poco a bocco

自然の素材がもつぬくもりやパワーに助けられての作品づくり
poco a poco のペースで進みます~♪

魂の叫び

2009-07-21 23:39:39 | あれこれ
3連休の初日、沖縄・宮古島の神歌を聴きに行きました。

  宮古島・伊良部島には、5年前に一度だけ訪れたことがあります。
  9泊10日の旅程のはじまりが宮古・伊良部での丸3日間。
  まずは自分の足でその土地を歩いてみる旅でした。
  亜熱帯の熱い空気の中で歩き続けることはかなり厳しいことでしたが、
  人々が暮らすその息づかいとまではいかなくとも
  すくなくともその土地の空気を感じ取るような…
  じわりじわりと心に残る至福の時間を過ごしたのでした。
  もちろん、その土地に暮らす人にとっては、ただ行きずりの旅人…
  ストレンジャーにすぎないのだけれど。。。

この日、ステージに上がったのは、島に暮らす人々。
商業音楽ではなく、暮らしの中に根づいた古謡、民謡、
そして祭祀で歌われる神歌の歌い手たちです。
突然、三線や太鼓もないアカペラの歌声が、耳ではなく皮膚を通して
しみ込んでくる感覚に襲われました。
90歳を越えた女性の、叫ぶわけでもなく、ろうろうと歌い上げるでもなく、
静かで淡々とした歌声なのに、これはいったいどういうこと?!!
“いい演奏” を聞いて鳥肌がたつような経験も今までに何度かありましたが、
それとは多分に違っています。
こんな感覚を味わうのは初めてのことでした。

人の声であれ、楽器の音であれ、音はすべて空気の振動によって耳に伝わる
ということは十分承知です。
けれど、この時の彼女たちの声はそれだけでは説明しきれないもののように
感じられたのです。
それは、聴覚でとらえる音とは別の何かです。
おそらくそれは彼女たちだけがもつ…というよりも、彼女たちの歌声に触れることによって
私が初めて経験することのできた感覚…なのだろうと思います。
目を閉じると、その心地よい波動が一層はっきりと感じられました。
指の先から上腕を経て、肩や胸の皮膚に静かに迫ってくる穏やかな音。。。
とてもいいもの…そう、宝物をもらった気分です。

歌う人も演奏する人も、一人残らず
心の底からわき上がる “よろこび” に満ちていました。
歌は心の、魂の叫び。。。
そんなふうに歌うことができたなら、どんなに幸せなことでしょう。
そんな境地ははるか彼方だとわかってはいるけれど、つよく憧れます。
そして、少しでもそこに近づいていくには…
とにかくまっとうに生きていくことしかないんじゃないか。。。
おめでたくも、そんなことを思う、今年の盛夏のはじまりでした。

佳き日にバンザイ!

写真:佐和田の浜(伊良部島)2004年9月撮影
コメント (3)
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