たしかクレージー・キャツのギャグだったと思う
プロの将棋指しは、先の先、百手先まで読む…
という真面目ぶった前振りがあってから
プロの老棋士と子供が対峙するシーンから始まる
子供が歩をひとつ前に進める
それを見たプロの老棋士、随分悩む
基盤は、相手の歩が一個進んだだけ
老棋士、凄~く悩み脂汗が出てくる
やがて「…参りました」と頭を下げる…というもの
そんなバカな、と、幼い僕は笑い転げたものだ
しかし、あるプロ棋士に訊いたところと
前述の「笑い話」のような将棋はないが
極稀だが、それに近い勝負はあるという
それほど、プロの棋士は先を読んでいるのだ
さて…今回の原発事故の対処の話
想定外(聞き飽きたフレーズだ)の亀裂から
高濃度の放射性物質を含む汚染水が流出した
それを防ぐ作戦として、まずはコンクリートを流した
しかし、水の勢いが強く失敗に終わった
「ひとまず考えよう」ということになり
翌日、おむつに使われている高分子吸水材と
ついでに、その紙おむつ、更におがくず
更に更に、近くにあった新聞紙を投入した
だが…亀裂から流れる汚染水は止まらず
「深刻な事態」と東電の責任者らは頭を抱えた
しかし、その間に超高濃度の放射性物質は
どんどん海に流れ出て、海流に押され
太平洋に広がり、海草に付着し
小魚の体内に入り、それを食べている魚に溜まる
食物連鎖は留まる事を知らず
やがて食物連鎖の頂点にいる人間を襲う
そんなことになっている最中にも
東電幹部は東京で会議を開くが
責任が自身に降りかからないよう
慎重に言葉を選びつつ戦うふりをしている
だが「事件は現場で起こっている」のだ
一刻も早く広がる汚染を食い止めなければ
福島はおろか、関東、否、日本全体
更には世界全体が深刻な事態に陥る
けれども、東電の社長は病院で不貞寝しているし
会長や副社長は、自ら現場に行こうともしない
そんな様子にネットでは
「東電の高い給料の順に配水管に入り
おむつの代わりになって汚水を止めろ」などと非難
ひどい言い草だが、心情は判る
さらに、だ
国際原子力機関(IAEA)の要請に基づき
日本の気象庁は、原発から漏れ広がっている
放射性物質汚染の予想分布図を発表しているが
(管直人率いる)政府は、それを隠していた
隠したことがバレると開き直り
「別に隠す必要がなかったので、発表もしなかった」
フームと僕は考える
この国には、先を読むプロ棋士のような
政治家や専門家がいないし、尚且つ
責任を取ろうとするリーダーがいない…と
つまり、それは無責任な素人集団なのだ
これらが誰かが作った笑い話なら
「ヒドイ話だ」と笑い転げただろうが
これは残念ながら現実なのだ
解決できず「参りました」は
日本、そして世界が終わってしまうということなのだ
それを、管や東電幹部や原子力保安院は
リアルに受け止めているのだろうか…
責任を追えないなら、政権を野党に渡したり
経営を銀行あたりに譲るのではなく
もう、いっそのこと、国ごとフランスや
米国に売り渡したほうがいいのでは?
そのほうが、今より国民が生き残る可能性は高い