白夜の炎

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セリーグ予定通りの開幕、という報道に接して―感想

2011-03-18 18:33:42 | 原発
 セリーグが予定通り3月25日に開幕するという話を聞いていろいろなことを思った。


 経験上次のことは言える。

 ①とかく震災等が起きると、何もかも「自粛」ということで、明確な理由もなしに、場合によっては意義のある行事や試みが中止されることがある。


 またこんな事例もある。

 ②第二次大戦中ロンドンの市民は、ドイツ空軍の空襲に地下鉄や地下壕で耐えながら、お茶の習慣は変えなかった。

 そこにはドイツの攻撃にも自分たちは屈しない、という意思表示があったとされる。



 さて今回のセリーグ予定通り開幕についてである。

 まず①についていえば、新潟の地震の際、何でも「自粛」に疑問を持つようになったのは、震災から1-2カ月以上たってからだったと思う。

 ある程度生活が落ち着いてからのことである。


 またなんといっても今回の災害は規模が違う。死者・行方不明者の数にしてもとてつもない違いである。

 果たして現時点で、落ち着いてテレビで野球観戦をしようという人たちがどれほどいるだろうか。

 球場で応援する気になるだろうか。

 仮にそうしたとして、それをテレビで見せられる被災地の人たちは野球を楽しめるだろうか。


 また②についてはどうだろう。セリーグの開幕が震災から立ち上がることの強い意思表示になるだろうか。


 セリーグ予定通り開幕を強く主張したのは巨人であり、背景には球団経営の問題があると指摘される。

 しかし今球団のそろばんをはじいている時だろうか。


 野球ファン数百万人が機器・困難の中にある時、球団はまず支援に乗り出すべきではないか。


 私はやはり、開催の延期を主張する選手会の言い分に理があると思う。

 野球は棒で球を飛ばす競技である。

 それ自体には何の価値もない。

 それが大きな意味を持ち、ビジネスとしても成立するのはファンがいればこそである。


 今そのファンが命を失うか否かの瀬戸際にいるのに、まずそれを救うことを口にしない巨人経営陣―清武代表・渡辺オーナー等-の姿勢は、誠に冷酷だと思わないではいられない。


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