中川輝光の眼

アトリエから見えてくる情景
paraparaart.com ArtDirector

2017/02金沢美術工芸大学卒業制作展

2017-02-25 | 金沢を歩く

2017/02金沢美術工芸大学卒業制作展、今年も魅力あふれる数多くの作品を観ることができました。新しい試みができる世代、その制作意欲に触れることは、わたしたちにとっても大切なことです。近年、油画専攻にアニメーションや映像作品が目につく、おそらく多くの場合『独学』になるのかも知れませんが、もともとこの世界(視覚芸術)は裾野が広く未知数と言っていい、ジャンルの垣根を乗り越えて自由に表現してみるのもいいのではないか・・・そう思います。
絵画作品のなかで、永井ちなみさんの作品に惹かれました、繊細な色彩表現とそのやわらかさに感性の高さを覚えたのです。細部の心が宿る・・・ではありませんが、繊細さを失わなければ、いつでもいい作品が生まれます。

田中裕梨さんの『書体デザインと装幀』に視点を向けた作品、17~19世紀の美しい本を数多く見てきたわたしにはうれしい展示でした。デジタルbookでは表現できない『装幀の魅力』を知ってほしい、そういった願いからこの展示を評価したい。いくつかのユニットを連続して組み合わせると、不思議な女のイメージが・・・作者の名前を忘れてしまいましたが、記憶に残ります。わたしもユニットや記号を使ってデザインしていた時期がありましたから・・・。それから、芸術学の湯佐明子さんのレポート、19世紀の画家ウオーターハウスの『シャロットの姫』を扱った論文も楽しく読ませていただきました。

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レオナルド・ダ・ビンチの『手稿』

2017-02-23 | 文化を考える
  1. レオナルド・ダ・ビンチが『手稿』を遺し、その一部を弟子のメルツィがまとめて『絵画論』として発刊しています。
    この膨大な資料(手稿)は、レオナルドが書籍として刊行することを前提に書いていたものです、そのためか、索引らしきメモや注釈が随所に書かれています。『鏡面文字』と言われる、すぐには読み取れない表記には、その内容によっては破棄される可能性を排除しきれない『恐れ』があったためかもしれません・・・『真理』の多くは『統治勢力』には不都合なことです、昔も今もそれは変わりません・・・ダンテの『神曲』が制約の多い詩篇の形式で書かれたのもそうです、その反面、ラテン語ではなくフイレンチェ地域で使われていた言葉で書かれていたことは、多くの人に読んでほしい気持ちの表れだったかもしれません。・・・レオナルドの『鏡面文字』にしても、読む意欲さえあれば読めるのですから・・・。いつの時代にも、わかる人にはわかる記号というものがあります、先人から学ぶことは多いのです。
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レオナルド・ダ・ビンチが予見した情景

2017-02-22 | 文化を考える
  1. わたしは、イタリア・ルネッサンスを基軸にヨーロッパ文化の推移を見ています、謎を解く近道であり、今や習癖になっています。イギリスのEU離脱決定以降、ヨーロッパは次第に厳しい状況(綱渡り)に置かれていく、ひとつの冒険(試み)が失敗に終わる可能性すらあります。
    ルネッサンス期のメディチの盛衰とイメージが重なる、メディチ家がスポンサーとしてルネッサンス社会(試み)を支え、時代変革がそのエネルギーを削いでいく・・・時代の変わり目に翻弄されるのは民衆だけではありません、芸術家もその例外ではありません・・・。ボッティチェリは追われ、レオナルド・ダ・ビンチも去ることになる・・・彼らが目にした光景(権力の推移とその情景)が、酷いものであることは容易に想像できます。
    ヨーロッパだけではありません、アメリカも大きく右傾化しています、日本にしても既にナショナリズムが色濃く反映しています、このように『排他主義』がもたらす情景は・・・。
    レオナルド・ダ・ビンチが予見した情景・・・理念なき『権力』に背を向けた芸儒家・・・孤高の姿に学ぶことは多いのです。
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『輪島住民投票・不成立』に民意が正当に示されたか・・・

