090645Z 00000KT 0100 R10/0450V0600N FG -DZ VV001 10/10 Q1009 RMK A2980
RJOA 090631Z 20001KT 0100 R10/0550V1500D FG -DZ VV001 10/10 Q1009 RMK A2980
RJOA 090600Z VRB02KT 0100 R10/0350N FG -DZ VV001 10/10 Q1009
RJOA 090548Z VRB02KT 0100 R10/0400V0700D FG -DZ VV001 10/10 Q1009 RMK A2982
RJOA 090534Z VRB02KT 0200 R10/0550V1600D FG -DZ VV001 10/10 Q1009 RMK A2982
RJOA 090511Z VRB02KT 0400 R10/P1800N FG VV002 10/10 Q1009 RMK A2982
RJOA 090500Z VRB01KT 0800 R10/P1800N FG VV003 10/10 Q1009
RJOA 090447Z VRB01KT 0400 R10/0400VP1800U FG VV002 10/10 Q1010 RMK A2983
RJOA 090432Z VRB02KT 0100 R10/0250V1100D FG VV001 10/10 Q1010 RMK A2983
RJOA 090420Z VRB02KT 0200 R10/0550V1300D FG VV002 10/10 Q1010 RMK A2984
RJOA 090400Z VRB02KT 0500 R10/P1800N FG FEW000 SCT001 BKN008 10/10 Q1010
RJOA 090343Z VRB02KT 0700 R10/0700VP1800U FG -RA FEW000 SCT001 BKN008 10/10 Q1010 RMK 1ST000 3ST001 5ST008 A2985
RJOA 090316Z 15002KT 0300 R10/0600V1000U FG -RA FEW000 SCT001 BKN008 10/10 Q1011 RMK 1ST000 3ST001 5ST008 A2987
RJOA 090307Z 15002KT 0100 R10/0500V1100U FG -RA FEW000 SCT001 BKN008 10/10 Q1011 RMK 1ST000 3ST001 5ST008 A2988
RJOA 090300Z VRB02KT 0100 R10/0550N FG -RA FEW000 SCT001 BKN008 10/10 Q1011
RJOA 090234Z VRB02KT 0500 R10/1000VP1800D FG -RA FEW000 SCT001 BKN015 10/10 Q1012 RMK 1ST000 4ST001 5CU015 A2990
RJOA 090230Z VRB02KT 1000 R10/P1800N -RA BCFG BR FEW000 SCT001 BKN015 10/10 Q1012 RMK 1ST000 4ST001 5CU015 A2990
RJOA 090200Z 12002KT 1400 R10/1200VP1800U -RA BCFG BR FEW000 SCT001 BKN015 10/10 Q1012
RJOA 090145Z 14003KT 0600 R10/0750V1200N FG -RA FEW000 SCT001 BKN008 10/10 Q1013 RMK 1ST000 4ST001 5ST008 A2992
RJOA 090100Z VRB01KT 1500 R10/P1800N -RA BCFG BR FEW000 SCT001 BKN015 10/10 Q1013
RJOA 090034Z 00000KT 0700 R10/0550VP1800U FG -RA FEW000 SCT001 BKN015 10/10 Q1013 RMK 1ST000 4ST001 5CU015 A2993
RJOA 090031Z 00000KT 0700 R10/0500V0800U FG -RA FEW000 SCT001 BKN015 10/10 Q1013 RMK 1ST000 4ST001 5CU015 A2993
RJOA 090015Z VRB02KT 0600 R10/0350V0550N FG -RA FEW000 SCT001 BKN010 10/10 Q1013 RMK 1ST000 3ST001 5CU010 A2993
RJOA 090009Z 00000KT 0500 R10/0350V0500N FG -RA FEW000 SCT001 BKN005 10/10 Q1013 RMK 1ST000 4ST001 5ST005 A2994
RJOA 090000Z 00000KT 0300 R10/0350V0500U FG -RA VV002 09/09 Q1013
RJOA 082300Z VRB03KT 0100 R10/0250N FG -RA VV001 08/08 Q1013
RJOA 082200Z VRB02KT 0100 R10/0400V0550N FG VV001 08/08 Q1013
RJOA 082148Z 13004KT 110V220 0100 R10/0350V0650D FG VV002 07/07 Q1013 RMK A2992
RJOA 082145Z 16004KT 110V290 0100 R10/0400V1300D FG VV002 07/07 Q1013 RMK A2991
RJOA 082120Z 32006KT 0300 R10/0500VP1800U FG FEW000 SCT001 BKN050 10/10 Q1012 RMK 1ST000 3ST001 5SC050 A2991
RJOA 082110Z 31005KT 0300 R10/0500V0800D FG FEW000 SCT002 BKN050 10/10 Q1013 RMK 1ST000 3ST002 5SC050 A2992
RJOA NIL

広島空港 RJOA は、国土交通省航空局 CAB が管理する第2種空港で、標点 ARP: Airport Reference Point 標高は331m( 1086 feet )と中国山地の山岳部にあります。運用時間は〔日本時刻で〕07時30分~21時30分、気象観測の運用時間は〔日本時刻で〕06時00分~21時30分です。

(大阪航空局提供の広島空港の紹介は こちら

さて、昨日の気象通報式では日中の卓越視程は、午前10時( 090100Z )と午前11時( 090200Z )および同30分( 090230Z )に、それぞれ 1500m, 1400m, 1000m と 1000m 以上が報じられていますが、その他は全て 1000m 未満です。

卓越視程,方向視程,滑走路視距離のいずれかが 1600m 以下の場合には、気象光学観測機器を用いた滑走路視距離の観測が実施されます。
※観測装置は大別すると「透過率方式」と「前方散乱方式」の二種類があります。

昨日の卓越視程をみると、午後7時( 091000Z )には 1800m、また同48分( 091048Z )に 2000m 、午後8時( 091100Z )に 2500m、それ以降は 2500m 以上を報じていますが、その他は 1600m 以下ですから、滑走路視距離 RVR の観測結果が報じられています。

卓越視程と現在天気の間に報じられているのが“滑走路視距離”です。

“滑走路視距離”とは、
  滑走路中心線上にある航空機のパイロット(パイロットの目線位置 Pilot Eye Level は滑走路面上5mを想定)が滑走路面の標識または滑走路の輪郭を示す灯火を見ることができる最大距離

  Runway visual range (RVR). The range over which the pilot of an aircraft on the center line of a runway can see the runway surfece marking or the lights delineating the runway or identifying its center line. [ ICAO Annex 3 Meteorological Service for International Air Navigation CHAPTER 1. DEFINITIONS より]

ICAO Annex 3 Meteorological Service for International Air Navigation - Fifteenth Eddition


と定義されており、実際に着陸に使用されている滑走路の接地帯を代表する値が通報されます(通報されるのは最大で4群まで)。

 Rに続いて滑走路番号、斜線(/)、4桁で示した10分間の平均RVR値、変化傾向を表す記号

により表されます。

昨日の広島空港は、精密進入方式による Runway 10 が着陸滑走路として使用されていたため、RVRの通報は
 R10/[P or M]nnnn[V[P or M]nnnn][U, D or N]
の形式をとります。

斜線(/)の直後に P または M が記されて4桁の数字が報じられる場合があります。

この P または M は、観測値が観測機器の性能範囲から外れている場合に報じられ、
 -性能範囲の上限を上回っている場合には、Pに続いて測定範囲の上限値
 -性能範囲を下限を下回っている場合には、Mに続いて測定範囲の下限値
が示されます。

  R10/P1800 と報じられている時刻が幾つかありますが、この通報より広島空港 Runway 10 に設置されたRVR観測機器の上限値が1800mであり、当該報告がなされているときの観測値は、1800mを上回っていた、ということになります。

RJOA 082110Z の通報式のように、四桁の観測値の直後に V を伴い [P or M]nnnn の値が通報されている場合が多く見うけられます。

この [P or M]nnnnV[P or M]nnnn は、RVRの観測値が安定していなかった(定常的でなかった)場合です。

具体的には、観測時刻前10分間における1分間の平均値の極値が、10分間の平均値よりある一定値(=50mまたは10分間の平均値に0.2を乗じた値のどちらか大きいほう)を超えて変動している場合には、
 10分間の平均値ではなく、1分間平均値の最小値と最大値が報じられます。

つまり、RJOA 082110Z 31005KT 0300 R10/0500V0800D は、

2100Z(午前6時)から 2110Z(午前6時10分)までの10分間の観測において、1分間の平均値の極値が10分間の平均値よりも一定値を超える変動を示したので、1分間平均の最小値は500m、最大値は800mであったことを示しています。

【例】仮に10分間の平均値が600mであった場合、0.2を乗じた値は120mとなり50mよりも大きいので、120mが判定基準値となり、1分間の平均値の変動幅が120mを超えていた場合には、
 [P or M] 一分間平均の最小値 V [P or M] 一分間平均の最大値
と通報をしなければなりません。

昨日の広島空港、[P or M]nnnnV[P or M]nnnn のフォーマットが多かったということは、「定常的に視界が悪い」というよりは「RVRがころころと変る、見えたり見えなかったりが激しい状況」であったと言えます。

“滑走路視距離”の最後の項目は、「変化傾向」です。

RVRの変動が激しいことと共に、RVRが“悪化傾向”にあるのか“回復傾向”にあるのか、それとも“さして変化無し”なのかは、運航上の考察・判断において重要なファクターになります。

RVR通報の最後に、UD または N を付加して、RVRの変化傾向を報じます。
※末尾に U, D, N が付加されていない場合、それは変化傾向が不明であることを示しています。

具体的には、 観測時刻前10分間を前半の5分間と後半の5分間に別け、それぞれ5分間の平均値の差に応じ;
 -N:それぞれの差は100m未満。
 -U:後半5分の平均値は前半5分のそれより100m以上上昇した(良くなった)。
 -D:後半5分の平均値は前半5分のそれより100m以上下降した(悪くなった)。

これらの知識があれば、昨日の広島空港の“滑走路視距離”を読み取れると思います。



「おさらい」ついでに、“現在天気”の項についても少々。

“現在天気”は、雷電等の特殊な気象現象を除き、
  飛行場とその周辺(半径約10km以内)の運航上重要な気象現象について、
   天気略号を適切に組み合わせて、重要な順に最大3群まで通報されます。
  ※天気現象が天気略語のいずれにも該当しない場合には省略される。

昨日の広島空港では、「視程障害現象」に区分される FG (Fog) “霧”は当たり前ながら多いですね。

-b) Obscurations (hydrometeors)
 FG (Fog) :“霧”、視程1000m未満
   Reported when visibility is less than 1000m, except when qualified by "MI", "BC", "PR" or "VC".
 BR (Mist) :“もや”、視程1000m以上5000m未満
   Reported when visibility is at least 1000m but not more than 5000m.

「降水現象」としては RADZ が報じられています。

-a) Precipitation
 DZ (Drizzle) :霧雨
 RA (Rain) :雨

 降水現象には「強度」を組み合わせて示すことが出来るので、それぞれの記号の前に - が付いている場合は当該現象が“弱( light )”であることを示し、無記号のときは“並”( moderate )であることを示しています。

[ICAO Annex 3 Meteorological Service for International Air Navigation Appendix 3 より]
Recommendation.In local routine and special reports and in METAR and SPECI, the relevant intensity or, as appropriate, the proximity to the aerodrome of the reported present weather phenomena should be indecated as follos:
 (local routine and
special reports)
(METAR and SPECI)
LightFBL
ModerateMOD 
HeavyHVY

Used only with DZ, GR, GS, PL, RA, SG and SN (or in combinations involving these present weather types; in these cases, intensity refers to precipitation in accordance with 4.4.2.6); DS and SS (in the case of DS and SS, only moderate and heavy intensities to be indicated).

