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マヤ・キチェー族の神話「ポポル・ヴフ」第三部を読んでみました。
続きです。
*****
(引用ここから)
●第6章
彼らのやってきた、あの「トゥラン」では、彼らは暁の到来を待ち、太陽の出を待って断食を守っていたから、なにも食べないでいることには慣れていた。
太陽の昇る前にまず現れる、かの偉大な星「イコキフ」がやってきた。
あの「トゥラン」に彼らがいた頃は、いつも東の方に輝いていた、かの輝かしい星を見守って、彼らは代わる代わる見張りに立った。
彼らがその権力と主座を得たのはこの地ではなく、かの「トゥラン」であった。
かの地で彼らは、大部族、小部族を屈服させて征服し、すべての者をトヒールの前に供犠とし、その血、その中身、胸、腋肉などを捧げたのであった。
彼らは「トゥラン」でたちまち権力を得た。
その智慧は、暗闇のうち、夜のうちに、絶大な力を持っていた。
やがて彼らは「トゥラン」を去り、東方を後にした。
彼らの神は言った。
「ここは我らのいる場所ではない。
我らの落ち着く先を探しに行こう。
お前たちも感謝を示す行いをせよ。
おまえたちの耳から血を出す用意をせよ。
おまえたちのひじをさして、おまえたちの供犠を行え。
これこそ、お前たちが神に感謝をささげる印だ。」
人間たちは、
「かしこまりました。 」
と言って、耳から血を出した。
そして歌いながら泣きだした。
「トゥラン」を去るので、彼らは心から悲しかったのである。
「あぁ、憐れな我らよ。
太陽が昇り、地の表が光り輝くあの夜明けをこの地で見ることもなく、我らは立ち去って行くのだ。」
と言いながら、彼らは「トゥラン」を去っていった。
しかし彼らは、通った道に人を残して日の出を見張らせたのであった。
どの部族の者も、太陽に先んじて出る星を見ようとして起き続けた。
彼らは東方からやってきた時以来、暁の明星を心に憧れていたのである。
彼らは今でも歌に歌われているように、こうした憧れを抱いて、あんなに遠いところからやってきたのであった。
(引用ここまで・続く)
*****
訳注によると、
「イコキフ」の語義は「太陽を担ぐ者」の意で、金星をさす、とあります。
また、ラス・カーサス氏による記録として
「土人たちは太陽を第一にあがめ、その次には暁の星をどの星よりも崇拝していた。
というのは、ケツァルコアトルが死んで、この星になったと考えていたからである。
彼らは毎日この星が出るのを待っていて、礼拝し、香をたき、自らの血を流して崇めていた。」と
記されている、とあります。
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続きです。
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(引用ここから)
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彼らのやってきた、あの「トゥラン」では、彼らは暁の到来を待ち、太陽の出を待って断食を守っていたから、なにも食べないでいることには慣れていた。
太陽の昇る前にまず現れる、かの偉大な星「イコキフ」がやってきた。
あの「トゥラン」に彼らがいた頃は、いつも東の方に輝いていた、かの輝かしい星を見守って、彼らは代わる代わる見張りに立った。
彼らがその権力と主座を得たのはこの地ではなく、かの「トゥラン」であった。
かの地で彼らは、大部族、小部族を屈服させて征服し、すべての者をトヒールの前に供犠とし、その血、その中身、胸、腋肉などを捧げたのであった。
彼らは「トゥラン」でたちまち権力を得た。
その智慧は、暗闇のうち、夜のうちに、絶大な力を持っていた。
やがて彼らは「トゥラン」を去り、東方を後にした。
彼らの神は言った。
「ここは我らのいる場所ではない。
我らの落ち着く先を探しに行こう。
お前たちも感謝を示す行いをせよ。
おまえたちの耳から血を出す用意をせよ。
おまえたちのひじをさして、おまえたちの供犠を行え。
これこそ、お前たちが神に感謝をささげる印だ。」
人間たちは、
「かしこまりました。 」
と言って、耳から血を出した。
そして歌いながら泣きだした。
「トゥラン」を去るので、彼らは心から悲しかったのである。
「あぁ、憐れな我らよ。
太陽が昇り、地の表が光り輝くあの夜明けをこの地で見ることもなく、我らは立ち去って行くのだ。」
と言いながら、彼らは「トゥラン」を去っていった。
しかし彼らは、通った道に人を残して日の出を見張らせたのであった。
どの部族の者も、太陽に先んじて出る星を見ようとして起き続けた。
彼らは東方からやってきた時以来、暁の明星を心に憧れていたのである。
彼らは今でも歌に歌われているように、こうした憧れを抱いて、あんなに遠いところからやってきたのであった。
(引用ここまで・続く)
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訳注によると、
「イコキフ」の語義は「太陽を担ぐ者」の意で、金星をさす、とあります。
また、ラス・カーサス氏による記録として
「土人たちは太陽を第一にあがめ、その次には暁の星をどの星よりも崇拝していた。
というのは、ケツァルコアトルが死んで、この星になったと考えていたからである。
彼らは毎日この星が出るのを待っていて、礼拝し、香をたき、自らの血を流して崇めていた。」と
記されている、とあります。
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