白夜の炎

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『それでも私たちが中国に住む理由』から

2013-10-11 14:32:24 | アジア
 中国に生活と仕事の拠点を持ち、昨年の反日デモを経験した人達108人が書いた『それでも私たちが中国に住む理由』(阪急コミュニケーションズ 2013年)から、私が感銘を受けたものの一部をいくつか紹介します。

 写真家 菊池智子さん
 「(日中両国のメディアに各々の国民に対する洗脳機能があると書いた上で)・・・不安定な境遇に身を置く中国人と、比較的安定した日本社会で情報を鵜呑みにしやすい日本人との間には、本質を見極める力に差が生まれつつあるような気がしました。」(187頁)


 JICA専門家 大石千尋

 「中国に来て驚いたのは、日本では最重要視される『恥じらい』と『迷惑』を恐れる文化が存在しないということです。・・・他人目を気にしないため、不快なことも当然ありますが、一方である意味、日本より伸び伸びできる分、楽だなと思うこともあります。・・・中国の人は驚くほど考え方が合理的でさばさばしています。・・」(53頁)

 プライムコンサルティング(中国)エンタープライズ有限公司董事長 飯高直人

 「今回のデモが大規模なものであったことは事実で、これを機に撤退した企業もある。やむをえない事情なのだが、日系企業の弱い一面を社員たちは冷静に見ている。『結局逃げるのね』と。日系企業は現地化!、現地化! と掲げ続けているが、感覚値でいえば実行できているのはわずかに数%のみ。数年ごとに総経理(社長)が替わる体制もそのままであり、中国赴任期間中を大過なく過ごしたいと思う気持ちも同じである。・・・デモが起きたとき本社から現地視察に飛んできたという話はほとんど耳にしなかった。」(161頁)

 他にも興味深い話がたくさん載っています。

 必読です。


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