あざみ野荘つれづれgooブログ

おもに、サッカー関連のコメントを掲載していきたいです。
’78年のW杯アルゼンチン大会以来のサッカーファンです。

パペットアニメ 「 ミトン 」

2006-01-13 13:10:54 | 映画・ドラマ
ずっと以前に、教育TVで放送されて話題になっていたのを見逃してから、ずっと観たいと思っていたロシアのパペットアニメ「 ミトン 」>(ロマン・カチャーノフ監督) のDVDをツタヤで借りてきて、やっと観ることができた。時々、訪問している絵本紹介のブログでも以前紹介されていて、ずっと気になっていましたが、やっと観ることができました。

 DVDには、表題作の「ミトン」の他に、「ママ」、「レター」の三作が収録されていますが、一作がそれぞれ10分程度の長さで、三作全部観ても30分です。それぞれをざっと紹介すると(どれもシンプルなストーリーなのでネタバレしてもかまわないと思うのですが、以下注意してください)、「ミトン」は、犬を飼うことを母親に反対された少女が、赤い手袋(ミトン)を小犬に見立てて遊んでいると、ミトンが毛糸でできた赤いかわいい小犬になって・・、というお話。「ママ」は、坊やがうたた寝をしている間に、買い物に出かけた若いママの留守中に、男の子が遭遇する、(引き起こす)様々な危険が描かれます。そして「レター」は、仕事で不在の父親の留守を守る親子(母親と息子)の、夫の手紙を待ちわびて沈んでいる母親への息子の優しい気持ちが、さりげないファンタジィーによって描かれています。
 表題作の「ミトン」については、多くの方が書かれているので、私は「ママ」という作品について書いてみたいと思います。この作品には、”ほんとうに身につまされました”。観ながら、何度も「危ないっ!」と叫んだことか。留守中に強盗まで入って、強盗が残していったピストルで坊やがボールを撃ったり、お父さんの髭剃り用のカミソリで髭を剃ろうとしたりとかの、子どもに起こるありとあらゆる危ないことが描かれるのですが、ママがやっと帰宅してみると、坊やはもとのとおりソファーで寝ていて、ほっと安堵したママの頬には、ぽろっと一粒の涙が・・、果たしてママの留守中の出来事は、現実に起こったことなのか、それとも、子どもを心配するママの想像なのかはわかりませんが、ソファーの傍らには、粉々になったボールがありますので、現実だったと解釈したほうがいいのかもしれませんが、そんなことは、このお話を観るのにはどうでもよいことに思われます。私たちは、このお話から、子どもの無事とその成長を祈るように見守る親の気持ちを読みとって、それに共感すればいいだけなのだと思います。

 「ミトン」は67年の作品で、「レター」が70年、「ママ」が72年の作品ですが、「ミトン」よりあとに作られた二作には、社会の状況が影を落としているように思われます。「レター」は父親が不在の家庭ですし、「ママ」には当時のロシア(旧ソ連)の買い物事情(によって、ママは買い物にすごく手間取ります)が描かれています。「ミトン」と比べて、当時の社会の状況の影響を受けた哀愁が、あとの作品からは感じられました。

 これらの作品は、全部観ても30分なので、忙しいお母さん方にもおすすめです。別に、奇抜な表現や、派手な映像や、気の効いた皮肉がなくても、私たちは感動できるのだということに気付けると思うので大人にもぜひ観てもらいたい作品です。

ココログの「アブダラと空飛ぶ絨毯」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ作(あの「魔法使いハウルと火の悪魔」の姉妹篇です)の感想のほうもよろしく。


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