BCFG との通報がありますが、その BC は「特性記号」に該当します。

 BC (Patches) :散在している
   Fog patches randomly covering the aerodrome.
 MI (Shallow) :地表面浅く
   Less than 2 m (6 ft) above ground level.
 PR (Partial) :部分的な
   A substantial part of the aerodrome covered by fog while the remainder is clear

本文の文字数も9900文字を超え、限界が近いのできょうはここまでです。

Comment ( 0 ) | Trackback ( 0 )

機上気象レーダ( Onboard / Airborn WX Radar )って

 明日は(夏の)土用の入りです。鰻をおねだりできる“丑の日”は、今年は7月23日(日)なのですが、それまでに梅雨は明けるのでしょうか。

きょうも各地で梅雨前線に伴う激しい雨が観測されているようです。

すごく簡単にですが、悪天候回避の強い?見方?である“機上気象レーダ( Onboard / Airborn WX Radar )”についてお話します。

疑問符“?”を付けたのは、折角搭載されている WX Radar も使い方次第では全く意味をなさないからであります。

それ程に WX Radar の使い方は重要であり、パイロットの方々は皆勉強に余念がありません。味方につければ快適性を向上させる強力な武器になるのですから。

WX Radar については一般論は勿論存在しますが、それだけではいささか不十分であり、日頃の運航や資料の研究から独自のノウハウをためこんでいるパイロットさんが多いようです。
「キャプテン(機長)の数だけ WX Radar の活用法がある」と言っても過言ではないでしょう。

今回は“簡単に”ですから、一般論、それも原理が中心です。
(世間一般には、気象レーダというとテレビの天気予報やインターネットのサイトで目にする程度であり、“機上気象レーダ( Onboard / Airborn WX Radar )”には無縁ですからね....)

WX Radar は機首部分に格納されています。

アンテナはパラボラ・アンテナで、Cバンド周波数といわれる4GHz~8GHzのマイクロ波を使っています。

近年開発されている新しいレーダは、Xバンド周波数(8GHz~12.5GHz)を用い、平面アンテナになっています。
Xバンドを用いた新世代レーダには;
  • パルス波のエネルギーがより強力
  • ビーム幅が狭いため、ターゲットの解像度が向上する
  • 反射効率が高く、ターゲットから返ってくるエネルギー総量が増える
  • 擾乱、ウィンド・シェアも検出できる
  • 低消費電力
等のメリットがあるので、今後はこの新世代 WX Radar 搭載機が増えてくることでしょう。



さて、“機上気象レーダ( Onboard / Airborn WX Radar )”の原理です。

機首部分に格納されたアンテナから、マイクロ波のパルスを照射します。

照射されたマイクロ波(波長が極めて短いですから、強い直進性を持っています)は、それを反射するターゲットがあると、それにぶつかり、逆方向に戻ってきます。

Weather Radar Principle


その戻ってきたマイクロ波をアンテナで受信し、アンプで増幅、反射強度に応じて色分けをして(または輝度を変えて)レーダ画面に表示します。
(この表示された画像を、一般的には“(レーダ)エコー”と言います)

エコーをどこに表示するかですが、最近のハイテク機ではパイロットの正面に配置されている CRT / LCD ディスプレーの一つを ND: Navigation Display モード(カーナビの地図表示のようなものです)にして、そこに重ねて表示させることが可能です。

クラシックでビンテージものの機材(非グラス・コックピット機)では、別途レーダー画面があります。

と、原理はたったこれだけです。

「反射強度」は何故変化するのか。

ひとつは、アンテナからターゲットまでの距離の要因があります。
当然のことながら、遠くのターゲットは照射してからその反射波を受信するまでの距離が長くなりますので、その分、照射したマイクロ波のエネルギーは減衰して弱くなります。
が WX Radar の場合、これはあまり重要視されません。

重要なのは、ターゲットによる反射率の違いです。

WX Radar (ここでは従来から用いられてきているCバンドのレーダを想定します)が検出できるのは、
  • 雨滴( Rain )
  • 湿った雹( Wet hail )
  • 氷晶( Ice crystal ),乾いた雹( Dry hail ),乾いた雪( Dry snow )
のみであり、
  • 霧( Fog )
  •  は水滴が細かすぎて
  • ウィンド・シェア( Wind shear ),晴天乱気流( Clear Air Turbulence )
  •  は降水粒子が存在しないので検出できません。

さらに、検出できるものの中でも反射率が異なります。

ターゲットによる反射率の違いは以下の図のようになります。

Reflectivity According to Droplet Type


これを見ると、単位体積あたりに含まれる水の総量が多いほど反射率が強いことがわかります。

加えて、降水粒子の大きさが反射率に大きく影響します(反射強度は降水粒子直径の6乗に比例)。

Reflectivity According to Droplet Size


これは、以前の投稿にも記したのですが、雲の粒子は半径が10ミクロン、雨雲の代表的な雨粒は半径が1000ミクロン、雲粒と雨粒の境界は大体半径が100ミクロンと言われています。

雲粒と雨粒との間には、100倍の大きさの差がある訳ですが、これはレーダの反射波では、(10×10)の6乗=10の12乗=1000億倍の反射強度の差となって現れます。

雲であれば、何でもかんでもレーダに映るわけではないのです。

※これは、“機上気象レーダ( Onboard / Airborn WX Radar )”に限ったことではないので、インターネットで提供されているリアルタイム・レーダー・サイトで、エコーが全く映っていないのに、空を見上げると全天雲に覆われている、といったことを経験された方もおられることでしょう。



原理としては単純明快な WX Radar ですが、使いこなすのには Tilt 角の調節,Range の調節,Gain の調節など種々の留意点があります。

小生を含め一般人にとっては箪笥の肥やしにもならないことですが、気が向いたら(且つ書く気力があれば)取り上げるかもしれません。
Comment ( 8 ) | Trackback ( 0 )

乱気流強度基準

 梅雨真っ盛り、この時期は悪天候に伴う擾乱(いわゆる乱気流)に悩まされる時期でもあります。

擾乱の強度、つまり“揺れの強さ”は主観に負う部分も多くどうしても曖昧になりがちですが、乱気流に遭遇した飛行機の揺れ方の“震度”に相当する目安については、DIGITAL AVIATOR さんのブログ、『タービュランス(続)』に簡潔かつ的確にまとめられています。

「ど素人が出過ぎたことして」とのお怒りを覚悟の上で、関連した話題を取り上げてみました。

まず、“揺れの強さ”に対する客観的基準は無いのか、という点です。

これは(小生のブログではすっかりお馴染みとなった)ICAO: International Civil Aviation Organization (国際民間航空機関)が『航空機重心位置における加速度変化』を基に、参考とすべき基本的な判断基準を定義しています。

ICAO のそれは、以下の3段階からなります。
LIGHT

航空機重心位置における加速度変化は0.5G未満

MODERATE

航空機重心位置における加速度変化は0.5G以上1.0G以下

SEVERE

航空機重心位置における加速度変化は1.0Gを超える

と、これだけです。

加速度変化を瞬時に読み取れる“加速度計”は操縦席の前面計器にはありません。
実際にどれだけ揺れたかの値は DFDR: Digital Flight Data Recorder に0.2秒間隔で記録されているのを、後から解析して(読み出して)初めて解ることになります。

※ACMS: Aircraft Condition Monitoring System や AIDS: Aircraft Integrated Data System 搭載機であれば、Cockpit 内の Maintenance Terminal から類似データを読み出すことができますが、いずれも即時性という点では満足できるものではありません。

この ICAO 基準ではあまりにも粒度が粗く、日常の運航で用いるに適しているとは言えません。

一方で、パイロットは『運航の妨げとなる気象状態に遭遇した場合は、出来る限り速やかにその情報を管制機関等に通報すべき』となっており、洋上飛行での位置通報と共に報じられる機上気象報告 AIREP: AIr REPort や随時通報する PIREP: PIlot weather REPort の書式が定められています。

乱気流に遭遇したパイロットは PIREP を報告します。
そこで用いられる乱気流の強度は、例えば FAA: Federal Aviation Administration (米国連邦航空局) では以下の6段階からなります。
  • Light Turbulence
  • Light CHOP
  • Moderate Turbulence
  • Moderate CHOP
  • Severe
  • Extreme
「FAA では」とあるように、この強度判定は概ね類似しているものの、“それ”に丸め込まれてしまいます。

航空会社では、よりきめ細かい乱気流強度基準を ICAO や FAA のそれに準拠して設定して、社内無線(カンパニー・レディオ)で通報し自社便の乱気流回避やサービス判定基準等に用いています。

例えば、全日空系では
  • LIGHT MINUS (LGT-)
  • LIGHT
  • LIGHT PLUS (LGT+)
  • MODERATE (MOD)
  • SEVERE (SEV)
  • EXTREME (EXT)
日本航空系では
  • SMOOTH (SMTH; TB0)
  • LIGHT MINUS (LGTM; TB1)
  • LIGHT (LGT; TB2)
  • LIGHT PLUS (LGTP; TB3)
  • MODERATE (MOD; TB4)
  • MODERATE PLUS (MODP; TB5)
  • SEVERE (SEV; TB6)
  • EXTREME (EXT; TB7)
これらは各航空会社内で閉じたレポートであり、日本の空域で共有されることが無かったことから、DIGITAL AVIATOR さんのブログ、『タービュランス』で紹介されているように、国土交通省航空局が共通の判定基準として C-PIREP: Common-PIREP なるものを定義し、試験運用が開始されたのは2001年6月のことでした。

今では会社を問わず乱気流情報を共有し、快適で安全な航空機運航のために寄与しています。

C-PIREP で定める乱気流強度基準は
  • SMOOTH (SMTH)
  • LIGHT MINUS (LGTM)
  • LIGHT (LGT)
  • LIGHT PLUS (LGTP)
  • MODERATE (MOD)
  • MODERATE PLUS(MODP)
  • SEVERE (SEV)
  • EXTREME (EXT)
となっています。



ICAO の判定基準は“客観的指標”を示している、という点では有益なのであり、不幸にして乱気流に遭遇し、負傷者が出た場合などは DFDR を取り下ろしてそのデータを解析、実際の揺れはどの程度だったかを明らかにします。

ただし、これにも盲点があります。

この値は『航空機重心位置における加速度変化』であるという点です。

飛行機の揺れ具合は、重心位置付近とそこから遠く離れた後部座席付近とでは異なる場合が殆どです。
よって、DFDR の値が0.5G未満であっても、お客様が着席されている座席位置によってはそれを上回る揺れがある可能性があります。

乱気流には機上レーダにも映る対流雲に伴う乱気流だけでなく、圏界面( tropopause )やジェット気流近傍で起こる晴天乱気流( CAT: Clear Air Turbulence )もあります。
この晴天乱気流は機上レーダにも映らない、当然雲もない状況で突然の風の変化で起こる厄介なものです。
DFDR Plot
晴天乱気流は、右の図( DFDR のプロット図)のように突然、『ドン』とくることが多いので、ベルト着用サインが消灯していても、着席時には少々窮屈であっても座席ベルトを腰の低い位置で締めておくことがお客様の立場でできる最善の自己防衛手段です。

パイロットの皆さんは、C-PIREP や PIREP、Company-PIREP、Air-to-Air の無線交信などを駆使し、揺れに関する情報を共有し、安全で快適なフライトのために頑張っておられます。

お客様も搭乗して着席したらベルト着用、でその努力に応えましょう。

パイロットの皆様も自分が遭遇した気象状況が各種気象FAXや衛星画像でどのように捉えられていたのか、C-PIREP, METAR, TAF などではどのように表現されていたのか、是非“ Look Back ”されることをお勧めします。
3レグ、4レグ後で疲れた後にそんな気力は残っていないかもしれませんが、決して無駄ではないと思います。

【蛇足】
ICAO や FAA, 航空局の判定基準は良いとして、航空会社の判定基準やら DFDR のグラフを何故知っているのか?
「日々是勉強」でございます。
このときばかりは事故調が発表する事故調査報告書や重大インシデント報告書を隅々まで読むのであります。
Comment ( 4 ) | Trackback ( 0 )

