世界遺産の知床には、熊の湯という野湯があります。
この熊の湯。地元羅臼の方と、旅人の方たちとが共に楽しめる憩いの場所として、以前より多くの人に愛されている温泉です。
熊の湯に来れば、みな平等の裸の付き合い…。
その場所で初めて会った方々も、みな気持ちの良い温泉と、知床の大自然に心を開き、いつしか会話が弾みだす…。
そんな不思議な魅力を熊の湯は持っています。
もちろん、私はこの熊の湯が大好き!
気が付けば、20年近くもこの憩いの場に通いつめていました…。
そんな、誰もが気楽に無料で入れる憩いの場、熊の湯には、昔から「コワお父さん」が一人いました。
ネット上でも、おそらくこのコワお父さんのことについてでしょう。あまり印象のよくない書き込みを見ることがあります。
なぜこのお父さんについて、あまりよくない書き込みがネット上にあるのかというと、とにかくこのコワお父さん。マナーにうるさいからで
す。
…が。
私はこのコワお父さんについて、全くそんなイメージと違う一面を見たことがあるんです。
今回は、そんなお話をしてみましょう。
この熊の湯は、きちんと管理されていて、毎朝早朝に掃除されています。
この掃除。普段は地元の羅臼に住まわれている地元の熊の湯愛好家の方々がされていますが、夏の観光シーズンになると、毎年この羅臼にやってくる常
連のキャンパーの方たちがバトンタッチして行なっています。
「熊の湯は皆の温泉」。そんな考えが今は完全に定着し、知床が大好きな常連キャンパーの方たちは、夏の間の数か月、この熊の湯を楽しむために毎年
のように通われている方が多くいるのです。
そんな、地元の方とキャンパーの方との連携で運営されている、熊の湯は全国的にも珍しい温泉なのです。
~~。
熊の湯は、今ではとても有名になってしまって、北海道旅行のガイドブックには必ずと言っていいほど紹介されています。
また、無料で入れるということもあって、毎日大変な数の方が入りに来られています。
おそらく、野湯の中ではもちろんそうですが、うっかりすると、日本の露天風呂の中で最も多くの方たちが入る温泉ではないでしょうか…。
それだけに…。
また、汚れもすごいんです…。
大量に出るかけ流しの温泉で、何とかその衛生度は保たれていますが、毎朝の掃除のときには、その汚れを落とすのに一苦労…。
私も何度かこの熊の湯の清掃には参加していますが、その汚れを落とすのにはいつも苦労しています。
他の常連のキャンパーの方たちにいろいろ教えていただきながら、微力ながら私もこの熊の湯の清掃には参加させてもらっていたのですが…。
そんなある日…。
あのコワお父さんが、スチーム洗浄機を持って来られたのです!
さすがの熊の湯常連キャンパーの皆さんも、このコワお父さんが来られると、遠慮します…。
出しゃばらないように、このコワお父さんの指示に従いながら掃除を進めていきます。
コワお父さんは、何も言わずに黙々と持ってきたスチーム洗浄機で、湯舟を丁寧に掃除していきます。
最初は風呂周りの掃き掃除などをしていた私たちではありましたが、そのうちコワお父さんから、湯舟をブラシでこすってほしいとの指示が…。
いわれたとおりにブラシで一生懸命こすっていると…。
「今こすっているとこ、その汚れみんな人の脂なんだよな…。なかなか落ちるもんじゃない…。」
「そんなもんでいいよ。兄さん、どこから来た?」
コワお父さんから話しかけてくれたそんな言葉をきっかけに、会話が弾むようになりました。
そして…。
掃除が終わって一緒に熊の湯の一番風呂に入るころには、すっかり、コワお父さんと私たちは打ち解けあっていました。
この熊の湯では、朝の掃除をした者が、その一番風呂をもらえる特権が与えられているのです!
奇麗になった熊の湯の一番風呂は気持ちの良いものです。
そんな熊の湯の一番風呂をいただきながら、コワお父さんは、いろんな話をしてくれます。
魚がよく釣れる場所や、知床の観光穴場の話や、羅臼の裏事情…。
ニコニコしながらとても気さくに話してくれます。
この時になって、私はやっと気づきました!
