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東電は大津波を想定して研究を実施―スマトラ沖津波の後・生かされなかった「想定」

2011-03-30 18:09:56 | 原発
 東電が行っていた大規模津波のシュミレーションがあったことが報じられている。

 「「津波の影響を検討するうえで、施設と地震の想定を超える現象を評価することには大きな意味がある」。

 こんな書き出しで始まる一通の報告書がある。

 東京電力の原発専門家チームが、同社の福島原発施設をモデルにして日本における津波発生と原発への影響を分析、2007年7月、米フロリダ州マイアミの国際会議で発表した英文のリポートだ。


 http://jp.reuters.com/article/mostViewedNews/idJPJAPAN-20331720110330?pageNumber=2&virtualBrandChannel=0


「―福島原発は1―2メートルの津波に見舞われる可能性が高い。

 ―9メートル以上の高い波がおよそ1パーセントかそれ以下の確率で押し寄せる可能性がある。

 ―13メートル以上の大津波、つまり3月11日の東日本大震災で発生した津波と同じ規模の大災害は0.1パーセントかそれ以下の確率で起こりうる。

 そして、同グラフは高さ15メートルを超す大津波が発生する可能性も示唆。リポートでは「津波の高さが設計の想定を超える可能性が依然としてありうる(we still have the possibilities that the tsunami height exceeds the determined design)」と指摘している。 

 今回の大震災の発生を「想定外」としてきた東電の公式見解。同リポートの内容は、少なくとも2007年の時点で、同社の原発専門家チームが、福島原発に災害想定を超えた大津波が押し寄せる事態を長期的な可能性として認識していたことを示している。」

 しかしこの結果は生かされなかった。

 そして現実には、「東京電力によると、アクシデント・マネジメントには、原子炉の暴走を抑えるために必要な措置として、注水機能や、電源供給機能の強化が盛り込まれている。

 ところが、地震後の大津波で、非常用ディーゼル発電機も含めたすべての電源が失われ、注水ができなくなった。この非常事態を前提とした具体的な対応策が、東電のアクシデント・マネジメントには存在しなかった。

 心ある人の試みは生かされず。

 まさか、でかたずけられたことが致命的な結果を生んだ。

 悲劇で済ましてはいけない。

 ましてや、みんな「一体」だなどといって、責任の所在を隠ぺいしてはいけない。

 それは次の世代を人身御供に送ることだ。


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