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「へンくつ日記」

日常や社会全般の時事。
そして個人的思考のアレコレを
笑える話に…なるべく

中国の「女児ひき逃げ・見殺し事件」に思う

2011年10月22日 14時43分58秒 | Weblog
 
街の防犯カメラが写したその衝撃的な映像は、初めは
ネットで流れた。その後、テレビ地上波の報道で再
生され、全世界の人々が知るところとなった

いわゆる「人・現代中国人の実態」映像だ

事件は10日ほど前の夕方に起こった。自宅近くの商
店街を一人で歩いていた女児・悦悦ちゃん(2)が
ワゴン車にひき逃げされた
苦しみもがく彼女を通行人は誰も助けようとしない
見て見ぬふりをした人間は十数人に及ぶ。そして
更に、次に来た車にもひき逃げされてしまった
その子が、21日の未明、息を引き取った…


あまりに惨い事件に、世界はおろか、当事者の中国の
国民も憤った。広東省政府は、「見殺し行為」を処罰
するかどうか検討中で、「見て見ぬふり禁止法律」を
作る声もあるというが滑稽としか言いようがない
また、マスコミは「中国国民の道徳が失われた」など
と批判しているらしいが的外れだ

今回の事件で問題なのは、単に「道徳」の問題か?

「道徳」は“~すべきだ”“~してはいけない”次元の
社会生活を円滑にする人生の規範、単なるルールだ
だが、生命軽視、他人の救済心は哲学・宗教の問題だ


中国、正しくは中華人民共和国は、戦後の1949年
共産主義の国へと舵を切った。下地には、一部の
特権階級の利益独占と庶民抑圧という自国の社会
的不正の歴史への反発があったためだったが、利己
主義、拝金主義、生命軽視という浅薄な風潮に陥った
現在、果たしてその選択は正しかったのか。国民は
もちろん、指導部の一部にも、選択への疑問が頭を
もたげているのではないかと思う

共産主義はひとつのイデオロギー、資本主義に対抗する
政治形態と信じられているが、英国の歴史学者A・J・
トインビー(1889~1975)は、共産主義は「宗教」と断じている

彼の説によれば、『ルネサンスや宗教改革などが起こった
17世紀、キリスト教の後退により西欧の人々の心に精神
的空白が生じた。それを埋めるように台頭してきたのが
科学技術への“信仰”と、国家への“信仰”(ナショナリ
ズム)、そして共産主義である』『共産主義はキリスト教
から派生した一つの異端宗教』『共産主義は、ユダヤ系宗
教の悪い面である排他的・不寛容を最も引き継いだ。
(中略)ゆえに、共産主義者は狂信的傾向が強く、全人
類を“改宗”させる使命があると思い込んでいる』

長い引用になってしまったが、つまりは、共産主義は宗教
なのだ。宗教だから「他の宗教」はアヘンだとして否定し
国民に、自宗の共産主義を押し付けたのだ。だが、その宗
教は間違っていた(と僕は思っている)。間違った宗教に
染まった国民の生活の結果として、今の中国がある、と言
えるのではないかと思う

(興味深いのは、共産主義と同じく、ナショナリズムも
 科学信仰も、共に「生命軽視」「他人に冷たい」傾向が
 あるということ。これら2つの宗教に染まった国も中
 国と同じ道を辿っているし、今後も辿るだろう)


悦悦ちゃんの死が人々を覚醒させ、「人間回帰」の
道に進むことになればと願わずにいられない
国家やイデオロギーを信仰してはいけない。それは邪教だ
国は神ではなく、我々のために存在する一つの公共事業体なのだ

女児ひき逃げ・見殺し事件に触れて、そんなことを思ったのだった
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2 コメント

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人としての倫理 (中川輝光の眼)
2011-10-23 09:28:24
人としての倫理感覚は、どこでも共有できるものだと思います。国や宗教が違っていても、基本的な感情は同じだと思います。この現象にはわたしも驚かされ、目を背けたくなりましたが、これには社会的背景(関わることでの不利益の大きさ)があるようです。取り調べに時間がかかることや過剰に道義的責任を問われたりすることを避ける傾向にあるらしい、日本のように個人レベルの「法整備」がされていないことも要因に挙げられています。
返信する
Unknown (ノル)
2011-10-23 10:57:52
うーん
なるほど
物事は単純じゃあ ありませんね
しかし、だからといって、
彼らの行動は許されるものではありません
返信する

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