前回の続きです。
エハン・デラヴィさんの本「太陽の暗号」によれば、フランス・バスク地方のアンダイという小さな村には、奇妙な文字と文様が刻まれた十字架の塔が建っていて、その文字と文様は今世紀の錬金術師フリカネリによって錬金術的に解釈されたということが書かれていました。
そしてそのフルカネリの錬金術的な解釈によれば、「塔」に刻まれた文字と文様は、世界の終わりの時について記されているということが解読されたということです。
フルカネリはその文字と文様から、「近い将来地球は二度にわたって大きなカタストロフに見舞われる」という謎めいた予言を導き出したのでした。
「太陽の暗号」の続きの部分を要約して転載します。
*****
こういった古代の予言と実際の天変地異の関係について、現代天文物理学と古代文明の神話を結び付けて研究している人々がいる。
アメリカの宇宙物理学者ポール・ラヴィオレッチは国連やユネスコの研究も委託される科学者であるが、地球規模の大災害が起きたとする人類の神話から、同じような現象が近い未来あるいは次世代に再発する可能性、またその時期について研究した。
ポール・ラヴィオレッチは、神話や伝説は単なる文化的な面白さを伝える架空の物語ではないと考え、われわれの現在の知識と理解を超える先史時代にさかのぼった遠い過去の神話に、現代の物理化学の裏付けを求めようとした。
彼は「銀河スーパーウェイブ(強力な宇宙線)」という説を提唱した。
「銀河スーパーウェイブ(強力な宇宙線)」説とは、銀河の中心ではある周期をもって巨大な爆発が起き、その時放出される強烈な宇宙線が銀河の中心から外側に向かって拡散する、という説である。
彼は天文学上の観察により、実際にわれわれの銀河の中心で、超新星爆発のエネルギーより500~1000万倍も強い周期的な爆発が起きていることを見出した。
彼はまた、プラトンの古代アトランティス説やタロット、易、スフィンクス、十二宮、黙示録などを研究することで、かつて氷河期には強力な宇宙線が太陽系を通り抜け、何千年もの間にわたって大量のコズミックダストが地球に降り注いだのではないかと考えた。
南極や北極にある氷河期の氷を調査して、現在よりはるかに濃度の高いコスミックダスト(宇宙塵)が含まれていることを見出したかれは、古代の神話や黄道帯の星座の位置から導きだした計算により、数千年前にも銀河の中心において大規模な爆発があったと考えた。
太陽系に到達したスーパーウェーブ(強力な宇宙線)がコスミックダスト雲を太陽系に押し出すようになるとコスミックダストが太陽の表面に停留するようになり、太陽の表面上の温度が上昇する。
太陽のコロナは強力にチャージされて非常に熱くなり、その結果太陽フレアが地球の天候に影響を及ぼし、地球の温度は上昇する。
氷河期であれば、太陽フレアの活発な活動の結果として地球の氷は急速に溶けていく。
第一段階は「熱」と「洪水」によるもので、第二段階は「凍結」である。
これが少し小さい規模で起きたのが15000年ほど前のことである。
何百万もの動物が胃袋にまだ食物が入っている状態で突然死滅し、その後に地球は氷河期を迎えた。
彼はこれが過去に起こった“火と氷の二度にわたっておとづれた大カタストロフ”であり、今もまた、たとえばこのアンダイの十字架の塔の文様により新たに予言されているような天変地異の実体ではないかと考えた。
(6章「銀河の大爆発と人類の終焉」より要約)
*****
科学が神話を論拠とし、神話が科学を論拠とし、どちらも成り立っているのか、どちらも成り立たないのか、判断が難しいところかもしれませんが、著者エハン氏の言いたいことは、大体分かるように思います。
スーパーウェイブ理論はこのように科学者ラヴィオレッチによって提唱されたのですが、一般には1990年代に、“銀河の中心から巨大な光のベルトが地球に到来する”という「フォトンベルト」という本人のものではない理論にすり変えられてニューエイジ界に広まってしまったということです。
フォトンベルト説は“チャネリングによるメッセージ”として伝えられたとされ、神話と科学とニューエイジの混淆の典型と言えるかもしれません。
しかしいずれにせよ、“宇宙の中心から発せられる光のエネルギーが地球の“みそぎ”をする”、という発想は、古くて新しい、人類を引きつけてやまないテーマなのだと思います。
なおこの「スーパーウェイブ」説は著者エハン・デラヴィ氏の天変地異説ではなく、一例として掲載されているのだと思っています。
wiki「フォトンベルト」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%88%E3%83%B3%E3%83%99%E3%83%AB%E3%83%88