WX Radar に映っただろうに…

 レドーム(機種部分でここに気象レーダのアンテナが入っている)が根こそぎもぎ取られ、操縦室の風防ガラスにも一面のヒビが入っていますね。

ここまで派手にもぎ取られているのですから、雹の大きさは並大抵ではなかったでしょう。

何はともあれ、無事に着陸できて幸いでした。

某局テレビニュースで当該便(アシアナ航空8942便)PICの会見の様子(ハングル語なので字幕付)をやっておりましたが、「雲から出たところで落雷に遭い雹にうたれた」というようなことを述べていました。

当時の金浦空港の気象通報式を見ると、

RKSS 090800Z 21008KT 7000 BKN025 OVC080 22/17 Q0995 NOSIG
RKSS 090752Z 21009KT 7000 BKN025 OVC080 22/17 Q0995 NOSIG RMK TS E52 MOVD E CB S MOV E
RKSS 090739Z 23008KT 7000 TS SCT010CB BKN030 OVC080 22/18 Q0995 BECMG NSW RMK TS B39 S MOV E

となっています。

別のソースでは;
 “京畿道烏山の1万フィート上空でひょうと落雷に見舞われた。これにより操縦室の窓が割れ、レーダーが格納されている機首部分がはがれ落ちた。”
また、同ソースでは、Low Pass でギアを確認したのではなくて;
 “着陸を試みたが失敗し、午後5時14分頃に2回目の着陸に成功した。”
とありました。

情報が異なっていますが、1万フィートで被雷し雹に打たれた、のが妥当な値だと思います。

さて、これだけ破壊力のあるデカイ雹が機上レーダーに映らなかったのでしょうか。

飛行機に搭載されている WX RADAR (気象レーダ)については、機会があれば少し詳しく説明しようと思っておりますが、今回はエッセンスだけを…。

レーダのアンテナ、これはご家庭でよく見かける衛星受信のパラボラアンテナのようなお椀でして、機首の部分に装着されています。もちろん、むき出しではなくカバーで覆われており、その部分をレドームと言います。

レーダの仕組みとしては、マイクロ波のパルスを発射し、ターゲットからの反射を受信・アンプで増幅し、レーダ画面にエコーとして表示させています。
地上の気象レーダとの違いは、機上のレーダはその構造上、360度ぐるりとスキャンすることが出来ません。いきおい、スキャンできるのは機首が向いている前方180度程度が限界になります。
(まあ、360度見たければ、安全を確認し管制承認を得て360度旋回すれば良いのですが....)

レーダ画面には雲や雨なら一律に映る訳ではありません。ターゲットからの反射波の強弱により、エコーの色を変え悪天域を識別します。
重要なのは、気象現象で反射しやすいターゲット、反射が弱いターゲットを正しく理解することです。

『降水粒子が大粒』で『水の状態』により近く『多量』に存在するターゲットからが一番強烈に反射波を返します。

ちょっと専門的ですが、反射率へ影響を及ぼす要素として;

1)降水粒子の直径の6乗に比例
2)降水粒子の状態は、Ice Crystal < Dry Hail・Dry Snow < Rain Drops < Wet Hail・Wet Snow
3)降水粒子の総量に比例

が挙げられます。
Range 20nm Tilt +10 Approach to RJTT
通常、空にぽかりと浮かぶ雲の粒子は半径が10ミクロン、雨雲の代表的な雨粒は半径が1000ミクロン、雲粒と雨粒の境界は大体半径が100ミクロンと言われています。

雲粒と雨粒との間には、100倍の大きさの差がある訳ですが、これがレーダの反射波では、(10×10)の6乗=10の12乗=1000億倍の反射強度の差となって現れます。

また今回の雹がドライだったか、ウェットだったかはわかりませんが、ウェットだった場合、降水粒子の状態としては“ Wet Hail・Wet Snow ”と一番強く反射する部類になります。

当然、NDに重ね合わせたレーダーにもしっかり映ったと思えるのですが、「突っ切れる」と甘く見てしまったのでしょうか。

ハイテク化された今日の旅客機では、パイロットはとかくオペレータ役に徹し、自動操縦が飛行のかなりの部分を担当するのですが、いくらハイテク化が進んだと言えども、オートパイロットが悪天域の回避まではしてくれません。

優秀な WX Radar を備えていても、それを使いこなすのはパイロットです。

これからの季節、WX Radar のお世話になる機会が多くなりますが、WX Radar の使い方ひとつで、飛行の快適性、ひいては安全性にまで影響を及ぼすことになります。
from Airborn Weather Radar
機上レーダの使い方のコツは、

 Tilt 角(要は発射するパルスを下に向けるか上に向けるか)の設定
 Range(飛行フェイズに応じどこまで先を映すか)
 Echo Top と Beam 幅との正しい理解

に尽きるように思います。

最近では Honeywell 社の RDR-4B のように Auto-Tilt・Auto-Gain コントロール機能を備えた WX Radar を搭載した機体も増えてきています。

が、Auto に頼ることなく、Manual で Tilt 角や Gain(アンプの増幅率)をコントロールして、従来型で苦労してきたのと同様、悪天域の状況を的確に把握することがパイロットには求められるのではないでしょうか。

Tilt 角を上から下に変えた場合と、下から上に変えた場合ではヒステリシスの誤差が生じます。
同様に誤差を生む要因としては、丸めによる読み取り誤差やアンテナの取り付け誤差、地球の曲率、マイクロ波の伝播特性など様々な要因があります。

それらの要因をきちんと理解したうえで、WX Radar を操っているパイロットが求められる時代です。

自動化を下手に信頼すると惨事が起こることは、昨今の世の中を見ても明らかです。

今回はいつもにも増して話が脱線してしまいました。


韓国の国内便に落雷、機首はがれるも無事着陸 (読売新聞) - goo ニュース
A321 of Asiana【ソウル=平野真一】韓国の聯合ニュースによると、済州島発ソウル・金浦空港行きのアシアナ航空8942便エアバス321型機が9日午後4時55分(日本時間同)ごろ、京畿道安養上空の高度約300メートルで着陸体勢に入ろうとした際、落雷とひょうを受け、レーダーが格納されている機首部分がはがれて落下したほか、エンジン部分に穴が開き、操縦室の窓ガラスも壊れた。

 機長は直ちに管制塔に金浦空港への非常着陸を要請。上空を1度旋回してランディングギアに異常がないか調べた後、無事、着陸した。

 同機には済州島への修学旅行から帰る途中の小学生ら約200人が搭乗。機体が破損して大きく揺れた際にパニック状態となったものの、乗客に大きなけがはなかった。

2006年 6月10日 (土) 01:18
Comment ( 2 ) | Trackback ( 0 )

Tokyo VAAC FVFE01 RJTD 070845

 桜島が噴火し、噴煙が千メートルに達したそうです。

先日、 VAAC: Volcanic Ash Advisory Center の投稿で、火山灰が航空機の運航に支障を与えることを簡単な事例を交えて紹介しました。

と同時に ICAO: International Civil Aviation Organization (国際民間航空機関)では VAAC: Volcanic Ash Advisory Center (火山灰情報センター)を通し、航空機の安全運航を守るための情報を提供していることもご紹介しました。

昨夜の桜島・昭和火口噴火の情報も、早速 Tokyo VAAC(東京 火山灰情報センター)から世界標準時の08時45分、日本時間では17時45分(噴火確認の直後ですね)に発行されています。

以下が、その情報文です。(STX) Start of TeXt から (ETX) End of TeXt までが本文です。

FVFE01 RJTD 070845
(STX)
VOLCANIC ASH ADVISORY
ISSUED: 20060607/0845Z
VAAC: TOKYO
VOLCANO: SAKURAJIMA 0802-08
LOCATION: N3134E13039
AREA: JAPAN 
SUMMIT ELEVATION: 1060 M

ADVISORY NUMBER: 2006/8
INFORMATION SOURCE: JMA
AVIATION COLOUR CODE: NIL

ERUPTION DETAILS: ERUPTED AT 20060607/0830 TO FL070 EXTENDED W
OBS ASH DATE/TIME: NIL
OBS ASH CLOUD: IN INVESTIGATING SATELLITE DATA. WINDS ABV THE VOLCANO
 AT 07/0830Z FL070 070/5KT FROM JMA NWP MODEL.

FCST ASH CLOUD +6 HR: NIL
FCST ASH CLOUD +12 HR: NIL
FCST ASH CLOUD +18 HR: NIL

NEXT ADVISORY: WE WILL ISSUE FURTHER ADVISORY IF ASH IS DETECTED IN S
ATELLITE IMAGERY
REMARKS: NIL=
(ETX)
未だ勉強不足なのですが、ざっくり解説してみます。あまり当てにしないで下さい。

VOLCANIC ASH ADVISORY
 火山灰注意報
ISSUED: 20060607/0845Z
 発行:2006年06月07日08時45分[世界標準時]
VAAC: TOKYO
 火山灰情報センター:東京
VOLCANO: SAKURAJIMA 0802-08
 火山:桜島 Smithsonian Number:0802-08
LOCATION: N3134E13039
 位置:北緯31度34分 東経130度39分
AREA: JAPAN
 地域:日本
SUMMIT ELEVATION: 1060 M
 頂上標高:1060m

ADVISORY NUMBER: 2006/8
 注意報番号:2006年8号
INFORMATION SOURCE: JMA
 情報源:気象庁( JMA: Japan Meteorological Agency )
AVIATION COLOUR CODE: NIL
 (火山活動を示す)航空用カラーコード:無し( NIL: None or I have nothing to send to you )

ERUPTION DETAILS: ERUPTED AT ...
 噴火詳細:2006年06月07日世界標準時08時30分に噴火、噴煙は Flight Level 070(2134m)に達し、西方に広がっている。
OBS ASH DATE/TIME: NIL
 火山灰観測日時:無し
OBS ASH CLOUD: IN INVESTIGATING ...
 火山灰雲の観測:衛星データを調査中。火山上空 Flight Level 070 における 07日世界標準時08時30分時点の風向・風速は気象庁のウィンドプロファイラ(上空の風)によると070度から5ノット。

FCST ASH CLOUD +6 HR: NIL
 6時間後の火山灰雲予報:無し
FCST ASH CLOUD +12 HR: NIL
 12時間後の火山灰雲予報:無し
FCST ASH CLOUD +18 HR: NIL
 18時間後の火山灰雲予報:無し

と読みとれます。

先日の投稿したインドネシア・ジャワ島ムラピ(Merapi)火山の記事で引用した VOLCANIC ASH ADVISORY では、AVIATION COLOUR CODE は RED でした。

それと比較しても、今回の噴火は引用記事にもある通り“活動は比較的静穏な状態”と言えるのでしょう。

AVIATION COLOUR CODE については、改めて説明します。


桜島・昭和火口で噴火 60年ぶり、噴煙千mに (共同通信) - goo ニュース
鹿児島地方気象台は7日、鹿児島県・桜島の昭和火口(標高約800メートル)付近で同日午後5時半ごろ、小規模な噴火を確認したとする火山観測情報を出した。噴煙の高さは約1000メートルに達したという。同火口付近の噴火は1946年の大噴火以来60年ぶり。

同気象台によると、噴火に伴って発生する空気の振動は観測されておらず、火山性地震なども増加していない。活動は比較的静穏な状態だというが、専門家は「長期的には活発化は避けられないと考えられる」としている。

昭和火口付近では今年に入り地表の温度上昇や噴気の増加が確認されており、今月4日、火山灰を含む最大約800メートルの噴煙が上がっていた。

同火口は、55年以降、活発な火山活動が続いている桜島南岳山頂火口の約200メートル南東の斜面にある。46年の大噴火では大量の溶岩が流出、海岸にまで達した。

2006年 6月 7日 (水) 23:40
Comment ( 0 ) | Trackback ( 0 )

続・きょうも来るかな?

