引き続き、ナバホ族の神話のご紹介をつづけさせていただきます。
リンクは張っておりませんが、アマゾンなどでご購入になれます。
とても魅力的なお話です。
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(引用ここから)
また、こういうことも伝えられている。
同じ年の秋の暮れ、「新来者」たちは東の方、ずっとずっと向こうの方から、彼らを呼んでいるかすかな声を聴いた
耳をすましてじっと待っていると、まもなく声は前よりもっと近くもっと大きく聞こえてきた。
更に待ち続けていると、三度目の声がますます近くにますます大きく聞こえてきた。
まだ耳をすましていると、前よりもっと大きな声が聞こえた。
今度はあまりにも近くて、まるで頭のてっぺんから直に落ちてくるようだった。
すぐその後、気が付いてみると、彼らは4人の不思議な生き物に取り囲まれていた。
それは今までに見たどんな生き物とも違っていた。
それもそのはず、彼らは「聖なる人々」だったのだ。
今日この世界に住む「地表人」と違って、彼らは地上にしばらく住み、老人なって死ぬが、その後また旅立ってゆく。
魔術も使える頭のいい人達だった。
彼らは死ぬ運命を持つ者の苦しみを知ることがない。
「虹の道」を辿って遠くまで行けるし、「太陽の光の道」をものすごい速さで動くこともできる。
地上のものは彼らの思いのままで、風や稲妻さえ自由に動かすことができた。
「第四世界」の「表面に住む人々」の前に立っていたのは「白い身体」すなわち今ナバホの人々が「話す神」と呼んでいる人であった。
また「青い身体」もそこにいた。
ナバホの人々が今、「水を撒く神」と呼んでいる人だ。
その次は「黄色い身体」と言われる人であった。
ナバホの今の人が「呼ぶ神」、あるいは「家の神」、あるいは「唸る神」と呼んでいる人だ。
そして最後に「黒い身体」、すなわち今のナバホの人々が「黒い神」、時には「日の神」と呼ばれる人だ。
さてその「聖なる人々」は、言葉を使わないで何か指示を与えるかのように、そこに集まった「昆虫人」たちに身振りで合図をした。
ところが流浪の者たちには、その身振りの意味が分からなかった。
だからただ頼りなくそこに立ち尽くして、見守るだけであった。
神々が帰って行った後、「昆虫人」たちは日が落ち、夜が明けるまで、この不思議な訪問について話し合い、それが何の意味だったのか、いろいろ考えた
神々の方では続けて4日間この訪問を繰り返した。
そして4日目に他の神々が帰った後も、「黒い身体」だけがそこに残った。
彼一人だけになった時、「昆虫人」の言葉で話し始めた。
「お前たちは、我々聖人の言ったことが分かっていないようだ。
これから私がしっかり教えよう。よく聞け。我々の願いはこの世にもっと人が増えてほしいとうことなんだ。しかし利口な人間に限る。お前たちのようでなく、我々のような人間だ。
手も足も口も歯も、みんな我々と同じにな。それから我々のように頭を使って、先のことを考えることができるようにな」
12日目の朝、昆虫人は念入りに水浴をした。
水浴が終わるとすぐに、東の遠方からまたかすかな声が聞こえてきた。
この前のように「昆虫人」は耳をすまして待った。
まもなくもっと近く、大きく声が聞こえてきた。
でもさらに彼らは待った。
三回目が前よりももっと近く大きく聞こえたが、それでもじっと待っていた。
まだ耳をすまして聞いていると、もう一度声がした。
前にも増して大きい声で、あんまり近くから聞こえたので、まるで頭のてっぺんから直に落ちてくるようだった。
すべて前の時と同じことが皆起きた。
そして同じく4人の「白い人」、「聖なる人々」が自分たちを取り囲んで立っているのに気付いた。
(引用ここまで)
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