wiki「宇宙線」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%87%E5%AE%99%E7%B7%9A wiki「コスミックダスト」
宇宙塵(うちゅうじん、cosmic dust)は、星間物質の一種で、宇宙空間に分布する固体の微粒子のことである。「星間塵」ともいう。化学的組成は、珪素(珪酸塩)や炭素(グラファイト)が多く、他に鉄やマグネシウムなどの重元素も存在する。主に水素から成る星間ガスとともに、主要な星間物質である。暗黒物質(ダークマター)の候補の一つとしても考えられている。
その密度は極めて低く、実体としては、1立方mの空間に塵の一粒があるかどうかという、地上の実験室ではとても到達しきれないほどの超高度真空状態である。しかし、宇宙はあまりにも広大なため、これほどの希薄な密度でさえ、何光年、何十光年とわたれば十分な質量を持った天体となる。それが恒星間空間に広がる暗黒星雲、あるいは散光星雲である。
恒星間空間で見られる星間物質以外にも、太陽系内の惑星間空間において、恒星を周回する彗星の尾から吐き出された物質(地球の大気圏に突入すれば流星となる)や、黄道光として見える塵を指すこともある。
宇宙塵の粒子の大きさは、0.01μmから10μm程度であり、塵自体は地上からは全く見えないが、電磁波を吸収もしくは散乱、反射するので、極めて大規模な集合は様々な星雲として視認される。これらの星雲は、他の星の光を遮ったり、赤外線などを吸収散乱するので天体観測の対象となっている。電波望遠鏡などで観測されているほかにも、探査機によって宇宙塵を採取する試みもある。2006年1月15日にはアメリカのNASAがスターダスト探査機を使ってヴィルト第2彗星の宇宙塵を地球に持ち帰ることに世界で初めて成功した。また、ロケットや気球などを飛ばして高層大気中から実際に宇宙塵を採取し、分析する試みも始まっている。
宇宙塵は地表に毎年100トン程度降り注いでいると考えられており、古いビルの屋上などには、地上から舞い上がった塵と混じり合ってたくさんつもっている。宇宙塵は組成や形態によって細かく分類されている。深海底や南極の氷の中からも見つかっており、研究が続けられている
エハン・デラヴィさんの本「太陽の暗号」によれば、フランス・バスク地方のアンダイという小さな村には、奇妙な文字と文様が刻まれた十字架の塔が建っていて、その文字と文様は今世紀の錬金術師フリカネリによって錬金術的に解釈されたということが書かれていました。
そしてそのフルカネリの錬金術的な解釈によれば、「塔」に刻まれた文字と文様は、世界の終わりの時について記されているということが解読されたということです。
フルカネリはその文字と文様から、「近い将来地球は二度にわたって大きなカタストロフに見舞われる」という謎めいた予言を導き出したのでした。
「太陽の暗号」の続きの部分を要約して転載します。
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こういった古代の予言と実際の天変地異の関係について、現代天文物理学と古代文明の神話を結び付けて研究している人々がいる。
アメリカの宇宙物理学者ポール・ラヴィオレッチは国連やユネスコの研究も委託される科学者であるが、地球規模の大災害が起きたとする人類の神話から、同じような現象が近い未来あるいは次世代に再発する可能性、またその時期について研究した。
ポール・ラヴィオレッチは、神話や伝説は単なる文化的な面白さを伝える架空の物語ではないと考え、われわれの現在の知識と理解を超える先史時代にさかのぼった遠い過去の神話に、現代の物理化学の裏付けを求めようとした。
彼は「銀河スーパーウェイブ(強力な宇宙線)」という説を提唱した。
「銀河スーパーウェイブ(強力な宇宙線)」説とは、銀河の中心ではある周期をもって巨大な爆発が起き、その時放出される強烈な宇宙線が銀河の中心から外側に向かって拡散する、という説である。
彼は天文学上の観察により、実際にわれわれの銀河の中心で、超新星爆発のエネルギーより500~1000万倍も強い周期的な爆発が起きていることを見出した。
彼はまた、プラトンの古代アトランティス説やタロット、易、スフィンクス、十二宮、黙示録などを研究することで、かつて氷河期には強力な宇宙線が太陽系を通り抜け、何千年もの間にわたって大量のコズミックダストが地球に降り注いだのではないかと考えた。
南極や北極にある氷河期の氷を調査して、現在よりはるかに濃度の高いコスミックダスト(宇宙塵)が含まれていることを見出したかれは、古代の神話や黄道帯の星座の位置から導きだした計算により、数千年前にも銀河の中心において大規模な爆発があったと考えた。