 携帯電話がブルブルと振動して、AMEMNDDED TAF-S が来ました。
AMD RJTT TAF-S
     300741Z 300715 12012KT 7000 FEW030 SCT030
     TEMPO 0811 4000 TSRA FEW020 BKN030 FEW030CB
     BECMG 1112 03012KT

先程、前投稿の【追記】で弱気な発言をしてしまったけれど、ここに来て....小生のお天気センサーに軍配が??。

昼、脳裏に映ったインスピレーション・レーダーは当たるかどうか。

仮に来ても5月20日程凄く長続きはしないと思いますが。いや、思いたい。


【20:30追記】

局地的には雷雨があったようですが、羽田に限れば以下の通り雨は無し。

RJTT 301100Z 09013KT 8000 NSC 21/18 Q1009
RJTT 301030Z 10009KT CAVOK 21/18 Q1008 RMK A2978
RJTT 301000Z 16010KT 9999 FEW030 SCT100 21/15 Q1008 RMK 1CU030 3AC100 A2977
RJTT 300930Z 14007KT 9999 FEW030CB SCT070 21/15 Q1008 RMK 1CB030 3AC070 A2977 CB 20KM NE MOV E
RJTT 300900Z 15008KT 9999 FEW030CB 22/15 Q1007 RMK 1CB030 A2974 CB 25KM NW-N MOV E
RJTT 300830Z 14009KT 9999 FEW025 22/16 Q1006 RMK 1CU025 A2973
RJTT 300800Z 14009KT 9999 FEW025 SCT/// 23/17 Q1006
RJTT 300730Z 13008KT 9000 FEW020 BKN/// 23/16 Q1006
RJTT 300700Z 13011KT 7000 FEW020 SCT/// 23/18 Q1006 RMK 1CU020 A2971
RJTT 300630Z 10012KT 8000 FEW025 SCT030 24/19 Q1006 RMK 1CU025 3CU030 A2971
RJTT 300600Z 12009KT 9000 FEW020 SCT/// 25/19 Q1006
RJTT 300530Z 10007KT 9000 FEW020 BKN/// 24/18 Q1006 RMK 1CU020 A2972

雷雲は空港の北側を通り抜けました。

つまり、予報を修正したものの、結果的には朝からの予報精度が高かったと言えるでしょう。

極論かもしれませんが、TAF は Flight Plan 作成時にどれだけ燃料を搭載するか、で気にするものなので、一時的に(お天気が)悪くなる方向に修正したとしても、実際に運航に支障を与えるような気象現象に遭遇しなければ、安全が阻害されることはないので(ただし、余計に搭載した燃料の分、燃費効率は悪くなりミクロで見た運航コストは上昇しますが....)結果オーライでしょう。

流石、羽田の予報官、恐るべし。

一方、成田の METAR をみると

RJAA 301100Z 06009KT 8000 -SHRA FEW012 BKN015 FEW020CB BKN100 19/16 Q1009 TEMPO BKN008 BKN020 FEW020CB RMK 1CU012 5CU015 1CB020 7AC100 A2982 CB NW MOV E
RJAA 301030Z 05006KT 020V080 8000 FEW012 BKN015 FEW020CB BKN/// 19/16 Q1009 TEMPO 3000 TSRA BR BKN008 BKN020 SCT020CB RMK 1CU012 5CU015 1CB020 A2981 CB 15KM W MOV E
RJAA 301000Z 12006KT 070V180 8000 FEW015 BKN018 FEW020CB BKN/// 19/16 Q1009 TEMPO 3000 TSRA BR BKN008 BKN020 SCT020CB RMK 1CU015 6CU018 1CB020 A2980 CB 25KM W MOV E
RJAA 300930Z 13007KT 070V210 9000 FEW020 SCT090 BKN/// 20/16 Q1008 TEMPO 3000 TSRA BR BKN008 BKN020 SCT020CB RMK 1CU020 3AC090 A2979
RJAA 300900Z 13007KT 9999 FEW020 BKN/// 20/16 Q1008 TEMPO 3000 TSRA BR BKN008 BKN020 SCT020CB
RJAA 300830Z 12009KT 070V160 9999 FEW020 BKN/// 21/16 Q1007 TEMPO 3000 TSRA BR BKN008 BKN020 SCT020CB RMK 1CU020 A2975
RJAA 300800Z 13008KT 9999 FEW020 BKN/// 22/16 Q1007 TEMPO 3000 TSRA BR BKN008 BKN020 SCT020CB
RJAA 300730Z 11009KT 9999 FEW020 FEW030CB 22/16 Q1006 NOSIG RMK 1CU020 1CB030 A2973 CB 40KM W MOV E
RJAA 300700Z 13008KT 090V160 9999 FEW020 SCT/// 23/17 Q1006 NOSIG RMK 1CU020 A2973
RJAA 300630Z 11008KT 060V130 9999 FEW030 BKN/// 24/16 Q1006 NOSIG RMK 1CU030 A2973
RJAA 300600Z 12009KT 9999 FEW030 BKN/// 24/15 Q1006 NOSIG RMK 1CU030 A2972

となっており、これまた TAF-L, TAF-S はいい感じで予報を出していたと言えるでしょう。

成田の予報官も、流石、恐るべし。

いずれにせよ、“餅は餅屋”ですね。

お天気は難し~いっ!!
Comment ( 0 ) | Trackback ( 0 )

きょうも来るかな?

 goo 天気を見ると、
全国概況
日本の上空を寒気を伴った気圧の谷が通過するため、大気の状態は不安定です。北海道は雨が降りやすく、太平洋側では雨量が多くなりそうです。東北や北陸は雲が多く、一時的に雨の降る所があるでしょう。関東甲信は昼過ぎから雨で、雷を伴い激しい雨になる恐れがあります。東海から九州は大体晴れますが、夕立があるかもしれません。沖縄は曇りや雨の梅雨空が続く見込みです。
(30日9時発表)
との記述があり、窓の外に目をやると、目の覚めるような青空ではないものの北回帰線に近づきつつある太陽からの陽射しが地面を照らし、夏日になる様相です。

TAF をみてみると、羽田は
RJTT TAF-S
     292100Z 292106 33004KT 8000 FEW030
     TEMPO 2124 4000 BR
     BECMG 0103 12007KT
RJTT TAF-L
     292100Z 300624 16010KT 9000 FEW015 SCT030
      TEMPO 0609 3500 SHRA
      BECMG 1215 02008KT
      BECMG 2124 14006KT
と午後3~6時〔日本時間〕に SHRA を予報しているだけですが、成田は
RJAA TAF-S
     292116Z 292106 03006KT 9999 FEW030
     TEMPO 2123 1600 BR BKN002
     BECMG 0305 12008KT
RJAA TAF-L
     292100Z 300624 12008KT 9999 SCT030
      TEMPO 0912 3000 TSRA BR BKN008 BKN020 SCT020CB
      BECMG 1214 04006KT
      TEMPO 1821 4000 BR
と午後6~9時〔日本時間〕に TSRA を予報しています。

これから、日中の気温の上昇具合や卓越風などにより予報は修正されるかもしれません。

十日前の5月20日には、東京近郊で激しい雷雨に見舞われました。

きょうは携帯電話がブルブルと(定時に加え) TAF の AMD を伝えてきそうです。

こういうときは、TAF だけでなく METAR Sequence に注意を払うことも重要ですね。

RJTT 300800Z 14009KT 9999 FEW025 SCT/// 23/17 Q1006
RJTT 300730Z 13008KT 9000 FEW020 BKN/// 23/16 Q1006
RJTT 300700Z 13011KT 7000 FEW020 SCT/// 23/18 Q1006 RMK 1CU020 A2971
RJTT 300630Z 10012KT 8000 FEW025 SCT030 24/19 Q1006 RMK 1CU025 3CU030 A2971
RJTT 300600Z 12009KT 9000 FEW020 SCT/// 25/19 Q1006
RJTT 300530Z 10007KT 9000 FEW020 BKN/// 24/18 Q1006 RMK 1CU020 A2972
RJTT 300500Z 09006KT 9000 FEW020 24/18 Q1006 RMK 1CU020 A2972
RJTT 300430Z 09007KT 9000 FEW020 24/18 Q1006 RMK 1CU020 A2972
RJTT 300400Z 09006KT 9000 FEW020 24/17 Q1006 RMK 1CU020 A2973
RJTT 300330Z 09006KT 9000 FEW020 23/18 Q1007 RMK 1CU020 A2974
RJTT 300300Z 12006KT 9000 FEW020 SCT/// 23/18 Q1007 RMK 1CU020 A2974
RJTT 300230Z 11006KT 8000 FEW020 SCT/// 23/17 Q1007
RJTT 300200Z 10004KT 8000 FEW020 SCT/// 22/17 Q1007
RJTT 300130Z 10007KT 8000 FEW020 22/18 Q1007 RMK 2CU020 A2975
RJTT 300100Z 06007KT 7000 FEW020 22/17 Q1007 RMK 2CU020 A2975
RJTT 300030Z 03007KT 6000 FEW020 SCT150 21/16 Q1007 RMK 2CU020 4AC150 A2976
RJTT 300015Z 03008KT 5000 BR FEW020 BKN150 21/16 Q1007 RMK 1CU020 6AC150 A2975
RJTT 300000Z 03007KT 4500 BR NSC 22/17 Q1007
RJTT 292330Z 02006KT 4500 BR NSC 21/17 Q1007
RJTT 292300Z 01008KT 4800 BR FEW040 BKN170 20/16 Q1007 RMK 1SC040 7AC170 A2975
RJTT 292230Z 01006KT 350V050 4800 BR NSC 20/16 Q1007 RMK 7AC150 A2974
RJTT 292200Z 34006KT 4500 BR NSC 20/16 Q1007
RJTT 292130Z 35007KT 4500 BR NSC 19/16 Q1006
RJTT 292100Z 34005KT 4500 BR NSC 19/16 Q1006 RMK 7AC150 A2971



【13:02追記】 METAR 追加

先程外に出ましたが、けっこう暑いです。アスファルト面の温度は30℃を超えているようです。
空を見渡し、目をつぶって360度ぐるりと回り脳裏に映ったインスピレーション・レーダーにはマゼンタ~レッドが....。
一応、覚悟しておこう。

羽田の予報官は、
RJTT TAF-S
     300300Z 300312 12008KT 8000 FEW020 SCT030
     BECMG 0507 18014KT
     TEMPO 0609 3500 SHRA
RJTT TAF-L
     300300Z 301206 02006KT 9999 FEW030
      BECMG 2124 14006KT
と相変わらず強気?ですが、成田は
RJAA TAF-S
     300300Z 300312 12008KT 9999 FEW030
     TEMPO 0912 3000 TSRA BR BKN008 BKN020 SCT020CB
RJAA TAF-L
     300300Z 301206 04008KT 9999 FEW030
      TEMPO 1821 4000 BR
      BECMG 2224 17010KT
と TAF-S に TSRA を引き継ぎましたね。



【15:46追記】 METAR 追加

流石“餅は餅屋”。羽田の予報官は朝から「こんなもんだろう」とお見通しだったということか....。
まだどうなるかは解かりませんが、午後3時〔日本時間〕に発表した TAF-S では、SHRA を取り下げましたね。
吉と出るか凶と出るか…さっき屋上で空を見上げたら、きょうは「吉」と出そうな感じ。
RJTT TAF-S
     300600Z 300615 12010KT 9000 FEW020 SCT030
     BECMG 1214 03010KT
RJTT TAF-L
     300300Z 301206 02006KT 9999 FEW030
      BECMG 2124 14006KT
逆に成田の TAF-S は相変わらず強気?
RJAA TAF-S
     300600Z 300615 12008KT 9999 SCT030
     TEMPO 0912 3000 TSRA BR BKN008 BKN020 SCT020CB
     BECMG 1113 04008KT
RJAA TAF-L
     300300Z 301206 04008KT 9999 FEW030
      TEMPO 1821 4000 BR
      BECMG 2224 17010KT
お天気は難し~いっ!