2017-02-20 | 地方自治を考える

『輪島住民投票・不成立』に民意が正当に示されたか・・・

『産業廃棄物最終処分場計画』の賛否を問う住民投票の結果、投票率が50%を下回ったため『開票に至らず』・・・梶市長はこれを『計画の推進』の民意としている。開票されないことになったが、中日新聞社の出口調査では反対票が91.8%、賛成票が7.7%であり、これも無視できない数値であり、民意の多くは『反対』のようにも見える。さらに言えば、計画推進派の市長・市議たちが『棄権するよう』市民に訴えたらしい、民意を問う大切な投票行為を放棄することを要請することが何を意味するのかをこの人たちは知らない・・・言語道断である。市長がそのようなことを率先してしたのであれば、民主主義を否定するだけでなく、無言の圧力を市民に与えていたことになる。

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想像以上にひどい状態です、わたしたちにもわかります・・・『廃炉』

2017-02-20 | ニュース
  1. 想像以上にひどい状態です、わたしたちにもわかります・・・『廃炉』と言っても相応の時間と経費がかかる、危険との隣り合わせの作業であることも・・・もはやコントロールできる状況でないことも・・・。
  2. 『美しい日本』、豊かな自然に抱かれながらわたしたちは生きています。きれいな水に育まれたおいしい野菜・山菜や海産物にいたるまで・・・これらは、かけがえのない資源です。『原発』を推進してきたのは誰ですか、『国策』とは何ですか・・・あまりに哀しい『問い』です。写真は、昨日の日経新聞の記事です。写真は、朝日新聞2日前の記事です。
  3. 廃炉で最大のハードルが、溶け落ちた核燃料の取り出しだ。原子炉のどこに、どれほどの燃料が溶け落ちているのか。まず、その把握が必要だ。

     2号機では先月末から、カメラやロボットによる格納容器内の調査が進む。

     建屋の外に貨物列車のコンテナのような建物があった。カメラなどを遠隔操作する「仮設本部」だ。狭い空間に折りたたみ式の机が置かれ、パソコンのモニターが並ぶ。壁は放射線を遮る鋼鉄製だ。

     作業員の被曝(ひばく)を少なくするため、カメラやロボットの投入作業は短時間に終わらせなければならない。取材時に作業は行われていなかったが、仮設本部の簡素さが逆に、緊迫する状況を容易に想像させた。

     一連の調査で、格納容器内の状況が分かってきた。

     圧力容器の下にある作業用の足場には、溶け落ちた核燃料(デブリ)とみられる黒い塊が多数こびりついている。高温の核燃料の影響か、鉄製の足場はカメラで見える範囲ほぼすべてが崩落していた。

     9日に投入されたロボットのカメラは、約2時間で視野の半分ほどが映らなくなった。放射線が強いと、電子部品はどんどん劣化して壊れていく。それに伴って現れる画像のノイズの量から、線量が推定できる。東電は最大で毎時650シーベルトの線量と推定。1分弱で致死量に達する値だ。

     16日には前後に2台のカメラを搭載した調査ロボットが投入された。後部カメラを持ち上げる姿から通称「サソリ」。14年から開発が進められてきた調査の切り札だ。線量計も搭載しており実測できる。

     サソリは格納容器の中心部まで進み、線量を計測したり、高温の核燃料によって溶かされて穴が開いた圧力容器の下部を撮影したりする計画だった。溶け落ちた核燃料が原子炉最下部に積もる様子も確認できるのではないか。そんな期待もあった。

     だが、圧力容器に近づく前に、駆動部に堆積(たいせき)物が入り込むなどして動けなくなった。進めたのはわずか2メートルほど。そこで計測した線量は毎時210シーベルト。事故処理で実測された最大値だ。

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『能美市長選』の気がかり

2017-01-31 | 地方自治を考える

『能美市長選』の気がかり

昨日と今日の朝刊『能美市長選』を見ながら、少なからず気がかりに想うことがあります。三町合併後の課題を、前任市長が難なくこなしていた(その手腕をわたしは高く評価していました)だけに、合併以前の『いさかい』が戻ってきたような有様に、多くの市民が不安視しています。

