前回「腹違いの Hidden Pairs 」の詳細を記そうとしましたが、文字数制限に抵触しましたので、今回の冒頭にて記させて頂きます。
▢と▢に3の強リンクが▢と▢に5の強リンクが有ります。
▢の5を5にして基準色とします。( 基準色になり得る数字は強リンクの一方のみです、弱リンクの数字は基準色になれませんので、ご注意ください。)
これで進めるのですが、その前に強リンクと3個型弱リンクの色分け法の違いをご覧ください。
▢の5と▢の5は強リンクですので、▢の5は5になります。これは誰でも知っています。
では、3個型弱リンクで▢の5が消えたとすると、この5の色は何色だったのでしょうか。
5が入って消えるのだから当然のこと5じゃないかと、思われるかもしれませんが、それなら右隣の消えない5は何色になるのでしょうか。正解は5が消えた場合のみ5は5です。
この図になります。
当然のことこちらの5が消えたら▢の5は5になります。
どちらの5を採用するか決める手段として「腹違いの Hidden Pairs 」あるいは「腹違いの Hidden Triple 」が考えられますが、2色の色分けで Triple は不可能ですので、他のマスで1個の数字を削除すると2・6の二択マスを探します。
▢で1を削除すると2・6の二択マスになります。
▢の2・6と▢の2・6との共通の領域に有る▢4個に2と6が多数有るので、同色なのか反対色なのか判断出来ません。
▢で3を削除すると2・6の二択マスになります。
▢の2・6と▢の2・6との共通の領域に有る▢と▢に2と6はどちらも有りません。これは▢の2・6と▢の2・6は反対色であることを証明しています。
これを踏まえて、▢と▢の3の強リンクを繋げます。
どちらでも良いのですが、2と6を正解とします。
▢に3が入りますと、▢で5が削除され▢に5が入ります。( ▢の5と▢の5は同色ですと説明してあります )
▢の5は5になります。
▢の3と▢の5の色分けはこの様になります。
基準色に変更します。
この時点で3と5を消しておけば、もっと簡単に解けたのですが。
色々と研究している内に新手らしきものを見付けました。3個型強リンク専用の手筋で「やじろべえ」と名付けましたので、ご覧ください。
「正室」の解き始めで、
3個型強リンクを探します。
5の3個型強リンクを1個見付けました。この場合において▢の5が確定すると云う新手です。
まさか!と思われた愛好者さんに、「世界一の難問」を。
この解き始めの図にも3個型強リンクが有ります。
7の3個型強リンクを1個見付けました。この場合においても▢の7が確定します。
続いて「天才」です。
この解き始めの図にも3個型強リンクが有ります
5の3個型強リンクを1個と、3の3個型強リンクを1個見付けました。▢の3と▢の5が確定します。
続いて対角線ナンプレでも。
「寝待」の解き始め図です。
2の3個型強リンクを1個見付けました。
この場合においても▢の2が確定します。もうひとつ。
「七夕」の解き始め図です。
1の3個型強リンクを1個見付けました。
この場合においても▢の1が確定します。
驚きの新手でしょう。根拠は有りませんが使えるのでは無いでしょうか。但し、2個型及び4個型強リンクと Swordfish X-Wing の構成員には使えませんので、ご注意ください。
今回の題材は、いちごナンプレ研究所 さんの 将棋アートナンプレ の作品で、次の図です。
綺麗に並んでいますね。このままでは解けませんので、
数字に置き換えます。
候補数字を入力したこの図から解き始めます。
四国同盟で、
左上ブロックの7で進めて、
四国同盟で、
5の X-Wing で、5は削除されます。
8の Sword Fish で、8は削除されます。
8の Loop が2本出来ますので、どちらかが正解となります。
▢と▢、▢と▢は必ず Loop の構成員になります。
共倒れです。▢は3・8の二択マスで▢は LOOP 上の唯一の3と8の接触マスですので、3と8は削除されます。
8で進めて、
右上ブロックの3で進めて、
第1行の9で進めて、
5で進めて、
左上ブロックの1で進めて、
第9列の6で進めて、
3の X-Wing で、3は削除されます。
3の Loop が出来ています。
共倒れです。3・8の二択マスが有りますが、接触マスも二択マスですので、使用不可です。3・7の二択マスが有りますが、接触マスが2個有りますので、使用不可です。残る3・1の二択マスが接触マス1個ですので、使用可になります。
▢の1と3は削除されます
9で進めて、
7で進めて、
4で進めて、
1で進めて、
8で進めて、
6で進めて、
二国同盟で、
4で進めて、
6で進めて、
1で進めて、
5で進めて、
2で進めて、
8で進めて、
7で進めて、
正解だと思うでしょ。
いちごナンプレ研究所 さんはこの作品では、王将=1 とは何処にも記していないのです。そして、珍しく解答図を公開していません。
この作品の出題図全容は、
これです。
別の 将棋アートナンプレ の出題図は、
これですと 王将=1 ですので、唯一解です。
今回の作品の本当の答えは、
この図が唯一解つまり、正解です。
無理やり数字を入力すると、王将で9通り、飛車で8通り、角行で7通り、金将で6通り、銀将で5通り、桂馬で4通り、香車で3通り、歩兵で2通り、と金は残った1マスの、9×8×7×6×5×4×3×2×1= 362,880 通りの答えになります。
ですので、私はこの作品を「迷子の名人戦」略して「迷人戦」と名付けました。
おまけです。「やじろべえ」の補足と別の新手を。
今年の10月13日の Yahoo!知恵袋への質問図で、基本手筋だけで進めた図です。
5の Loop が有りますが。Unique rectangle は邪道とされています。
5の4個型強リンクです。Chain では無いこの形も4個型強リンクですので、「やじろべえ」は使えません。と云うか、逆に3個の▢に5が確定します。但し、3個の▢の5に別の強リンクが1個でも有ると5個型強リンクになりますので、ご注意ください。
この形の4個型強リンクは「やじろべえ」とは逆の結果が出ます。私は「ありじごく」と名付けました。
ここでは5では無く9の3個型強リンクです。「やじろべえ」が使えます。そして、芋づる式にマスが埋まります。
ご覧の通り▢の9が正解です。
「やじろべえ」と「ありじごく」この2手筋がナンプレ界に認められれば、超難問も嫌われなくて済むかも。
次回は、今回と同じく いちごナンプレ研究所 さんの作品で、ヒント数字配置同形の「3色一気通貫」と銘打った数作のの内の2作品です。
A
使うロジック名と使用回数が添付されていて、
B
名人の方 がTotal Point が少ないとと云う不思議な難易度ポイント数ですが、どちらもそれ程難しくはありません。と 言っても私はコンピューターの指示通りには進めませんが。
ご覧頂きまして有難うございました。
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