太陽系に到達したスーパーウェーブ(強力な宇宙線)がコスミックダスト雲を太陽系に押し出すようになるとコスミックダストが太陽の表面に停留するようになり、太陽の表面上の温度が上昇する。
太陽のコロナは強力にチャージされて非常に熱くなり、その結果太陽フレアが地球の天候に影響を及ぼし、地球の温度は上昇する。
氷河期であれば、太陽フレアの活発な活動の結果として地球の氷は急速に溶けていく。
第一段階は「熱」と「洪水」によるもので、第二段階は「凍結」である。
これが少し小さい規模で起きたのが15000年ほど前のことである。
何百万もの動物が胃袋にまだ食物が入っている状態で突然死滅し、その後に地球は氷河期を迎えた。
彼はこれが過去に起こった“火と氷の二度にわたっておとづれた大カタストロフ”であり、今もまた、たとえばこのアンダイの十字架の塔の文様により新たに予言されているような天変地異の実体ではないかと考えた。
(6章「銀河の大爆発と人類の終焉」より要約)
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科学が神話を論拠とし、神話が科学を論拠とし、どちらも成り立っているのか、どちらも成り立たないのか、判断が難しいところかもしれませんが、著者エハン氏の言いたいことは、大体分かるように思います。
スーパーウェイブ理論はこのように科学者ラヴィオレッチによって提唱されたのですが、一般には1990年代に、“銀河の中心から巨大な光のベルトが地球に到来する”という「フォトンベルト」という本人のものではない理論にすり変えられてニューエイジ界に広まってしまったということです。
フォトンベルト説は“チャネリングによるメッセージ”として伝えられたとされ、神話と科学とニューエイジの混淆の典型と言えるかもしれません。
しかしいずれにせよ、“宇宙の中心から発せられる光のエネルギーが地球の“みそぎ”をする”、という発想は、古くて新しい、人類を引きつけてやまないテーマなのだと思います。
なおこの「スーパーウェイブ」説は著者エハン・デラヴィ氏の天変地異説ではなく、一例として掲載されているのだと思っています。
wiki「フォトンベルト」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%88%E3%83%B3%E3%83%99%E3%83%AB%E3%83%88
wiki「宇宙線」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%87%E5%AE%99%E7%B7%9A wiki「コスミックダスト」
宇宙塵(うちゅうじん、cosmic dust)は、星間物質の一種で、宇宙空間に分布する固体の微粒子のことである。「星間塵」ともいう。化学的組成は、珪素(珪酸塩)や炭素(グラファイト)が多く、他に鉄やマグネシウムなどの重元素も存在する。主に水素から成る星間ガスとともに、主要な星間物質である。暗黒物質(ダークマター)の候補の一つとしても考えられている。
その密度は極めて低く、実体としては、1立方mの空間に塵の一粒があるかどうかという、地上の実験室ではとても到達しきれないほどの超高度真空状態である。しかし、宇宙はあまりにも広大なため、これほどの希薄な密度でさえ、何光年、何十光年とわたれば十分な質量を持った天体となる。それが恒星間空間に広がる暗黒星雲、あるいは散光星雲である。
恒星間空間で見られる星間物質以外にも、太陽系内の惑星間空間において、恒星を周回する彗星の尾から吐き出された物質(地球の大気圏に突入すれば流星となる)や、黄道光として見える塵を指すこともある。
宇宙塵の粒子の大きさは、0.01μmから10μm程度であり、塵自体は地上からは全く見えないが、電磁波を吸収もしくは散乱、反射するので、極めて大規模な集合は様々な星雲として視認される。これらの星雲は、他の星の光を遮ったり、赤外線などを吸収散乱するので天体観測の対象となっている。電波望遠鏡などで観測されているほかにも、探査機によって宇宙塵を採取する試みもある。2006年1月15日にはアメリカのNASAがスターダスト探査機を使ってヴィルト第2彗星の宇宙塵を地球に持ち帰ることに世界で初めて成功した。また、ロケットや気球などを飛ばして高層大気中から実際に宇宙塵を採取し、分析する試みも始まっている。
宇宙塵は地表に毎年100トン程度降り注いでいると考えられており、古いビルの屋上などには、地上から舞い上がった塵と混じり合ってたくさんつもっている。宇宙塵は組成や形態によって細かく分類されている。深海底や南極の氷の中からも見つかっており、研究が続けられている