市長候補者の井出敏朗さんにしても橋本崇史さんにしても充分な意欲と資質を備えている人ですが、選挙後に残る『しこり』を心配しているのです。闘いが激しさを増すにつれ、一時隠れていた『遺恨』も出てきますし、選挙後の後始末も容易ではなくなります。政策(理念・目標)をできるだけ具体的に示し、市民は票を入れる根拠にすることである程度解消するかも知れない、住民意識や人的関係(しがらみ)を民意の根拠にすれば必ず『しこり』として残ります。

本崇史さんの政策に「公共交通の充実」がありますが、多くの人が支持しやすい政策です。以前に、根上・寺井・辰口を縦断していた(背骨のような)電車線がありました、能美根上駅から寺井・辰口地域を通る路面電車(イメージしやすい)は地域に優しい政策と言えますし、夢が膨らむ政策です、わたしも支持したい

井出敏朗さんの出身地域には、日本が誇る伝統産業『九谷焼』の拠点があります。「九谷焼産業」の充実と言っても、現状はかなり難しく課題も多い、これまでも試行錯誤しながらも『明確な未来』が見えてこない。就業者と言っても、作家としての立場や職人としての立場、卸業者の立場や販売店主としての立場、立ち位置によって見えてくる景色もさまざまです。そのうえ、伝統としての九谷焼なのか、新しいデザイン九谷なのかで、対応は大きく異なってきます。この状況を正しく把握している人材がいないことも、問題を難しくしている要因です。能美市になってからも、この分野への支援は必ずしもうまく行われていたとは言えません。厳しく言えば『場当たり(マルナゲ)的対応』に終始しています。誰が市長になっても難しい対応になることが予想できます、理念を高くし優れた伝統産業として育成するのなら、抜本的な対応をとること以外にないと想われます。

候補者は、できるだけ具体的な政策を掲げて選挙戦を闘っていただきたい、市民もそれだけを一票の根拠にしていただきたい。くれぐれも人脈を根拠にしてほしくない。

 

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フリーペーパー『favo』から取材がありました

2017-01-27 | ビジネス

1月10日に、フリーペーパー『favo』から『月映書房』の取材がありました。

どのような紙面になるのか、楽しみにしていましたが・・・

想っていた以上の丁寧な紹介文と美しい写真構成に・・・ほっと安堵しました。

わたしたちの仕事(アニメーション企画制作・Webデザイン)は、パソコン操作に終始します、

人間関係も拡がることがありませんし、ストレスがたまりやすいのです。

そう言った日常を少しでも緩和することができればと・・・『月映書房』を立ち上げたのです・・・

しばらくして、小松駅前(れんが通り)から蛭川町(小松北部)に店舗を移したのですが・・・

人の出入りが少なくなり、少々困っていました。

今回の取材は、わたしたちにとって、ほんとうにうれしいことでした。

この記事を見て、少しでも訪れる人が増えてくれることを期待したい・・・そう思っています。

 

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ボッティチェリが描いた地獄から天国への道・・・逆円錐形

2017-01-25 | 美術を考える
  1. 世界の動向に無関心ではいられない、イギリスの『EU離脱(国民投票)』やアメリカの『トランプ大統領就任(選挙結果)』に驚き、これからの情勢の変化に注視しています。欧米の動向を歴史的視座から眺める時、わたしには、イタリア・ルネサンスを軸に見る癖があります、理解しやすくなるからです。
    『神曲』の詩人ダンテも、画家ボッティチェリもフィレンチェを追われた。生きた時代も状況も違いますが、いずれも宗教改革(政変)に巻き込まれたことが大きい・・・荘厳な教会を背景にした権力は、時に理不尽なことをする、不条理な暴力を振るうこともあるのです。教会やその周辺に貢献した画家ボッティチェリにも、それは非情にも行われました。ダンテは、命がけの逃避行のなかで『神曲』を書いています。フィレンチェを追われたダンテやボッティチェリの現実(リアル)が、芸術家としての眼を培ったとも言えなくもないが・・・。
    時に、権力が非情な街を造る場合があります、わたしたちがそのことに無関心ではいられない・・・拡大するグローバルな時代にも課題はあります、しかしながら、世界が閉じてしまっては非情(単細胞で不条理)な街が拡散されるばかりです。芸術家、いやアーチストやクリエーターは、時代の変容に敏感(素直)に反応するものです。
    ダンテが、『神曲』をベアトリーチェに捧げたのは、教会に対する違和感の対局に幻の華(真理)を見たからに違いない・・・。写真は、ボッティチェリが描いた地獄から天国への道・・・逆円錐形です。
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レオナルド・ダ・ビンチとボッティチェッリ

