私は旅が大好き!
10代のころからバイクで日本中を回っていました。
若かったこのころの私は、自分の将来についてどうしていくか…。
そんな悩みを持っていましたが、そんな悩みの回答を探すために、このころは旅をしていたようにも思えます。
そんな旅の中、ある時、九州をグルっと回る旅をしたのですが、それを終えての帰り道…。
当時、料理が美味しいと評判だった山口のユースホステルに泊まった時、私の人生観を変えさせてしまう方に出会ったのです…。
私は山口のユースに着いて、一息ついた後、美味しいと評判だった夕食も終えて、同宿のみんなと共にホールでくつろいでいました。
そこに、まだ若いユースのヘルパーのお兄さんが来て、私たちの会話に加わりました。
言い忘れましたが、その山口のユースでは、奥さんひとり、そして、そのヘルパーのお兄さんの二人だけで切り盛りしていたのです。
奥さんには、幼稚園くらいのお子さんが一人いました。
旦那さんは、このお子さんが生まれる前に不幸があり、亡くなられたとのことです。
みんなで旅の面白かった話や、旅の情報交換などの話で盛り上がり、ちょっと話題が途切れた時のことです。
同宿の誰かが、「そういえば、お兄さん(ヘルパーの方)はどのくらいこのユースで働いているの?」と質問したのですが…。
そこから、そのお兄さんが…。
この時、将来のことで悩んでいた私に衝撃を与える、このユースで働くことになったいきさつを、淡々と話を始めてくれたんです…。
私も昔はみなさんと同じように旅をしていました。
ただ私の場合は、仕事をやめ、自分の生き方を見つけるための旅でした。
行く当てもないまま、日本中気の向くまま回ってみて、そして、たどり着いたのがこのユースだったんです。
居心地の良かったこのユースに私は連泊するようになったんですが…。
そのうち、当時お腹が大きいまま、一人でこのユースを切り盛りしている奥さんに頼まれて、このユースを手伝うようになりました。
お金も無かったし、行く当てもなかったので、私にとっては渡りに船で、そのままずっとこのユースを手伝っていたんです。
しかし、当然ながら、ある時奥さんが産気づいてしまったんです。
奥さんは、「後はよろしくお願いします!」と一言残して、そのまま病院にいってしまいました。
仕方がないので、奥さんがいない間、ずっと私が奥さんに代わってこのユースを切り盛りしていたんですが…。
奥さんが返ってきた後も、結局このユースをそのまま手伝い続けることになり…。
結局、それから6年間も、ずっとこのユースにいることになりました…。
私はお兄さんのこの話を聞いたとき、一瞬「え!」と思いましたが…。
直ぐに、これでいいんだよな!と、納得させられてしまいました。
人の生き方なんて人それぞれ…。
別に自由に生きられるんならば、自由に生きてやればいい。
有名大学を卒業して、有名企業に入り、それなりの地位を築いて…。なんて、一つの生き方に過ぎない。
自分の好きな所へ行って、自分の好きな生き方を見つけ、そこがまた、自分を必要としてくれるようなところであれば、そのままそこで生きればいい…。
ごもっともだと思いました。
実は、この出来事がきっかけで、私はますます旅にハマるようになったんです。
そのヘルパーのお兄さんのように、世の中にはもっと面白い生き方をしている人がいるんじゃないか?
旅をして、そんな面白い人にたくさん会って、それを確かめてみたくなったのです!
…で、それ以後旅にハマってみると、思った通りに自分なりの生き方、自分なりの考え方をする沢山の方々に出会うことになったんです。
このような方々との出会いは、確実に私の人生観を変えさせてくれました。
人の生き方なんて人それぞれ。
私は旅を通して、多くの方からいろいろなことを学ぶことができました。
人の生き方って、それでいいと思いません?