【17:25追記】 METAR 追加

遂に羽田の予報官が TAF-S を修正、AMD が出ました。
RJTT TAF-S300741Z
     300715 12012KT 7000 FEW020 SCT030 
      TEMPO 0811 4000 TSRA FEW020 BKN030 FEW030CB 
      BECMG 1112 03010KT
午後5~8時〔日本時間〕に TSRA が出ました。

5時の METAR を見ると平穏そのものなのに....。お天気は難し~いっ!
Comment ( 0 ) | Trackback ( 0 )

+TSRA です

 こりゃぁ、凄い。

つい先程までバケツをひっくり返したような雨がオフィスの窓に打ち付けていました。
今は、少し弱まったものの、まだ雷鳴は轟いています。

相変わらずのワンパターンですが、羽田空港の16時〔日本時間〕以降の気象通報式です。

WS RWY34LR34L/0750VP1800U R22/1300VP1800U R34R/0750VP1800U が出ているところを見ると、Landing Runway 34L/R in use のようですね。

横風成分が 15kt を超えていて、厳しそう。

RJTT 240930Z 10017KT 9999 TS FEW015 FEW025CB BKN070 18/16 Q1008 RMK 1CU015 1CB025 7AC070 A2978 FBL TS 10KM W-NE MOV E
RJTT 240912Z 10020KT 9999 -TSRA FEW015 FEW025CB BKN060 18/15 Q1007 RMK 1CU015 1CB025 7CU060 A2975 FBL TS 15KM NW-N MOV E
RJTT 240900Z 10019KT 9999 SHRA FEW015 FEW025CB BKN060 18/13 Q1007 RETS
RJTT 240848Z 09016KT 8000 -SHRA FEW015 FEW025CB BKN060 18/16 Q1007 RETS RMK 2CU015 1CB025 7CU060 A2975 CB 15KM SE MOV E AND 20KM NW MOV E
RJTT 240841Z 10014KT 6000 SHRA FEW015 FEW025CB BKN060 18/15 Q1007 RETS RMK 2CU015 1CB025 7CU060 A2975 CB 15KM 10KM SE MOV E
RJTT 240830Z 10013KT 3500 TSRA FEW010 FEW025CB BKN025 18/15 Q1007 WS RWY34L
RJTT 240818Z 11017KT 3500 R34L/0750VP1800U R22/1300VP1800U R34R/0750VP1800U TSRA FEW005 SCT009 FEW025CB BKN035 18/16 Q1007 RMK 1ST005 3CU009 2CB025 6CU035 A2975 FBL TS 5KM E MOV E P/RR
RJTT 240816Z 11017KT 3200 R34L/0350VP1800U R22/1200VP1800U R34R/0700VP1800U TSRA FEW005 SCT009 SCT025CB BKN035 17/15 Q1007 RMK 1ST005 3CU009 4CB025 7CU035 A2975 FBL TS OHD MOV E P/RR
RJTT 240815Z 11018KT 3000 R34L/0350VP1800U R22/0900VP1800U R34R/0650VP1800U TSRA FEW005 SCT009 SCT025CB BKN035 17/15 Q1007 RMK 1ST005 3CU009 4CB025 7CU035 A2974 FBL TS OHD MOV E P/RR
RJTT 240810Z 11019KT 1800 R34L/0350VP1800D R22/0750VP1800U R34R/0650VP1800D +TSRA FEW002 SCT009 BKN025CB BKN030 18/16 Q1007 RMK 2ST002 3CU009 5CB025 7CU030 A2974 MOD TS OHD MOV E
RJTT 240808Z 11009KT 1500 R34L/0350VP1800D R22/0700V1300U R34R/0650VP1800D +TSRA FEW002 SCT009 BKN025CB BKN030 18/17 Q1007 RMK 2ST002 3CU009 5CB025 7CU030 A2974 MOD TS OHD MOV E RI++
RJTT 240807Z 10008KT 1000 R34L/0350VP1800D R22/0700V1200U R34R/0650VP1800D +TSRA FEW002 SCT009 BKN025CB BKN030 18/16 Q1007 RMK 2ST002 3CU009 5CB025 7CU030 A2974 MOD TS OHD MOV E RI++
RJTT 240804Z 11006KT 1000 R34L/0400VP1800D R22/0700V1200N R34R/1000VP1800D +TSRA FEW002 SCT009 BKN025CB BKN030 19/17 Q1007 RMK 2ST002 3CU009 5CB025 7CU030 A2975 MOD TS OHD MOV E P/RR RI++
RJTT 240800Z 03007KT 280V090 1500 R34L/1600VP1800N R22/0700V1200N R34R/P1800N +TSRA BR FEW009 BKN025CB BKN030 18/16 Q1007
RJTT 240746Z 05012KT 4800 TSRA BR SCT025CB BKN030 20/17 Q1006 RMK 3CB025 7CU030 A2971 9999SE-SW FBL TS 5KM N MOV E
RJTT 240730Z 12011KT 9999 -TSRA SCT025CB BKN030 20/17 Q1005 RMK 3CB025 7CU030 A2970 FBL TS OHD MOV E
RJTT 240707Z 12010KT 9999 TS FEW025CB BKN030 BKN080 21/18 Q1005 RMK 1CB025 5CU030 7AC080 A2970 FBL TS 10KM W MOV E
RJTT 240700Z 14009KT 9999 FEW025CB BKN030 BKN080 21/18 Q1005 RETS RMK 1CB025 5CU030 7AC080 A2969 CB 10KM NW MOV E
24MAY2005 1820I
羽田はおさまりつつありますが、この東京都西部に広がる“真っ赤っか”なエコー。

TS 10KM W-NE MOV E ですから、これは心配です。

地上の交通機関に影響が出るかもしれません。

さらに短時間ではあるものの、この雨量ですから、道路の冠水や河川の氾濫が心配されます。

これも都市型災害ですね。


【21:00I 追記】

激しい雨と稲光、雷鳴の中を帰宅しました。
交通機関にも遅れや運転見合わせが出始めているようです。

午後6時半~午後7時〔日本時間〕の間に、羽田空港では前線(地表の前線面)が通過したようです。風が北に回りはじめましたね。

RJTT 241130Z 02016KT 8000 TSRA FEW015 SCT025CB BKN050 16/14 Q1012 RMK 1CU015 3CB025 7CU050 A2990 HVY TS OHD MOV E
RJTT 241100Z 02017KT 6000 -TSRA FEW015 SCT020CB BKN030 17/13 Q1012 RMK 1CU015 3CB020 7CU030 A2990 MOD TS OHD MOV E P/RR
RJTT 241030Z 02019KT 4800 TSRA BKN015 BKN020CB 17/15 Q1011 RMK 5CU015 7CB020 A2986 HVY TS OHD MOV E P/RR
RJTT 241012Z 03022KT 4800 +TSRA BKN015 BKN020CB 17/15 Q1009 RMK 5CU015 7CB020 A2982 HVY TS OHD MOV E
RJTT 241004Z 03018KT 9999 TSRA BKN015 SCT025CB BKN080 18/16 Q1010 RMK 5CU015 3CB025 7AC080 A2983 HVY TS OHD MOV E P/RR
RJTT 241000Z 04017KT 9999 -TSRA BKN015 SCT025CB BKN080 18/15 Q1010 RMK 5CU015 3CB025 7AC080 A2982 MOD TS OHD MOV E P/RR
RJTT 240930Z 10017KT 9999 TS FEW015 FEW025CB BKN070 18/16 Q1008 RMK 1CU015 1CB025 7AC070 A2978 FBL TS 10KM W-NE MOV E
RJTT 240912Z 10020KT 9999 -TSRA FEW015 FEW025CB BKN060 18/15 Q1007 RMK 1CU015 1CB025 7CU060 A2975 FBL TS 15KM NW-N MOV E
Comment ( 0 ) | Trackback ( 0 )

霧にけむる神戸 - CAT III B Required ??

 これでは、ILS CAT III B でなければ降りることができません。

気象通報式を見てみましょう(時系列入れ替えています)。

[神戸空港]
METAR RJBE 102200Z 19005KT 5000 BR FEW010 BKN/// 08/08 Q1016=
METAR RJBE 102300Z 19006KT 1500 R09/0750V1200N BR FEW001 SCT006 BKN/// 09/08 Q1016=
METAR RJBE 110000Z 24004KT 0100 R09/0150N FG VV001 08/07 Q1017=
METAR RJBE 110100Z 23004KT 0800 R09/0300V1200U FG FEW001 SCT004 BKN/// 09/08 Q1017=
METAR RJBE 110200Z 24005KT 0600 R09/0200V0700D FG FEW000 SCT002 BKN/// 08/08 Q1016=
METAR RJBE 110300Z 23004KT 0600 R09/0250V0800D FG FEW000 BKN/// 09/08 Q1015=
METAR RJBE 110400Z 24003KT 9999 FEW015 BKN/// 10/09 Q1014=

午前7時には5kmあった卓越視程は1時間後の午前8時にはたった1500m、滑走路視程距離も、ILSを備えている09でも(午前7時50分~8時までの10分間における1分間平均値の極値が)750m~1500mで変化傾向なし、になってしまいました。
視程障害現象として FG(霧:視程1000m未満で用いられる)が、その後9時から12時までの定時通報にみられます。

神戸空港のILSカテゴリーは CAT I であり、フル・スペックでも進入してきて高度 200 feet (約60m) の段階で進入灯が目視できなければならず、卓越視程が800m、滑走路視程距離が550m以上なければなりません。

(先月の開港に際してアップした KOBE ILS Rwy09 Approach Chart 参照)

この気象状況では、Below Minimum (最低気象条件未満)の状況がほとんどでしょう。
さらに、航空会社では機長の(機長としての)飛行時間をもとに、空港が公示している最低気象条件にマージンを持たせている場合がほとんどで、
「おはようございます。昨日機長発令されたPAXです。本日がPICとしての初フライトです。目的地神戸のお天気は視界が悪いようですが、チャンスをみてCAT-Iで降りますから張り切ってまいりましょう」
って、お前さん CAT-I の資格持ってないでしょ、とコーパイさんに窘められるのがオチです。

仮に神戸空港の地上航法支援施設が、成田空港や釧路空港、熊本空港のように CAT-III A を備えていて、パイロットも CAT III A 運航ができる資格を有するコンビで運航していたとしましょう。
CAT III では、Ceiling (雲低高度)に関する制限は無くなります。つまり、滑走路面まで霧に覆われていても、風の横風、追風成分が制限値内におさまっていれば「自動着陸」が可能です。

が、CAT III は滑走路視程距離に応じて A, B, C とさらに三段階に区別されており、日本の上述した空港で導入されている CAT III はいずれも A です。

CAT III A では、滑走路視程距離、所謂RVRが200m以上あることが求められています。
自動着陸を行なっても、その後の滑走路中心を保った減速と、減速後誘導路へ離脱するための視程は要求されているのです。

国交省は2006年度に、現在の CAT III A より一段階上の B を導入することを決めています(参考: CAT IIIb - 降りた後も大変 )。
が、CAT III B でも、RVRの minimum は100mです。

ICAO では、その一段階上の CAT III C まで定めていますが、そのレベルで初めてRVRに関する minimum も無くなる、つまりは滑走路からの離脱まで自動で行なえるようになるのです。