2017-01-24 | 美術を考える

レオナルド・ダ・ビンチがその手記で、ボッティチェッリのことを幾度か話題にしています。そのなかに『「絵画」はものいわぬ「詩」であり、「詩」は目に見えぬ「絵画」であって、どちらも己の能力のなしうるかぎり自然を模倣する。』と多少の批判込めて書いています。絵画表現(スタイル)の違いについて言及した箇所ですが、これ自体はギリシャの画家アペレスのよく知られた核心を突いた言葉でもあり、当時の画家や詩人たちにも影響を与えています。ボッティチェッリも、このアペレスの作品から『ヴィーナスの誕生』と『アペレスの誹謗』という2枚の絵を描いているほどですから、その影響は少なくはなかったと想われます。むろん、レオナルド・ダ・ビンチもその例外ではなかった、『ボッティチェッリのようにネオプラトイスムをテーマに絵を描くことは、画家としてむしろ当然のことです。・・・最も崇高な感覚である眼(視覚)に奉仕している画家は、その技能(形態)表現の優位を誇示することにもつながる。・・・』『絵画を愛せないものは、哲学も自然も愛せない。
』と断言すらしています。レオナルド・ダ・ビンチは、ボッティチェッリの華麗で自由な表現を対局に見ていたのかも知れません。いずれにしてもこの二人、愛するフィレンチェを去ることになるのですが・・・。写真は、『アペレスの誹謗』です。

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『能美市長選』で三町合併の火種が燻り始めた

2017-01-12 | 地方自治を考える

1月3日浜開発町の総会(行事・会計報告など)後、能美市長選・立候補予定者・橋本さんのあいさつがありました。

旧能美郡の旧根上町・旧寺井町・旧辰口町の『三町合併(旧川北町は離脱)』で、能美市が成立したのですが、必ずしもスムーズな経緯ではありませんでした。予想された『混乱』を最小限にしたいこともあり、『温厚』で知られた酒井さんが市長に就いたのです。酒井さんは、経済活動(企業誘致・地場産業)や教育行政・社会福祉充実などに手腕を発揮し、市民の期待を終始裏切ることはありませんでした。高齢理由に市長を辞することに、市民の多くは「やむをえない」と思いながらも、一抹の不安を抱いたに違いないのです・・・。

旧根上町には、地方自治の模範と言われた故森茂喜さんがいます、元総理の森喜朗さんは息子さんです。北陸三県は保守王国と言われますが、とりわけ能美市は保守(自民党)勢力の強いところです。橋本さんは、この旧根上町から立候補したのです。旧根上町には、JR駅があります、その名称(旧寺井駅・現能美根上駅)と路線決定までの経緯から推量できる旧寺井町との『わだかまり』がありました。酒井市長の時に(名称変更で)やや解消したのですが、旧寺井町との確執が長期間続いたのです。旧寺井町には九谷焼産業の拠点があります、そこから井出さんが立候補しています。現市庁舎は、旧辰口町にあります。東さんもここから一時立候補したのですが、早々に辞退しています(背景を推量する人も多い)。このように、手取川周辺に位置する旧能美郡四町は『保守一枚岩』ではありません、『配慮』が不可欠なまとまりのない地域です。『我田引水』という言葉がありますが、そう言った体質の背景に歪んだ情熱や澱んだ競争心が散見されることもあります。

市民の多くが『一抹の不安を抱いた』のは、酒井さん以前の『政争の街』に戻ることを予見したからにほかならないのです。

 

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