ハーネスの表皮を作る前に、その工程の中で使う一つの技術について、皆さんにお教えしておきたいものがあります。
それは、ファスナーにスライダーを通す方法です。
一般的には、オープンエンド処理(ジャンバーのファスナーの合口のように、左右のファスナーをあわせられるように金具をつけた処理)を施していないファスナーは、ファスナーに何も金具がついていないため、左右のファスナーがずれないように気をつけながら、スライダーの前側からファスナーをスライダーに差し込んでいって、左右のファスナーをとめていきます。
これは一般的な方法で、不器用な人はいつまでたっても通せないものの、少しなれた人や職人ならば、簡単に通せるものです。
しかし、場合によっては、スライダーの後ろ側からファスナーを通さなければならないケース(例えば、二つのスライダーを背あわせの状態に挿入したり、修理の都合で背後からスライダーを通す必要があったり等)が発生することもあり、そんな場合の方法をお教えします。
尚、この方法は私が考えたもので、ひょっとしたらもっといい方法があるかもしれません。
今回ご紹介する方法では、まず、写真のように、左右のファスナーが段ちがいになるように、つなぎとめます。
これがスライダーの後ろ側からファスナーを通す第一ステップとなります。