コワお父さんは、熊の湯を愛しているだけなんだと…。
この熊の湯が好きでなければ、常連キャンパーが掃除している観光シーズンに、わざわざスチーム洗浄機を持って掃除に来るはずはありません。
熊の湯の衛生状況が心配だから、黙っていられなかったのだと思います。
こんな野湯は、いつ病原体が繁殖してもおかしくありません。
何かあれば、すぐに「閉鎖」の危機が迫ります。
それを心配して、コワお父さんはわざわざ掃除にきてくださったのだと思います。
だからこそ…。
この熊の湯に入りに来る人たちへのマナーに目を光らせていたのです!
私も、この熊の湯の清掃をお手伝いするようになってから、この温泉に入りに来る人たちのマナーが気になるようになりました。
体も流さずに、いきなり湯舟に入ろうとしたり、土足のまま洗い場に入る人がいたり…など。
大変な数の方が入っていますから、入る方もできるだけ、この熊の湯を汚さないように配慮してほしいと思いました。
コワお父さんも、そんなマナーに反する入浴に対して、一言言わずにはいられなかったのだと思います。
私は思うのですが…。
このコワお父さん。ちょっとぶっきら棒で愛想がないのですが…。
皆が憩いの場としているこの熊の湯を、誰よりも愛しているのだと思います。
ネットなどで、このコワお父さんについて、あまりよくない書き込みをしている方…。
一度、一緒にコワお父さんと、この熊の湯の清掃をしてみませんか?
きっとその考えが変わると思いますよ!
この熊の湯。地元羅臼の方と、旅人の方たちとが共に楽しめる憩いの場所として、以前より多くの人に愛されている温泉です。
熊の湯に来れば、みな平等の裸の付き合い…。
その場所で初めて会った方々も、みな気持ちの良い温泉と、知床の大自然に心を開き、いつしか会話が弾みだす…。
そんな不思議な魅力を熊の湯は持っています。
もちろん、私はこの熊の湯が大好き!
気が付けば、20年近くもこの憩いの場に通いつめていました…。
そんな、誰もが気楽に無料で入れる憩いの場、熊の湯には、昔から「コワお父さん」が一人いました。
ネット上でも、おそらくこのコワお父さんのことについてでしょう。あまり印象のよくない書き込みを見ることがあります。
なぜこのお父さんについて、あまりよくない書き込みがネット上にあるのかというと、とにかくこのコワお父さん。マナーにうるさいからで
す。
…が。
私はこのコワお父さんについて、全くそんなイメージと違う一面を見たことがあるんです。
今回は、そんなお話をしてみましょう。
この熊の湯は、きちんと管理されていて、毎朝早朝に掃除されています。
この掃除。普段は地元の羅臼に住まわれている地元の熊の湯愛好家の方々がされていますが、夏の観光シーズンになると、毎年この羅臼にやってくる常
連のキャンパーの方たちがバトンタッチして行なっています。
「熊の湯は皆の温泉」。そんな考えが今は完全に定着し、知床が大好きな常連キャンパーの方たちは、夏の間の数か月、この熊の湯を楽しむために毎年
のように通われている方が多くいるのです。
そんな、地元の方とキャンパーの方との連携で運営されている、熊の湯は全国的にも珍しい温泉なのです。
~~。
熊の湯は、今ではとても有名になってしまって、北海道旅行のガイドブックには必ずと言っていいほど紹介されています。
また、無料で入れるということもあって、毎日大変な数の方が入りに来られています。
おそらく、野湯の中ではもちろんそうですが、うっかりすると、日本の露天風呂の中で最も多くの方たちが入る温泉ではないでしょうか…。
それだけに…。
また、汚れもすごいんです…。
大量に出るかけ流しの温泉で、何とかその衛生度は保たれていますが、毎朝の掃除のときには、その汚れを落とすのに一苦労…。
私も何度かこの熊の湯の清掃には参加していますが、その汚れを落とすのにはいつも苦労しています。
他の常連のキャンパーの方たちにいろいろ教えていただきながら、微力ながら私もこの熊の湯の清掃には参加させてもらっていたのですが…。
そんなある日…。
あのコワお父さんが、スチーム洗浄機を持って来られたのです!
