「春雷」

私は、対角線ナンプレは対角線と云う条件が強烈なヒントなので、通常のナンプレと比べ超難問と呼ばれる作品は滅多に出現しないと思っていましたが、今回の作品は私が出会った対角線ナンプレの最難問だと思います。私が使った共倒れ系と背理法無しで解けた御仁は相当な達人でしょう。

 

今回の題材は、Ameba ブログ「ろばくんのパズル！」に公開された作品で、次の図です。

　　　　　　　　

久しぶりの対角線ナンプレです。私はこの作品を「春雷」と名付けました。とてもクセの有るヒント数字配置ですね。

　　　　　　　　

候補数字を入力して、

　　　　　　　　

対角線を整理したこの図が解き始め図です。

　　　　　　　　

突破口は幾つか有りますが先ずはこれから、▢は４・８の二択マスです。

　　　　　　　　

▢の４を４とします。

　　　　　　　　

▢に４が決まると▢に４が決まります。

　　　　　　　　

強リンクで▢に４が入ります。従って、４は削除されます。

　　　　　　　　

▢と▢に４が決まると、左上からの対角線で▢に４が決まります。従って、４は削除されます。

　　　　　　　　

▢の４と▢の４との共通の領域に有る▢に４が入ります。従って、４は削除されます

　　　　　　　　

ここで止まりますが、共倒れの下地です。

　　　　　　　　

▢と▢に右上からの対角線で２の強リンクが在ります。

　　　　　　　　

▢と▢との共通の領域に在る▢と▢の２は削除されます。

　　　　　　　　

左上からの対角線の２の強リンクの▢と▢との共通の領域に在る▢と▢の２は削除されます。

　　　　　　　　

この２本の２の対角線の色関係を調べます。

　　　　　　　　

▢の２と▢の２との共通の領域に有る３個の▢に２が居ませんので、▢の２と▢の２は別色になります。

　　　　　　　　

色分けはこの様になりますで、▢と▢の共通の領域に有る２は削除されます。

　　　　　　　　

続いて、▢の２と▢の２との共通の領域に有る▢と▢に２が入りますので、２が削除されます。

　　　　　　　　

２の Loop が出来ています。

　　　　　　　　

▢に２・９の二択マスと▢に２・９の接触マスが在りますので、共倒れです。従って、２と９は削除されます。

　　　　　　　　

２で進めて、

　　　　　　　　

左上からの対角線の１で進めて、

　　　　　　　　

▢は７・９の二択マスです。

　　　　　　　　

▢に９が決まると左上からの対角線で▢に９が決まります。

　　　　　　　　

続けて▢と▢に９が決まります。

　　　　　　　　

▢の強リンクで▢に９が入ります。従って、９は削除されます。

　　　　　　　　

右上からの対角線の▢の９の強リンクで▢に９が入ります。従って、９は削除されます。

　　　　　　　　

▢の９と▢の９との共通の領域に有る▢に９が入ります。従って、９は削除されます。

　　　　　　　　

強リンクで▢に９が入ります。

　　　　　　　　

１の Loop が出来ています。

　　　　　　　　

▢と▢で９と二回接触していて１は同色です。

　　　　　　　　

このパターンの隠れ共倒れは居食いの反対で１が削除されます。そして、▢に９が入ります。従って、９は削除されます。

　　　　　　　　

１で進めて、

　　　　　　　　

中央ブロックの２で進めて、

　　　　　　　　

第８行の４で進めて、

　　　　　　　　

▢の９と▢の９との共通の領域に在る▢の９は削除されます。

　　　　　　　　

６で進めて、

　　　　　　　　

８で進めて、

　　　　　　　　

９で進めて、

　　　　　　　　

９の Loop が出来ています。

　　　　　　　　

中でも▢▢▢▢は井桁の単独 Loop になります。

　　　　　　　　

▢は５・９の二択マスで▢は５・９の接触マスですので、共倒れで５と９は削除されます。

　　　　　　　　

９で進めて、

　　　　　　　　

７で進めて、

　　　　　　　　

５で進めて、

　　　　　　　　

３で進めて、

　　　　　　　　

８で進めて、

　　　　　　　　

６で進めて、

　　　　　　　　

正解です。

　　　　　　　　

ご覧の通り共倒れ系を何回も使ってやっと正解図に辿り着きました。既存のロジックは色分けだけです。と云うか私が知っている他のロジックが使える候補数字の入り方ではなかったのです。この作品が解けた方がいらっしゃいましたらコメントして頂けますでしょうか。　　

 

おまけと云うか 居食い を使ってはいけない条件を見付けました。それは、　　　　　　　　

「数字Ａの Loop 上に２回接触マスを有する数字Ｂが１個在る場合、その２マスが同一領域に在る時は Hidden Pairs では無い本当の隠れ二国同盟の可能性が有るため、居食い は使用不可とする。」

 

詳しい説明は以降で、

　　　　　　　　

解き始め図です。

　　　　　　　　

誰でも気が付くのは、１の４個型強リンクです。

　　　　　　　　

この４個型強リンクに左上からの対角線の強リンクを繋げますと、

　　　　　　　　

６個型強リンクになります。

　　　　　　　　

▢と▢で３が二回接触しています。

　　　　　　　　

▢と▢は同一領域に在り１・３の二国同盟の可能性が有るので、使わないでくださいと云うことです。

結果から云うと二国同盟なのですが、１００％の自信は無いので、申し訳ありませんが現時点では居食いも隠れ二国同盟も確定不可とします。但し共倒れは使えます。

 

おまけと云うかひとりごとです。

 

私の解き方は、数字と数字を絡ませてロジックを探すと言うよりも、形を見付けてこの先はどうなるのかと考えることが多くなっているようです。ですので、たまに定跡と云う用語を使います。この作品でも形を見付けましたので、賛同される方は皆無かもしれませんが一瞥を。

　　　　　　　　

上の図から色を抜いた図です。

　　　　　　　　

この図を見ただけで１が削除されるという定跡の卵です。

　　　　　　　　

その形は▢と▢の１（どちらも７と９と接触している）の強リンクと▢の７・９の二択マスです。３数字の協調性を使います。

　　　　　　　　

▢に１が決まると当然のこと▢の７は削除されます。

　　　　　　　　

では、▢の７を消すには▢はどうなるか時かと云うと７が入ればよいのです。これをＡ図とします。

　　　　　　　　

次に、▢に１が決まると同じ様に▢の９は削除されます。

　　　　　　　　

そして、▢の９を消すには▢はどうなるか時かと云うと９が入った時です。これをＢ図とします。

　　　　　　　　

Ａ図とＢ図を重ねますと、▢には７と９が居ますので誤りとなります。

　　　　　　　　

従って、この形に於いては▢の１は削除されるというものです。でも定跡の卵だけでは終わりません。

　　　　　　　　

▢と▢と▢の３マスに１・７・９が振り分けられる（３数字の強調性=三国同盟 ）。これが定跡本体です。私は「ふきのとう」と名付けました。

この「ふきのとう」が認められれば１の Loop は消滅しますので、先の 居食い も 三国同盟 も発生しません。

 

次回は、いちごナンプレ研究所 さんの作品で、次の図です。

　　　　　　　　

まるで合戦しているみたいなので、私はこの作品を「関ヶ原」と名付けました。一見特殊ナンプレだと思うのですが利用しないで進めてみます。

 

ご覧頂きまして有難うございました。