CAT III C で滑走路離脱した後どうするか?(無責任至極+勉強不足ですが)知りません。そんな条件下では飛ばないのが一番でしょう。

110000Z 24004KT 0100 R09/0150N FG VV001 08/07 Q1017=

などは、CAT III B の空港で、有資格のクルーが Briefing 時に参照するようなデータですね。

ちなみに、関西空港は CAT II まで、伊丹空港は CAT I です。

伊丹は以下の通りで問題なし。
[伊丹空港]
METAR RJOO 102200Z VRB01KT 5000 BR FEW010 BKN015 09/07 Q1016 RMK 1ST010 5CU015 A3002=
METAR RJOO 102230Z 13002KT 4500 BR FEW010 BKN015 10/08 Q1016 RMK 1ST010 5CU015 A3002=
METAR RJOO 102300Z 00000KT 4500 BR FEW007 SCT010 BKN015 10/08 Q1016 RMK 1ST007 3CU010 5CU015 A3002=
METAR RJOO 102330Z VRB02KT 4000 BR FEW007 SCT010 BKN015 10/08 Q1016 RMK 1ST007 3CU010 5CU015 A3003=
METAR RJOO 110000Z 22005KT 6000 BR FEW007 SCT010 BKN015 11/08 Q1016 RMK 1ST007 3CU010 5CU015 A3003=
METAR RJOO 110030Z VRB03KT 7000 FEW007 SCT010 BKN015 11/08 Q1017 RMK 1ST007 3CU010 5CU015 A3003=
METAR RJOO 110100Z VRB04KT 8000 FEW008 SCT015 BKN/// 12/08 Q1016=
METAR RJOO 110130Z VRB03KT 9000 FEW010 BKN/// 13/08 Q1016 RMK 1CU010 A3002=
METAR RJOO 110200Z VRB03KT 9999 FEW015 BKN/// 14/08 Q1016=
METAR RJOO 110230Z VRB04KT 9999 FEW015 BKN/// 15/07 Q1015=
METAR RJOO 110300Z 22004KT 160V320 9999 FEW025 SCT/// 15/07 Q1015=
METAR RJOO 110330Z 22007KT 180V260 9999 FEW025 BKN/// 15/06 Q1014=
METAR RJOO 110400Z 22007KT 160V280 9999 FEW030 BKN/// 16/07 Q1013=

関西空港は、以下の時間帯の通報式を見ると厳しいですね。
[関西空港]
RJBB 110030Z 26006KT 0500 R24/P1800N FG VV003 10/10 Q1017 BECMG 7000 NSW
RJBB 110037Z 28006KT 0100 R24/P1800N FG VV001 10/09 Q1017 RMK A3003
RJBB 110100Z 29006KT 0100 R24/0700V1600D FG VV001 09/09 Q1017 BECMG 7000 NSW
RJBB 110119Z 30003KT 0200 R24/0700VP1800U FG VV001 09/09 Q1016 RMK A3003
RJBB 110127Z VRB04KT 0200 R24/1100VP1800D FG VV002 09/09 Q1016 RMK A3003
RJBB 110128Z VRB04KT 0200 R24/1100VP1800D FG VV002 09/09 Q1016 RMK A3003
RJBB 110130Z VRB04KT 0200 R24/1100VP1800U FG VV002 09/09 Q1016 BECMG 7000 NSW
RJBB 110142Z VRB03KT 0200 R24/0650VP1800D FG VV001 09/09 Q1016 RMK A3002
RJBB 110145Z 35004KT 300V040 0200 R24/0650VP1800U FG VV001 09/09 Q1016 RMK A3002
RJBB 110147Z 01004KT 300V040 0200 R24/0650VP1800U FG VV001 09/09 Q1016 RMK A3002
RJBB 110200Z 02004KT 350V060 0300 R24/1400VP1800N FG FEW003 BKN/// 10/10 Q1016 BECMG 7000 NSW
RJBB 110207Z 02004KT 0300 R24/1400VP1800N FG VV002 10/10 Q1016 RMK A3001

朝方、濃霧で苦労した神戸も午後8時(日本時間)には

METAR RJBE 111100Z VRB02KT CAVOK 10/09 Q1012=

と CAVOK: Ceiling And Visibility are OK ですからねぇ。夜景がきれいなことでしょう。


関西各地で濃霧 交通機関に乱れ (朝日新聞) - goo ニュース
 近畿地方は11日朝、各地で局地的な濃霧が発生し、飛行機や電車などの交通機関に乱れが出た。

 2月に開港した神戸空港では、羽田発の3便と鹿児島発の2便が大阪(伊丹)、関西両空港に到着地を変更したほか、那覇行きなど計3便が欠航した。神戸空港で霧による到着地変更は初めて。関西空港でも、羽田発の1便が大阪空港に着陸地を変更し、約20便が最大で約1時間半、到着や出発を遅らせた。

 JR神戸線は明石―姫路間で午前6時半ごろから徐行運転し、上下53本が25~3分遅れ、約3万2000人に影響した。明石と淡路島を結ぶ「たこフェリー」も欠航した。

 大阪管区気象台によると、10日の雨の影響もあって湿った空気が広がっていたところ、早朝に気温が下がったため、霧が発生したという。

2006年 3月11日 (土) 13:32
Comment ( 4 ) | Trackback ( 0 )

神戸空港開港記念? 関西三空港 - 午後のお天気編

 正午以降ですが、神戸空港のお天気( METAR )です。

RJBE 161000Z 28006KT 6000 -SHRA BR FEW008 SCT030 BKN045 08/07 Q1015
RJBE 160900Z VRB03KT 4800 -SHRA BR FEW008 SCT015 BKN030 08/08 Q1014
RJBE 160800Z 12004KT 4500 -SHRA BR FEW008 SCT015 BKN025 08/08 Q1013
RJBE 160700Z 10008KT 6000 -SHRA BR FEW008 SCT015 BKN025 08/08 Q1013
RJBE 160600Z 12004KT 6000 -SHRA BR FEW010 SCT015 BKN025 08/08 Q1013
RJBE 160500Z VRB01KT 6000 BR FEW005 SCT025 BKN030 09/08 Q1012
RJBE 160400Z 25004KT 6000 BR FEW010 SCT012 BKN015 09/08 Q1012
RJBE 160300Z 20003KT 7000 FEW010 BKN015 09/08 Q1012

弱いしゅう雨ともや。風速は然程強くありませんが、風向が回りますね。

同時間帯の伊丹の METAR は、

RJOO 161000Z VRB02KT 8000 -SHRA FEW008 SCT015 BKN030 08/07 Q1015 RMK 1ST008 3CU015 5CU030 A2999
RJOO 160900Z 32003KT 6000 SHRA FEW008 SCT015 BKN025 09/07 Q1014 RMK 1ST008 3CU015 5CU025 A2995
RJOO 160800Z 33004KT 9999 -SHRA FEW008 SCT025 BKN040 09/07 Q1013 RMK 1ST008 3CU025 6CU040 A2993
RJOO 160700Z 34004KT 300V010 9999 -SHRA FEW008 SCT015 BKN025 09/07 Q1013 RMK 1ST008 3CU015 5CU025 A2993
RJOO 160600Z 33008KT 9999 -SHRA FEW008 SCT015 BKN025 10/07 Q1012 RMK 1ST008 4CU015 6CU025 A2990
RJOO 160500Z 32005KT 300V010 9999 FEW008 SCT015 BKN025 10/07 Q1012 RMK 1ST008 4CU015 6CU025 A2988
RJOO 160400Z 35008KT 9999 FEW008 SCT015 BKN025 10/07 Q1012 RMK 1ST008 3CU015 6CU025 A2990
RJOO 160300Z 33004KT 300V360 9999 FEW008 SCT015 BKN025 10/07 Q1012 RMK 1ST008 3CU015 5CU025 A2990

関空は、

RJBB 161000Z 35006KT 7000 -SHRA FEW003 SCT015 BKN035 08/08 Q1015 TEMPO 3500 SHRA BR FEW003 SCT006 BKN008
RJBB 160900Z 32006KT 3000 SHRA BR FEW003 SCT008 BKN015 08/08 Q1014 TEMPO FEW003 SCT006 BKN008
RJBB 160800Z VRB03KT 3500 SHRA BR FEW004 SCT010 BKN015 09/08 Q1013 TEMPO FEW003 SCT006 BKN008
RJBB 160700Z 29004KT 4500 SHRA BR FEW004 SCT008 BKN013 09/08 Q1013 TEMPO FEW003 SCT006 BKN008
RJBB 160600Z 26004KT 4000 SHRA BR FEW005 SCT008 BKN013 09/08 Q1013 TEMPO FEW003 SCT006 BKN008
RJBB 160500Z 32005KT 290V350 4500 -SHRA BR FEW006 SCT010 BKN015 09/08 Q1012 NOSIG
RJBB 160400Z 32008KT 8000 -SHRA FEW006 SCT010 BKN014 09/08 Q1012 NOSIG
RJBB 160300Z 36006KT 340V040 9999 SCT008 BKN010 09/08 Q1012 NOSIG

Boeing767-381 で神戸空港に降りたキャプテン談として「コンパクトな空港で着陸しやすかった」とあります。

朝のお天気は、残念ながら入手できてないので解かりませんが、きょう程度のお天気なら問題なさそうですね。

でも、こうやって関西の3つの空港の METAR を比べてみると、個人的には伊丹の ILS 31L がいいなぁ...。


関西3空港時代、開く 旅客や見物客らで活気 神戸空港開港 (産経新聞) - goo ニュース
(前略)

 一方、八時過ぎに着いた東京・羽田からの全日本空輸(ANA)便の朝田貴明機長(38)は「コンパクトな空港で着陸しやすかった」。到着ロビーでは、旅客一人ひとりにチューリップや搭乗記念証などが手渡された。

 運航開始に先立ち、午前五時五十分からターミナルビル二階の出発ロビーで行われた開港式では、神戸市の矢田立郎市長が開港宣言。兵庫県の井戸敏三知事は「ようやく新しいスタートを切ることができた。利便性が高い空港としての役割に期待する」と話し、一番機で東京に向かった。

 また、見物客は午前十時までに約四千人が詰めかけ、屋上の眺望スペースでは、愛好家らが離着陸する飛行機に向け、熱心にカメラのシャッターを切った。

(後略)
Comment ( 3 ) | Trackback ( 0 )

行きはよいよい、帰りは…

 12月にしてはなかなかの寒波到来ですね。

上空の風もすっかり冬の様相となりました。



日本上空には2本のジェット・コア、北を流れるコアは150ノット(時速278キロ)、南のそれは200ノット(370キロ)でございます。
今日の羽田~九州方面は定刻で飛べた便はあるのでしょうか?

きょうの羽田→福岡の一部を抜粋してみると、

ANA 245 09:05 09:06 出発済み 11:00 11:10 到着済み
JAL1711 09:20 09:22 出発済み 11:15 11:24 到着済み
SKY 005 09:25 09:25 出発済み 11:15 11:31 到着済み
ANA 247 09:40 09:42 出発済み 11:30 11:46 到着済み
JAL1713 10:30 10:36 出発済み 12:25 12:42 到着済み
ANA 249 10:30 10:51 出発済み 12:25 12:47 到着済み
SKY 007 11:00 10:58 出発済み 12:50 13:04 到着済み
JAL1715 11:30 11:33 出発済み 13:25 13:42 到着済み
ANA 251 11:35 11:41 出発済み 13:30 13:39 到着済み
JAL1719 12:30 12:38 出発済み 14:25 14:48 到着済み
ANA 253 12:35 12:35 出発済み 14:30 14:45 到着済み
SKY 009 13:00 12:59 出発済み 14:50 15:05 到着済み
JAL1721 13:30 13:32 出発済み 15:25 15:28 到着済み
ANA 255 14:20 14:19 出発済み 16:10 16:20 到着済み
JAL1723 14:30 14:29 出発済み 16:25 16:27 到着済み
JAL1725 14:50 14:48 出発済み 16:45 16:55 到着済み
ANA 257 15:20 15:22 出発済み 17:10 17:28 到着済み
SKY 011 15:35 15:49 出発済み 17:20 18:03 到着済み
JAL1727 15:55 15:53 出発済み 17:50 18:06 到着済み
ANA 259 16:00 16:03 出発済み 17:50 18:15 到着済み
JAL1729 16:25 16:31 出発済み 18:20 18:43 到着済み
ANA 261 16:30 16:29 出発済み 18:20 18:40 到着済み
ANA 263 17:05 17:08 出発済み 19:00 19:18 到着済み
JAL1731 17:30 17:27 出発済み 19:25 19:30 到着済み
ANA 987 17:35 17:33 出発済み 19:30 19:36 到着済み
ANA 265 18:00 17:59 出発済み 19:55 19:58 到着済み
JAL1733 18:00 17:58 出発済み 19:55 20:07 到着済み

