始まりに向かって

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エハン・デラヴィの十字架の研究

2009-01-11 | アセンション


お正月はエハン・デラヴィの本を少し読んでみました。
「太陽の暗号」という本なのですが、その中で「アンダイの十字架」というものを調べているところに特に興味を持ちました。

アンダイとは、フランスとスペインの国境が接するバスク地方の町の名前で、その町には17世紀ごろ建てられたギリシア風十字架の塔があるということです。

その台座は四方形で各面に月と太陽と星と四分割した円の大きな絵が彫りつけてあります。

十字架の下にはラテン語で文字が彫りつけてあります。
ヨーロッパのどこにでもあるような十字架の塔のようでいて、少し変わった“いわく”も感じられます。



20世紀になってフルカネリというヘルメス学の錬金術師が、ヨーロッパの多くのゴシック聖堂の象徴的な図像の錬金術的解釈をおこない、キリスト教にかくされた別の秘教的な意味合いを調べたそうです。
「大聖堂の秘密」という本を残し、日本語訳も出ています。

そのフルカネリがこの「アンダイの塔」に刻まれているメッセージを解読したものが、エハン・デラヴィさんによって紹介されていました。
「太陽の暗号」から転載します。



     
     *****


フルカネリは「アンダイの周期十字架」について、次のように述べている。

「アンダイの十字架はその台座の装飾によって、かつて見たことがない原始至福千年説の象徴表現となっている。」

原始至福千年説とはグノーシス教の中心的な発想で、世紀末についての知識のことである。

「アンダイの周期十字架は、一番下の台座の部分、柱部、そして上部の十字架の三つからなっているが、フルカネリは主に上部の十字架に刻まれたラテン語と、台座の南を向いている「4つのA」について詳しく語っている。

「アンダイの塔」の上にはギリシア風の十字架が設置されていて、その腕木には「われわれの唯一の希望、十字の木よ」という意味のラテン語が彫られている。

その十字架の文章を(一定の流儀で)解読してみると、「命はただ一つの場所に逃れる」という奇妙な文が浮き彫りとなる、とフルカネリは言う。

彼は解読を続けた。

すると「われわれは、この二つが重なり天変地異が起こる時でさえ、死が人間に達しない場所があることを知る」という意味が現れた。

その十字架にはもう一つの文字が裏に彫られている。

それは“INRI”というラテン語で、普通はそれはナザレのキリストを意味する言葉である。

しかし錬金術の世界では、もう一つの意味がある。
それは火、大自然、再生、すべて、を示すそれぞれの頭文字である。

すなわち「火によって大自然は完全に再生される」という意味である。

ここからフルカネリは、次のような意味の答えを導きだした。

「錬金術では火によって不純物から金を分離させる。
それと同じように北半球は火によって浄化される。
また聖書によれば最後の審判の日に善人を悪人から分離するのもこの火によるものだ。」



フルカネリはこの意味を理解するには、モニュメントの台座に彫ってあるモチーフがカギであることに気がついた。

台座のモチーフは、星のシンボルは東向きになっている。
太陽は西向き、月は北向き、四つのAのモチーフは南向きに配置されている。

タロットカードでは四つのAは「最後の審判」を意味する。

「最後の審判」を表す四つのAは、いわゆる「グレートイヤー」(約二万六千年周期)を四つに分けた(金の時代)(銀の時代)(青銅の時代)そして現在を意味する(鉄の時代)を指しているとフルカネリは言う。

「グレートイヤー」については、中南米の先住民族たちは人類の歴史を四つに分け、最後の時代が終わるのが2012年12月であるとする予言を残している。

また四つのAのモチーフをよく見ると、中心に十字が描かれているのに気付くだろう。

この四つのAを分ける十字は、四つの時代の変わり目に注意を払えという意味である。

星は東を示している。
わたしはこの星のシンボルを、おそらく明けの明星と呼ばれている金星か、あるいはシリウス星を意味していると考えていた。

シリウスがフリーメーソンや錬金術などの神秘主義にとって、非常に重要な意味をもつことはよく知られている。

今われわれの太陽は、太陽系内での太陽にすぎないが、それよりさらに進化して銀河系というもう一つ大きな枠にわれわれの未来があるとすれば、その時の太陽はシリウスであることは間違いない。

つまり我々の太陽系の母なる星として、シリウスが存在していると言えよう。

太陽のシンボルは、舌をむき出しにして、明らかに怒っているように見える。

その太陽のシンボルが、東を向いている「星」=「もう一つの太陽」と対抗して西にあるという意味に注目した。

私たちの太陽と、もうひとつの太陽の関係性を示している。

怒れる顔の太陽は、あるサイクルの終わりを意味すると、フルカネリは解釈している。

さらに私は、その終焉へのプロセスにもう一つの太陽が非常に関わっているのではないかと考えるようになった。

フルカネリは、「アンダイの周期十字架」のコードと、大カタストロフとが確実に関係していると考えた。
しかも彼はそのカタストロフはダブル、つまり二回重なって起きると言っている。


      *****


長いので、続きは次回にします。
この塔の建っているフランスのバスク地方が、また興味深い土地のように思われます。


紀伊国屋bookweb「大聖堂の秘密」
http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/%83t%83%8B%83J%83l%83%8A/list.html
エハン・デラヴィHP
http://www.echan.jp/
エハン・デラヴィブログ
http://echan.thd-web.jp/

写真は「太陽の暗号」より「アンダイの十字架の塔」
上・・十字架
中・・台座・この側面が下の写真の四面
下・・側面の図像
   左上・四分割した円に四つのA
   右上・大きな星
   左下・月
   右下・太陽
棒線はエハン氏のものです。


グレートイヤーとは?
wiki歳差運動「天文学における歳差」より

天文学においては、地球の歳差運動、すなわち、地球の自転軸がコマの首振り運動のような回転をしているために春分点・秋分点が黄道に沿って少しずつ西向きに移動する現象のことを指して歳差(さいさ)と呼ぶことが多い。
この歳差の周期は約25800年である。
コメント
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