マリー・トラヴァース…PP&M のマリーが逝ってしまった。
9月16日のことである。
女性ボーカリストの中で私が一番よく聴いているのは、おそらくこの人の歌声だろう。
PP&M には、グループとしての活動を休止していた時期があった。
私が彼らの音楽にのめり込んだのは、まさにそのころのことだった。
彼らの音楽は今でも私の心と体にしみ込んでいるといってもよいほど、
私は激しく傾倒していたのだった。
PP&Mは、社会が抱える問題にいつも目を向け、声を上げ、活動し続けてきた。
そのことも大きな魅力であり、彼らの歌を聴いては
弱い自分の心を叱咤してきたように思う。
媚びない
阿らない
寄りかからない
弱い立場にある人、つらい立場にある人に
いつも温かいまなざしを向け、寄り添い
不条理なこと、不当なこと、理不尽なことには
毅然とたち向かっていく
そんな彼女の(そしてピーターの、ポールの)誠実で真摯な人としてのあり方は、
はるか遠くではあるけれど、永遠に私の憧れであり続けるだろう。
Peter Paul & Mary - Blowin in the wind (Tonight In Person 1966)
PP&Mのオフィシャル・サイトによると、
白血病にかかっていたマリーは、骨髄移植で回復の兆しを見せたものの、
化学療法の副作用から帰らぬ人となってしまったという。
同サイトに掲載された、ピーターとポールの言葉からは、
それぞれにピーターらしい、そしてポールらしい表現で
熱いメッセージが伝わってくる。
英語を母語としない私でさえ、読み上げる声が震えるほどに
深い愛と悲しみとともに強靱な意志を感じさせるものだった。
初めてPP&Mのライブに行ったのは、再結成後の1982年あたりだっただろうか。
以来、ライブに足を運んだのは5回。
ステージの上で、孫娘のウィリーちゃんとヴァージニアちゃんのことを話しては
目を細め、おお甘のおばあちゃんぶりを見せていた晩年のマリーの姿がありありとよみがえる。
私たちの青春の1ページとしていつまでも
心に残っています。
りーさん、
温かいコメントをありがとうございました。
今、PP&Mの全曲とそれぞれのソロアルバムを改めて聴いているところです。
一人ひとりがあれだけ個性的で、その個性がうまく溶けあっている……やはり素晴らしいです。
彼らは、これからも変わらず、世代を超えて多くの人びとに、大きな力を与えてくれるのだろうと思います。