と定刻に到着した便はないものの、意外にみな健闘していますね。
所詮この風では「定刻に着け」というのが無理と言うもの。タイム・プレッシャーはいけません。

これが国際線となると、追い風か向い風かは飛行距離(Ground Distance)が長くなる分もっと深刻です。

今夜、ホノルルへ向けて飛ぶ便から日系の成田→ホノルルを2本ピックアップしたら、

JO 076 20:25 20:40 出発済み 08:00 07:39 到着予定
NH1052 21:00 20:57 出発済み 08:50 08:06 到着予定

と冬ダイヤになっているのにさらに30分以上早着予定で、燃料セーブが出来そうです。
※ダイヤ上、NH1052 の方が所要時間を15分余計に見ているのは、JO 076 が Classic Jumbo (Boeing747) であるのに対し、NH1052 は双発の Boeing767-300 で巡航速度が違うからでしょう。

ちなみに、きょうハワイ行きに割り当てられた PACOTS Track 11, 12 は、

TRACK 11.
FLEX ROUTE : MORAY 34N150E 34N160E 32N170E 29N180E 25N170W CANON
JAPAN ROUTE : ACQUA OTR15 MORAY
PHNL ROUTE : CANON BOOKE PHNL
TRACK 12.
FLEX ROUTE : FERAR 33N150E 33N160E 31N170E 28N180E 24N170W SYVAD
JAPAN ROUTE : ACQUA OTR21 FORDO OTR17 FERAR
PHNL ROUTE : SYVAD BOOKE PHNL

と、ジェットを上手く利用しつつ 180E 付近の悪天予想域を回避するようなルート設定となっています。

成田を出て1~2時間のあたりにも悪天域が予想されてますが、そんなに(機体が)重くないでしょうから、上を越せる筈ですが、サービスにはちょっと気を遣うかもしれませんね。

明日到着の戻りのルートは、オークランドから既に以下のように公示されています。

TDM TRK A 051212190001 0512121900 0512130800 CANON 23N170W 24N180E 26N170E 29N160E 31N150E FERAR RTS/PHNL KEOLA LILIA V15 CANON FERAR OTR17 FORDO RMK/TRK A NOT AVAILABLE FOR FLIGHTS CROSSING 170E AFTER 0045Z DUE TO RTS AIROPS 286 12 DEC 19:00 UNTIL 13 DEC 08:00

TDM TRK B 051212190001 0512121900 0512130800 HOOPA 21N170W 21N180E 23N170E 26N160E 29N150E TONIK RTS/PHNL KEOLA KATHS A450 HOOPA TONIK G223 ADKAK RMK/0 12 DEC 19:00 UNTIL 13 DEC 08:00

ジェットを避けつつ、南を這うルート設定になっていますが、ホノルル→成田は9時間で着けるかどうか微妙なところですね。
Comment ( 0 ) | Trackback ( 0 )

視程良好なれど...

 今朝は冷え込みましたね。通勤途中から富士山がくっきり見え、手前の丹沢の山々もうっすらと雪景色でした。

富士山の山頂には雪煙が見えたので相当に強風であろうことは想像できたのですが、これでは降りることも出来ないし、機種によっては横風性能限界にひっかかって飛び立つにも飛びたてませんね。

今朝6時〔日本時間〕から14時までの METAR を抜き出してみました。

METAR RJGG 050500Z 27023KT 9999 FEW020 SCT050 08/M02 Q1003 TEMPO 27030G40KT
METAR RJGG 050430Z 27023KT 9999 FEW020 BKN050 08/M02 Q1003 TEMPO 27030G40KT
METAR RJGG 050400Z 27024KT 9999 FEW020 BKN050 07/M03 Q1003 TEMPO 27035G45KT
METAR RJGG 050330Z 26026KT 9999 FEW020 SCT030 BKN050 07/M02 Q1003 TEMPO 27035G45KT
METAR RJGG 050300Z 27025KT 9999 FEW020 SCT030 BKN050 06/M03 Q1003 TEMPO 27035G45KT
METAR RJGG 050230Z 28028KT 9999 FEW020 SCT030 BKN060 06/M04 Q1003 TEMPO 27035G45KT
METAR RJGG 050200Z 28033KT 9999 FEW020 SCT030 BKN050 06/M03 Q1002 TEMPO 27035G45KT
METAR RJGG 050130Z 27034KT 9999 SCT030 06/M03 Q1002 TEMPO 27035G45KT
METAR RJGG 050100Z 27025KT 9999 FEW030 06/M03 Q1003 TEMPO 27035G45KT
METAR RJGG 050030Z 27032KT 9999 FEW025 05/M04 Q1002 TEMPO 27035G45KT
METAR RJGG 050000Z 27030KT 9999 FEW025 05/M04 Q1002 TEMPO 27035G45KT
METAR RJGG 042330Z 27028KT 9999 FEW025 05/M03 Q1002 TEMPO 27030G40KT
METAR RJGG 042300Z 28024KT 9999 FEW025 05/M02 Q1003 NOSIG
METAR RJGG 042230Z 27022KT 9999 FEW025 04/M03 Q1003 NOSIG
METAR RJGG 042200Z 27031KT 9999 FEW025 04/M03 Q1002 TEMPO 27030G40KT
METAR RJGG 042130Z 27033KT 9999 FEW025 05/M02 Q1002 TEMPO 27035G45KT
METAR RJGG 042100Z 27036KT 9999 FEW025 04/M03 Q1001 TEMPO 27035G45KT

セントレアの滑走路は南北(滑走路方位 176°/356°)に 3500m が一本、一方、METAR の Wind direction は見事なまでに 270 (or 280)。こりゃぁ、風速=横風成分で面倒な計算要らずですわ。

機材を大型化すれば済む問題でもないと思いますが....。
空港設計段階で、このような季節風があることは判っていたのですから、横風用が無いセントレアとしては、あとは神頼みでしょうね。
※成田だって、春先の南西風のことを考えてC滑走路(横風用滑走路)を図面には引いていた訳で。


中部空港、横風で欠航相次ぐ (朝日新聞) - goo ニュース
 中部国際空港(愛知県常滑市)は5日、朝から強い横風に見舞われ、正午現在、離着陸あわせて国内線43便、国際線2便が欠航。多くの便が遅れ、最大1時間半の遅れも出た。風は深夜まで続く可能性があり、欠航や遅れはさらに拡大しそうだ。中部空港で横風による欠航がこれほど相次いだのは、2月の開港後、初めて。

 空港会社のまとめでは、国内線では日本航空の福岡行き3205便や全日空の札幌行き701便などが欠航。国際線は日本航空の北京行き601便が成田空港から機材が着陸できなかったために欠航した。

 航空各社によると、午前9時前後には風速20メートル以上の横風となり、ジャンボなど大型機もしばらく離陸を見合わせた。その後17メートル前後となり、大型機は離陸しているが、中型機以下は風がおさまるのを待っている。着陸できずに伊丹、福岡空港に避難した便もある。

 中部航空地方気象台によると、日本の東側にある低気圧に加え、能登半島上空の低気圧の南下で、回り込んだ風が空港に吹きつけた結果、西風の横風になっているらしい。

 中部空港は、3月12日午前中にも横風の影響で遅れが出た。強風が最も懸念されるのは12月から1月とされており、航空会社関係者からは「年末年始のラッシュ時に吹いたら大変。慢性的な問題なら、機材を大型にするなどの対策が必要かも知れない」と心配する声も出ている。

    ◇

 津市と中部国際空港を結ぶ連絡船「津エアポートライン」は5日、強風と高波のため、午前10時~午後2時までの往復8便が欠航した。

2005年12月 5日 (月) 13:33
Comment ( 0 ) | Trackback ( 0 )

凄い雨でした

 昨夕は激しい雨の音で眼が覚めました。

※前の投稿にあるように、天罰がくだり“夏風邪”をひいてしまったらしく、昨日の日中はダウン。お医者さんに診察+薬を処方してもらい、指示に従い薬を飲んで横になったものの、日中にそう簡単に眠れるものでもなく、ウトウトし始めたのは夕方でした。で、叩きつけるような雨音で目を覚ました次第です。

タイトルの画像は、21時10分現在の羽田空港近辺の降水の様子です。局地的ですが、激しい雨が降っていることがわかります。

小生の住処周辺は、すでにこの時間には降水のピークは過ぎ、少し落ち着いています。

参考までに、午後5時(日本時間)から午後9時4分までの羽田空港 RJTT の気象通報式をひろってみました。〔時系列は上が最新〕

RJTT 231204Z 06016KT 1000 R34L/1800U R22/0800VP1800D +TSRA BR FEW005 BKN020CB 24/23 Q1011 RMK 1ST005 7CB020 A2988 MOD TS OHD MOV E RI++
RJTT 231200Z 06016KT 2000 R34L/1800D R22/0900VP1800D +TSRA BR FEW005 BKN020CB 23/22 Q1011 RMK 1ST005 7CB020 A2987 5000N FBL TS OHD MOV E RI++
RJTT 231130Z 06022KT 6000 -TSRA FEW005 BKN020 SCT020CB 23/22 Q1011 RMK 1ST005 7CU020 3CB020 A2986 FBL TS 5KM SW-W MOV E
RJTT 231120Z 05019KT 5000 -TSRA BR FEW005 BKN020 SCT020CB 23/22 Q1011 RMK 2ST005 7CU020 3CB020 A2987 FBL TS 5KM SW-W MOV E
RJTT 231100Z 05018KT 3000 R34L/P1800N R22/0800V1300U TSRA BR FEW008 BKN020CB 23/23 Q1011 RMK 2ST008 7CB020 A2987 MOD TS OHD MOV E
RJTT 231047Z 05021KT 2000 R34L/P1800N R22/0400V0550U -TSRA BR FEW008 BKN020CB 23/23 Q1011 RMK 2ST008 7CB020 A2986 0700N-NE MOD TS OHD MOV E
RJTT 231038Z 05020KT 2000 R34L/P1800N R22/0400V1700D TSRA BR FEW008 BKN015CB 23/23 Q1011 RMK 2ST008 7CB015 A2986 0700N-E MOD TS OHD MOV E P/RR
RJTT 231030Z 05019KT 2000 R34L/1000VP1800U R22/1000V1800U -TSRA BR FEW008 BKN015CB 24/23 Q1010
RJTT 231017Z 07023KT 3000 R34L/1200VP1800U R22/0300V0750U TSRA BR BKN008 BKN015CB 24/23 Q1010 RMK 5ST008 7CB015 A2984 MOD TS OHD MOV E
RJTT 231006Z 06020KT 0600 R34L/1000VP1800U R22/0300V0500D +TSRA BR BKN005 BKN015CB 24/23 Q1010 RMK 5ST005 7CB015 A2982 MOD TS OHD MOV E RI++
RJTT 231000Z 06019KT 1500 R34L/1000VP1800D R22/0450VP1800D +TSRA BR FEW008 BKN020CB 24/24 Q1010 RMK 2CU008 7CB020 A2983 MOD TS OHD MOV E RI++
RJTT 230949Z 06021KT 3000 TSRA BR FEW008 BKN020CB 24/23 Q1010 RMK 2CU008 7CB020 A2983 MOD TS OHD MOV E
RJTT 230939Z 05020KT 5000 -TSRA FEW015 BKN020CB 24/24 Q1009 RMK 2CU015 7CB020 A2982 MOD TS OHD MOV E
RJTT 230930Z 05019KT 3000 R34L/P1800N R22/0500V1200N R34R/P1800N +TSRA BR FEW005 BKN020CB 24/24 Q1009
RJTT 230921Z 06018KT 3000 TSRA BR FEW010 BKN020CB 25/23 Q1009 RMK 1CU010 7CB020 A2982 MOD TS OHD MOV E
RJTT 230900Z 09017KT 7000 -TSRA FEW010 BKN020CB 25/24 Q1009 RMK 1CU010 7CB020 A2981 MOD TS OHD MOV E CB 15KM E MOV E
RJTT 230845Z 07016KT 6000 TSRA FEW010 BKN020CB 26/24 Q1009 RMK 1CU010 7CB020 A2980 MOD TS OHD MOV E
RJTT 230838Z 07016KT 4000 TSRA BR FEW010 BKN020 FEW020CB BKN050 26/24 Q1009 RMK 1CU010 5CU020 2CB020 7SC050 A2980 FBL TS OHD MOV E
RJTT 230830Z 07015KT 6000 R34L/1000VP1800U R22/P1800N R34R/1800U -SHRA FEW010 BKN020 BKN050 26/24 Q1008
RJTT 230825Z 08012KT 060V130 5000 R34L/0750VP1800U R22/P1800N R34R/1700N +SHRA BR BKN020 BKN050 27/24 Q1008 RMK 5CU020 7SC050 A2978 2500SE-S
RJTT 230821Z 14010KT 2000 R34L/0750V1100N R22/P1800N R34R/1800D +SHRA BR BKN020 BKN050 28/23 Q1008 RMK 5CU020 7SC050 A2978 8000NW-NE RI++
RJTT 230800Z 19005KT 140V280 9999 FEW030 BKN050 BKN080 30/24 Q1008 RMK 1CU030 5SC050 7AC080 A2977

