さて、前回までで一般的なテイクオフ、および、日本には紹介されていないアメリカ式のテイクオフの方法をお伝えしました。
そして今回は、これらに続く第三のテイクオフ方法をお教えいたします。
その方法とは、機体のホールド時に肩の支持を無くして腕の力で機体を上に持ち上げ、手のひらと肘の内側の2か所で2点支持を作る方法です。
この方法は、一番最初にご紹介した、一般的なテイクオフ方法の一番最初の工程、「肩および手のひらによる2点支持」を省いてしまった方法と言えることも出来ます。
具体的には‥。
まず、最初は通常のテイクオフと同じように肩と手のひらの2点支持によるホールドを行います。
そして、テイクオフする瞬間に、グライダーを上にグッと持ち上げ肩の支持を外してしまい、いきなり手のひらと肘の内側の2点支持を作り上げ、そこからテイクオフを始める方法です。
このテイクオフ方法のメリットは、なんといっても最初の一歩目から深い前傾姿勢がとれることです。
肩で支持をするのに比べ、肘内側で支持をすれば、前傾姿勢を最初から作れることが可能になります。
そして、前傾姿勢をとればとるほど、肘内側の押さえ込みも強くなり、ノーズ上がりを防げることにもつながるのです。
人間が走り始めるときは、前傾姿勢を作り重心を前に移動することが必要ですが、基本的な肩を使ってグライダーを支持する方法の場合、この前傾姿勢がつくれないのです。
そのため、少し走ってグライダーが浮き始めて、肩の支持がはずれて初めて前傾姿勢を作り、本格的に走れるということになります。
つまり、それだけテイクオフに距離が必要ということになってしまいますね!
ただし、最初から肩の支持を外していきなり前傾姿勢でテイクオフする方法も欠点はあります。
ひとつは、肩の支持を省いたままグライダーを持ち上げる筋力が必要なこと。
そして、同じく手のひらと肘内側の2点支持だけでグライダーのノーズ上がりを押さえ込める筋力が必要なことです。
つまり、この方法は、筋力のない女の子などには不向きな方法ともいえます。
ただし、筋力があれば、この方法は最初から前傾姿勢で一気にテイクオフを始めることが出来るため、より早くスピードが乗せられ、安全なテイクオフが可能となるのです。
このテイクオフ方法は、上級者のテイクオフを見ていると、結構無意識のうちに多くの方が実践しているのを目にします。
筋力がある程度あれば、それだけテイクオフしやすいということなのですね。
テイクオフが苦手な方は結構多くいらっしゃると思いますが、3回に分けて書いたこのブログの内容を理解し、ご自分のテイクオフのまずいところを考え直し、より安全なフライトに結び付けられれば喜ばしいと思います
適度な出やすい風の時は1番の方法で、無風や微風の時は2番の方法、機体が勝手に浮いてしまうくらい強い風の時は3番の方法で、テイクオフしていると思います。更に3番で強風の時は、余り機体を持ち上げず、ベースバーが地面からちょっと上がるくらいに構えます。
何故①ホールド中傾いたら、すぐに地面に置ける。
何故②強風時に高く構えると、初速が付く前に浮かされてしまいフラフラテイクオフになってしまう。ひざを曲げて低く構えれば、大股で地面を蹴れて十分な加速が出来る為、コントロールも効きやすく、フラ付きも少なくてすむ。