さすがの熊の湯常連キャンパーの皆さんも、このコワお父さんが来られると、遠慮します…。
出しゃばらないように、このコワお父さんの指示に従いながら掃除を進めていきます。
コワお父さんは、何も言わずに黙々と持ってきたスチーム洗浄機で、湯舟を丁寧に掃除していきます。
最初は風呂周りの掃き掃除などをしていた私たちではありましたが、そのうちコワお父さんから、湯舟をブラシでこすってほしいとの指示が…。
いわれたとおりにブラシで一生懸命こすっていると…。
「今こすっているとこ、その汚れみんな人の脂なんだよな…。なかなか落ちるもんじゃない…。」
「そんなもんでいいよ。兄さん、どこから来た?」
コワお父さんから話しかけてくれたそんな言葉をきっかけに、会話が弾むようになりました。
そして…。
掃除が終わって一緒に熊の湯の一番風呂に入るころには、すっかり、コワお父さんと私たちは打ち解けあっていました。
この熊の湯では、朝の掃除をした者が、その一番風呂をもらえる特権が与えられているのです!
奇麗になった熊の湯の一番風呂は気持ちの良いものです。
そんな熊の湯の一番風呂をいただきながら、コワお父さんは、いろんな話をしてくれます。
魚がよく釣れる場所や、知床の観光穴場の話や、羅臼の裏事情…。
ニコニコしながらとても気さくに話してくれます。
この時になって、私はやっと気づきました!
コワお父さんは、熊の湯を愛しているだけなんだと…。
この熊の湯が好きでなければ、常連キャンパーが掃除している観光シーズンに、わざわざスチーム洗浄機を持って掃除に来るはずはありません。
熊の湯の衛生状況が心配だから、黙っていられなかったのだと思います。
こんな野湯は、いつ病原体が繁殖してもおかしくありません。
何かあれば、すぐに「閉鎖」の危機が迫ります。
それを心配して、コワお父さんはわざわざ掃除にきてくださったのだと思います。
だからこそ…。
この熊の湯に入りに来る人たちへのマナーに目を光らせていたのです!
私も、この熊の湯の清掃をお手伝いするようになってから、この温泉に入りに来る人たちのマナーが気になるようになりました。
体も流さずに、いきなり湯舟に入ろうとしたり、土足のまま洗い場に入る人がいたり…など。
大変な数の方が入っていますから、入る方もできるだけ、この熊の湯を汚さないように配慮してほしいと思いました。
コワお父さんも、そんなマナーに反する入浴に対して、一言言わずにはいられなかったのだと思います。
私は思うのですが…。
このコワお父さん。ちょっとぶっきら棒で愛想がないのですが…。
皆が憩いの場としているこの熊の湯を、誰よりも愛しているのだと思います。
ネットなどで、このコワお父さんについて、あまりよくない書き込みをしている方…。
一度、一緒にコワお父さんと、この熊の湯の清掃をしてみませんか?
きっとその考えが変わると思いますよ!
ブログ「青の風に吹かれて」でコメントを拝見して記事を読ませていただきました。
更新から期間のあいた記事へのコメントですが、記事を拝読しまして、地元の方の意図を汲んでくれる方もいるのだと感心しコメントさせていだきました。
私も熊の湯の漁師さん達がうるさいとは思いません(口は悪いし、怖いとは思いますがw)
これまで何度も訪れましたが、漁師さんが注意する点は大体以下の通りです。
・かけ湯をしないでいきなり入ろうとする
・風呂桶を片付けないで帰ろうとする
・他の人へ声掛けせず勝手に水を足そうとする
共同湯ではどれもごくごく当たり前のことなのに、できていないから指摘を受けるだけの話です。
あまりうるさいことはいいたくないですが、指摘を受けて怒ってる方々がいましたら、まず自らの行動を振り返ってみて、自分が何に対して怒っているのかもう一度考えてほしいなと思います。
まさにその通りだと私も思い、このブログを書いてみました!
「熊の湯」は、有志の方々が作り上げた温泉ですが、そんな温泉で怖いのは病原菌の発生…。
何かあれば、面倒なので、お上がすぐにつぶしてしまいます。
問題が発生していないからこそ、今のところ、熊の湯は黙認されているだけなのです。
しかし、「熊の湯」の持つ社会的、社交的な意味は、現在とても大きなものになっているように思います。
地元の方々や旅人、更には、海外から来られている方のも「熊の湯」は憩いの場となり、多くの方々にとって憩いの場となっていると思います。
これから先、ずっと熊の湯が続くように努力したいものです…。