現地時間の今月2日午後4時頃、カナダのトロント・ピアソン国際空港でエールフランス358便が事故に遭遇したときの気象状況は、
 CYYZ 022000Z 29011KT 4SM +TSRA BKN051TCU BKN140 23/22
でしたから、現在天気やその他の項からするに、あのときに類似した気象状況だったのでしょう。



強い台風第11号(アジア名:MAWAR (マーワー):命名-マレーシア〔“ばら”の意味〕)も、予報円を見ると、明日から明後日にかけて関東地方にやってきそうです。
これから数日は、集中豪雨に要注意となりそうです。
Comment ( 2 ) | Trackback ( 0 )

夏の風物詩

 夏の空の風物詩といえば、青空を背景にもくもくとそびえ立つ“入道雲”を思い浮かべる方も多いでしょう。

傍から見ていると表情豊かで雄大な雲ですが、航空機の運航にとっては非常に厄介者です。

「10種雲形」上は、Cb: Cumulonimbus (積乱雲)に分類されますが、この雲に突入するなどは自殺行為、近寄るのもご法度です。
このような下層から発達してきた対流雲の中やその周辺では運航に大きな障害をもたらす、Severe Turbulence(激しい乱気流)や Lightning (雷電)、Hail (ひょう)、Icing (着氷)に遭遇する危険性が極めて高いのです。

タイトルの写真は、7月23日の午後4時過ぎ、RNAV Route Y23 の IGOSO ポイントの約50km手前(四国上空;高知市の北約40km付近)、FL410 (高度約12400m)から、北方に見えた見事な積乱雲です。積乱雲がそびえている場所としては、岡山県北部の中国山地付近上空でしょうか。

この積乱雲は台風などの巨大な悪天域に伴うものではないので、“気団雷”と呼ばれるものです。日本付近で夏場に(雷を伴う)夕立をもたらすのは、ほとんどがこの“気団雷”です。

“気団雷”の特徴は、局所的に発生し悪天域の範囲が比較的狭いことです。

積乱雲のような対流雲が発達するためには強力な上昇気流が必用です。もし、広域にわたって強い上昇気流が発生したら、地上の空気がねこそぎ持っていかれてしまいます。

つまり“気団雷”では「全ての場所に積乱雲が林立することは出来ない」のです。

ここで、タイトルに用いた写真の一部を拡大してみます。

Zoomed CB image over OKAYAMA area

“気団雷”のひとつひとつはさほど大きくないことがわかります。
さらに、その一つ一つの“気団雷”も複数の Cell (雲のかたまり)から成り立っており、それらが不規則に分布しています。不規則に分布しているので、見る人によって、様々な表情に見えるのでしょうね。

“気団雷”を構成する一つの Cell に着目すると、その一生は決して長くありません。
拡大した写真には、積乱雲の一生の幾つかのフェイズが写っていますので、写真も利用して積乱雲(単純化して一つの Cell で構成されているものとする)の一生を簡単に説明します。

【第一段階】
 上昇流が発生し、雲ができかけているのですが、まだ降水粒子は存在しません。
写真でははっきりしてませんが、一番大きなかたまりの手前側にほんの少し盛り上がっている部分がこのフェイズに相当します。

【第二段階】
 第一段階から約10分、雲頂は約7000~8000m( 23,000 ~ 26,000 feet )にまで達し、降水粒子が上部に滞留しはじめます。
写真では左から2番目、3番目がこのフェイズに相当します。

【第三段階】
 さらに発達を続け、雲頂高度も約1万m( 30,000 feet )に達します。もう雲の中は上昇流だらけで、強い上昇流により大粒の過冷却水滴(降水粒子)が上層まで運ばれています。
写真では一番左と左から4番目がこの段階か少し手前のフェイズです。

【第四段階】
 最盛期です。大粒の降水粒子が多量に上層に滞留している状態ですが、このころから、流石に強い上昇気流でもそれらの滞留している大粒の降水粒子を支えることが出来なくなり、落下を始めます。落下する粒子は周囲の空気を引きずりおろすとともに、蒸発による気化潜熱を奪い取るため冷気が発生し、強い下降流となる正帰還となります。
写真ではドンピシャの段階ではありませんが、左から5番目が最も近いフェイズです。

【第五段階】
 雲が出来始めてから約30分程度、上層にあった最も強い部分は中層部よりも低い位置にさがっています。もう雲の中に上昇流は全く存在しません。第四段階で降り出した地上の雨は、この第五段階で激しいしゅう雨となっています。マイクロバースト現象もこの段階で発生します。
この段階も写真ではドンピシャのものが無いのですが、もっとも近いのは左から5番目でしょうか。

【第六段階】
 地上の降水域もだんだんと狭くなり、強度も弱まりつつあります。しかしながら Cell からの下降気流は周辺にある暖かい空気の下にもぐりこみ、隣接した付近にに新しい Cell を発達させます。→第一段階へ。
上層には、氷の結晶や雲粒が取り残されますが、それらは空気の摩擦でそう簡単には落下できないので、しばらくは“かなとこ雲”として高層を漂います。そして、しばらくすると、その雲も雲散霧消してしまいます。
写真では一番大きなかたまり(特にその右側)が、この“かなとこ雲”になりかけている状態です。



以上、機窓からみえた雄大な雲の写真を題材に、積乱雲、気団性雷雨の一生を簡単に説明しました。

この説明からもお解かりのように、気団性雷雨は上昇流と下降流が同一の場所で起こるので、Cell も自然消滅し長続きすることはありません。通常は、30分から1時間程度と、その一生はとても短いものです。
このこともあり、対地速度が時速1000kmの機窓から撮影した写真は同一地点を継続して観察したものではありませんし、さらに、客室からでは気象レーダの映像を見る術も無く、写真との対応付けは必ずしも厳密ではありません。が、おおよその雰囲気は理解していただけたと思います。

今回は“気団雷”を例にしましたが、夏の雷雨が全て“気団雷”とは限らず、 Multicell Type や Supercell Type と他にもあり、それらの場合、構造や規模、持続時間も異なってきますし、当然運航に与える危険度も異なります。

また、今回は日中で積乱雲を目視できる状況(だから写真も撮れた)でしたが、新月の夜などは、星明りだけを頼りに積乱雲を目視発見するのは不可能です。そのようなときに頼りになるのが、飛行機に搭載された WX Radar (気象レーダ)となる訳です。

WX Radar についてはまた別の機会に。
Comment ( 0 ) | Trackback ( 0 )

気象通報式における略号補足

先日の「JAL1935/21JUN HNDOKA Divert 私見」をはじめとして、本ブログの投稿には“気象通報式”を引用することが少なくありません。

ほとんどの部分は説明済なのですが、たまに未だ説明していない略号(文字列)が現れることがありますので、きょうはこれまでに気が付いたそれらの略号を説明します。

1) NOSIG: NO SIGnificant change
 NOSIG: no significant change -- 顕著な変化なし
 【使用例】
 METAR RJBB 211300Z 21008KT 5000 -SHRA BR FEW010 SCT040 BKN060 22/21 Q1005 NOSIG

 成田、中部、関西の各空港では METAR に付加して「着陸用飛行場予報」が発表されています。
これは、風、卓越視程、現在天気、雲、鉛直視程に重要な変化が予想される場合に示されるのですが、いずれも重要な変化がなく、変化を報ずる必要なしと予想される場合には NOSIG が用いられます。
 ちなみに、この一つ前に発表された現況は
 SPECI RJBB 211245Z 23009KT 5000 SHRA BR FEW015 SCT040 BKN080 22/21 Q1005 RMK 1CU015 3CU040 6AC080 A2971
でしたから、その時点からの「風、卓越視程、現在天気、雲、鉛直視程」は『いずれも重要な変化がなく、変化を報ずる必要なし』と予想されたので NOSIG が報じられたのでしょう。

2)NSW: No Significant Weather
 NSW: no significant weather -- 運航に影響を及ぼす悪天がない
 【使用例】
 METAR RJBB 211230Z 23008KT 6000 SHRA FEW015 SCT040 BKN080 22/21 Q1005 BECMG NSW

 これは「着陸用飛行場予報」と組み合わされている例ですが、他には「飛行場予報:TAF」で用いられます。
 TAFや着陸用飛行場予報では、以下の重要な予報天気については、その現象の予想される開始・終了・強度の変化、が天気略号で示されることになっています。
-着氷性の降水
-着氷性の霧
-並または強の降水(しゅう雨性降水を含む)
-地ふぶき(ふぶきを含む)
-砂じんあらし
-雷電(降水の有無によらない)
-スコール
-ろうと雲(たつ巻)
-(弱い降水現象や霧・煙霧など)視程の重要な変化や原因になると予想される天気現象
 これらの重要な天気現象の終息を予報するために用いられる記号が、NSW(no significant weather)です。
 例の METAR では、変化群を示す BECMG (becoming) と共に用いられていますから、「 BECMG NSW 」で、『いままで、運航に影響を及ぼす重要な天気現象が予報されていたが、その(それらの)運航に影響を及ぼす悪天がない状況に変化している』と読みとります。

3)CAVOK: Ceiling And Visibility OK -- Visibility, cloud and present weather better than prescribed valuess or conditions
 CAVOK -- 視程・雲、天気は指定された値および条件より良好
 【使用例】
 METAR RJTT 200530Z 16009KT CAVOK 28/16 Q1002 RMK A2959

 これは6月20日の羽田空港 METAR で用いられている例です。卓越視程、滑走路視程距離、現在天気、雲及び垂直視程の群がそれぞれ報じられるべき部分が CAVOK となっています。
 CAVOK が示されるのは、以下の状況です。
 視程:10km 以上
 雲:5000 feet または、最大の最低扇形別高度のどちらか高い値、未満に雲がない。
   全ての高度にわたって積乱雲( Cb )、塔状積雲( TCu )がない。
 現在天気:天気略語表に該当する現象がない。

4)NSC: Nil Significant Cloud
 NSC: Nil Significant Cloud -- 特記すべき雲はない。
 【使用例】
 METAR RJAA 070430Z 23026G40KT 3000 -BLDU NSC 22/09 Q1008 NOSIG RMK 1AC100 A2979=

 この例は、4月7日の成田空港 METAR で用いられている例です。雲及び垂直視程の群が報じられる部分が NSC となっています。
 NSC が示されるのは、以下の状況です。
 5000 feet または、最大の最低扇形別高度のどちらか高い値、未満に雲がない。
 全ての高度にわたって積乱雲( Cb )、塔状積雲( TCu )がない。
3)で説明した CAVOK の状態ではない。
 ※卓越視程が 3000m で天気現象として「(弱い)高い風じん」が観測されているので、CAVOK の状態ではない。

5)NIL: None or I have nothing to send to you
 NIL: None or I have nothing to send to you -- 無し

 4)の NSC は、「 Nil Significant Cloud 」の略でしたが、そこで使われている「 Nil 」は、この NIL です。

(気が付いたときに投稿しているために)、気象通報式の読み方が、色々なところに点在してしまっており、ご不便をおかけいたしております。
Comment ( 0 ) | Trackback ( 0 )
« 前ページ