前回は、外国人労働者をどのように受け入れるか、というテーマの記事でしたが、次は、外国(中国・韓国)との文化交流の記事です。
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「日・中・韓 違う音色と共演・・「日・中・韓 絃の響き」で奏者とナビゲーターを勤める筝奏者 片岡リサさん」
2014・08・28 読売新聞
○問
「琴」とも呼ばれる日本の「筝(そう)」、中国の「古筝」、韓国の「伽耶琴(かやげむ)」の違いは?
○答
どれも桐の木に絃(糸)を張った細長い姿をしているが、日本の筝が13元であるのに対して中国の古筝は21件が主流で、4オクターブの音が出せる。
絃も、日本はナイロン系だが、中国はスチールだから、ダイナミックで華やかな音楽となる。
伽耶琴は、今も絹糸の絃を使う。
絹絃が切れないようにゆるく張り、しかも絃を太くしているので、音程は低くずっしりとした音質となる。
奏者はゆっくりと一つ一つの音に気持ちを込めて弾く。
韓国に比べると、日本の「筝」は硬く、強い音がする。
○問
それぞれの歴史は?
○答
中国では、紀元前の秦の時代に、琴が演奏されていたと言われる。
日本に伝わったのは奈良時代。
ただし当時の13本の絃を守っているのは日本で、むしろ中国の人たちはどんどん楽器を変えていった。
絃を増やし、響きを変えた。
「伽耶琴」は韓国で生まれた。
中国の影響を受けているが、今となっては中国の「古筝」よりも「伽耶琴」の方が日本の「筝」に近い。
○問
奏法、表現法は異なるか?
○答
たとえば中国、韓国の奏者は、左手で音を大きくビブラートさせる。
日本はほんの少し絃を揺らすだけ。
わずかな変化を楽しむ。
おおきな声で会話する中国人、韓国の人。
おしとやかというか、分かるか分からないかのところで変化を楽しむ日本人文化の違いが出ているように思う。
○問
コンサートの流れは?
○答
わたしと中国・韓国の奏者の演奏の合間に私が説明をしてゆく。
実は去年も、東京と大阪で日・韓の童謡のコンサートを開いた。
音色や雰囲気の違いを、今回も楽しんでいただけると思う。
○問
オーケストラとの共演や、「筝」を奏でながら歌を歌う「弾き歌い」をしている目的は?
○答
「弾き歌い」は昔からあるが、わたしのようにポップスなどをアレンジし、歌っている人は少ない。
「筝」を身近に感じてほしいという気持ちが強い。
○問
日中、日韓関係が冷え込んでいる。
○答
韓国での演奏で、わたしが嫌な思いをさせられることはない。
日本での「日・韓コンサート」でも、観客の方は「韓国っていいわね」、とおっしゃる。
音楽というフィルターを通せば、国民同士のつながりができる。
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