読書と映画をめぐるプロムナード

読書、映画に関する感想、啓示を受けたこと、派生して考えたことなどを、勉強しながら綴っています。

忌まわしい出来事の記憶にスライドされた事実が招く現実、「スライド」(米/2004年)

2007-11-25 02:32:47 | 映画;洋画
原題:NOVEMBER
監督:グレッグ・ハリソン
脚本:ベンジャミン・ブランド
音楽・視覚効果デザイン:ロウ・バルドウィン
撮影:ナンシー・シュレイバー
出演:コートニー・コックス、ジェームズ・レグロス、アン・アーチャー、マイケル・アーリー、ノーラ・ダン、ニック・オファーマン

本作は、同じ時間を何度も繰り返すリ「フレイン・プレイヤー」という手法で、トム・ティクヴァ監督「ラン・ローラ・ラン」(1998)、デヴィッド・リンチ監督のミステリー「マルホランド・ドライブ」(2001)などに連なる作品といえるでしょう。同日の出来事が「否定」(denial)、「絶望」(despair)、「受容」(acceptance)の三部構成となって、次第に事実が明白になっていくというストーリー。

弁護士としてのスタートにそのプロフィール写真を撮りにきた男性が、そのカメラマンと恋に落ちる。そして倦怠期が訪れ、彼女は不倫をしてしまう。そのことに思い悩みつつも、食事に行った後に立ち寄ったコンビで不幸な出来事が彼女を襲うという事実が、彼女が教える写真スクールで、生徒の取ったスライド上映でその映写機用の回転式スライドトレーに入っていた一枚写真が彼女の記憶を蘇らせてゆく過程を上述の三部構成で展開してゆきます。

本作に関する翻訳された情報が少なくて困るのですが、デヴィッド・リンチ監督がさじを投げた(?)、「π」のダーレン・アロノフスキー監督が書いたスリラー作を映画化したもののようです。ある意味、先日取り上げた「ベティ・サイズモア」をもっとミステリアスに描いた作品になっています。

レストランでの食後、チェックのときに占いカードがサービスされます。そのカードにはそれぞれ「人生の進路変更に遅すぎることはない」、「歩んできた人生から外れるな」と相反する言葉が書かれています。これが、キーワードでしょうか?


グレッグ・ハリソン(Greg Harrison (1969年5月4日-)は、ミシガン州生まれの映画監督。ミシガン州立大学卒業。本作他、Danielle Renfrewのプロデュースで「Groove」(2000)の作品の監督しています。


コトニー・コックス(Courteney Cox、1964年6月15日-)は「アメリカ合衆国の女優。アラバマ州出身。本名コトニー・バス・コックス(Courteney Bass Cox)。身長165cm。『ファミリータイズ』や『隣のサインフェルド』などへ出演し、テレビドラマ『フレンズ』のモニカ役を掴み、スターとなった。1999年に俳優のデヴィッド・アークエット(『スクリーム』シリーズで共演、警官役でしたね)と結婚し、2004年に女児を出産している)。インテリア・デザインが好きで、2003年には"Mix It Up"というインテリア関連のリアリティ・ショーのプロデューサーを務めた」。

上品な妻役がお似合いのアン・アーチャーも還暦を迎えてしまいました。本作の三部構成の中で唯一衣装が変わる、主人公の母親役を演じています。

アン・アーチャー(Anne Archer,1947年8月24日-)は「アメリカ合衆国カリフォルニア州ロサンゼルス出身の女優。両親共に俳優。『危険な情事』(1987)では、マイケル・ダグラスの妻役、『パトリオット・ゲーム』(1992)、『今そこにある危機』(1994)の両作品では、CIAの情報アナリスト・ジャック・ライアン(ハリソン・フォード)の妻役、『BODY/ボディ』(1993)ではマンドンナに負けない役柄を演じていました」。

恋人役のジェームズ・レグロスについては、時間の関係で英文をそのまま引用します。

James LeGros (born April 27, 1962) is an American film and television actor. He is known as a star of independent films with a diversified body of work in the early to mid 1990s.

LeGros was born in Minneapolis, Minnesota and raised in Redlands, California. He attended the Professional Conservatory at South Coast Repertory in California, as well as the University of California
One of his best-known roles was in Living In Oblivion (directed by Tom DiCillo, also starring Steve Buscemi and Catherine Keener). LeGros played Chad Palomino, a male acting diva with endless 'a-list' star demands for a 'b-movie' director and crew. LeGros appeared on Showtime's Sleeper Cell (as Special Agent Ray Fuller) and on Law & Order. He was also a cast member on the television show Ally McBeal and guest starred on ER, Roseanne, Punky Brewster and The Outer Limits (new series).


ダーレン・アロノフスキー(Darren Aronofsky、1969年-)は、「ニューヨークのブルックリン生まれ。10代の頃は映画に加えてグラフィティにも夢中に。高校卒業後、ハーバード大学に進学、そこで映画を学ぶ。卒業制作として手掛けた短編映画で各方面から高い評価を受けたが、念願の長編映画に取り掛かるまでにはそれからさらに5年の歳月を要した。そして98年、ついに待望の長編監督デビュー作「π」が完成、数学をテーマにしたハイコンセプトなストーリーと斬新な映像が評判を呼びインディペンデント界の新星として注目を集める」。

「続く『レクイエム・フォー・ドリーム』ではドラッグによって転落していく男女をセンセーショナルに描き出しハリウッドに大きなインパクトを与えると共に、インディーズの枠を超えて一躍ハリウッド期待の寵児ともてはやされるようになる」。

「その後はメジャーを中心に次々と大型プロジェクトの話が舞い込むがなかなか実現まで至らず、『レクイエム・フォー・ドリーム』から6年後の06年、ようやく監督第3作『ファウンテン 永遠につづく愛』が完成した。この企画もキャストが二転三転するなど一時は製作も危ぶまれたが、最終的にヒュー・ジャックマンとレイチェル・ワイズを主演に迎えて無事撮影へとこぎ着けた」。

「作品自体は難産だったものの、この撮影をきっかけにレイチェル・ワイズとの間にはロマンスが芽生えることとなり、ダーレン・アロノフスキー監督にとっては思わぬ怪我の功名といえる結果となった。その後2人は06年1月に婚約、同年5月末には待望の第一子となる男の子も誕生している」。(ウィキペディア)


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