読書と映画をめぐるプロムナード

読書、映画に関する感想、啓示を受けたこと、派生して考えたことなどを、勉強しながら綴っています。

「衝撃のラスト15分」はほんとうだった、「ミスト」(アメリカ/2007年)

2008-09-26 10:23:46 | 映画;洋画
原題:The Mist
監督、脚本:フランク・ダラボン
音楽:マーク・アイシャム
原作:スティーヴン・キング
撮影:ロン・シュミット
出演:トーマス・ジェーン、マーシャ・ゲイ・ハーデン、ローリー・ホールデン、アンドレ・ブラウアー

~ガラス窓を破るほどの嵐の翌日、スーパーへ買い出しに出掛けたデヴィッド(トーマス・ジェーン)。軍人やパトカーが慌ただしく街を往来し、あっという間に店の外は濃い霧に覆われた。設備点検のために外に出た店員のジム(ウィリアム・サドラー)が不気味な物体に襲われると、店内の人々は次第に理性を失いはじめ……。(シネマトゥデイ)~

~濃い霧(ミスト)に突然包み込まれた田舎町を舞台にしたホラー映画である。原作は、スティーヴン・キングの中編小説『霧』 The Mist (1980年)。この中編はホラー小説アンソロジー「闇の展覧会」 Dark Forces (1980年)のために書き下ろされた。また、一部書き直されたものがスティーヴン・キングの短編集 Skeleton Crew (1985年)にも収録され、日本ではこの短編集は三分冊で出版され、そのうちの「骸骨乗組員」に収録されている。いずれも、矢野浩三郎訳。~(ウィキペディア)


事前に何の予備知識も無く観ることが多い私ですが、本作も新作ということで手に取りました。そして前半を観て「なんだB級のSFっぽいホラーかぁ」と思っていたところ、中盤から描かれる人間模様とその「衝撃のラスト15分」には唸らせられました。この記事を書くにあたって原作がスティーヴン・キングであり、フランク・ダラボン監督が「ショーシャンクの空に」(1994)、「グリーンマイル」(1999)を撮った監督だと知った次第です。

「衝撃のラスト・・・」とはよく聞くキャプションですが、結構騙されたりしますね。しかし本作のこのキャプションにはなるほどと言わせるだけのものがありました。この「衝撃」は、「驚愕」ではなく「昏惑」に近い感じがしました。そのエンディングは、原作と異なるもので、完全に映画オリジナルなんだそうです。とにかく、人間、最後まで諦めてはいけないないのですね。


スティーヴン・エドウィン・キング(Stephen Edwin King, 1947年9月21日 - )は、「アメリカのモダンホラー小説家。作品は世界各国で翻訳され読まれている。1974年に長編『キャリー』でデビュー。ジャンルはホラーであるにもかかわらず、作品には必ず人間味を感じさせる要素を織り込んでいる」。

「ホラーばかりではなく、『ショーシャンクの空に(原題:「刑務所のリタ・ヘイワース)』や『グリーンマイル』など、映画化された話題作でも有名である。日常の中に潜む『ちょっとした不思議』を題材にした作品も目立つ。著作の多くが映画化またはドラマ化されている。世界幻想文学大賞、O・ヘンリー賞、ブラム・ストーカー賞、ヒューゴー賞など、数々の文学賞を受賞している」。

「別ペンネームリチャード・バックマン名義で、『死のロングウォーク』、『バトルランナー』、『痩せゆく男』、『レギュレイターズ』などを発表した。『死のロングウォーク』は、キングの事実上の処女長編小説である。キングが別ペンネームのリチャード・バックマンを使った理由は、キングが小説家としてのキャリアをスタートさせた当時、米国出版業界では1人の作家は1年に1冊だけ出版する、という風潮があった」。

「そのころ多作型の作家は、別ペンネームを使うことで年に複数冊の作品を出版していたので、それにのっとりキングもリチャード・バックマン名義を別に使うことで、年に2冊みずからの作品を出版しようとした経緯がある。その他の意図としては、同じ作家が別ペンネームで書いた本がどれだけ売れるかキングが試してみようとした、とも言われている」。


フランク・ダラボン(Frank Darabont, 1959年1月28日 - )は、「アメリカ合衆国の脚本家、映画監督。フランス・モンベリアルにて生まれる。両親はハンガリー動乱のために、難民としてフランスに逃れたハンガリー人。ダラボンが幼児期にアメリカに移住。1983年にスティーヴン・キングの短編小説『312号室の女』を映画化した短編映画を監督する。その後、ホラー映画を中心に脚本の仕事をこなす」。

「1994年にスティーヴン・キングの中編小説を映画化した『ショーシャンクの空に』を監督し一躍その名を轟かせる。スティーヴン・キング原作の非ホラー小説『グリーンマイル』も映画化し、大きな興行成功を収めた。だが、劇場用長編映画の監督としては寡作であり、製作・脚本の担当がほとんどである」。

「また、ノンクレジットで脚本の手直しをしたりもしている(ジョージ・ルーカスは、『スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃』の脚本構成に当たって、フランク・ダラボンにアドバイスをもらったと当該作品のメイキング映像で語っている)。『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』では自ら脚本家のクレジットから名前を外すように要請した」。

「監督最新作はスティーヴン・キングの短編小説『霧』を実写化した『ミスト』。キャストにはキング作品の『ドリームキャッチャー』にも出演したトーマス・ジェーンが参加している。監督作品の常連出演者にブライアン・リビー、ジェフリー・デマン、ウィリアム・サドラーがいる」。


主演でデヴィッド・ドレイトンを演じたトーマス・ジェーンについては、<「絶対に犯罪者を殺さない」バットマンと「犯罪者は必ず殺す」、「パニッシャー」(米/2004年)>(3/3付記事)で、ドレイトン家の隣人で弁護士ブレント・ノートンを演じたアンドレ・ブラウアーについては、<ちょっとだけ日本が登場する洋画(1)、「ファンタスティック・フォー:銀河の危機」(米/2007年)>(5/12付記事)で取り上げましたので割愛します。

狂信的なキリスト教信者を演じたマーシャ・ゲイ・ハーデン、私はてっきり「氷の微笑」(1992)に出演したジーン・トリプルホーンだと思っていましたが、「スペース・カウボーイ」(2000)、「ミスティック・リバー」(2003)にも出演していた演技派の女優さんでした。

マーシャ・ゲイ・ハーデン(Marcia Gay Harden、1959年8月17日 - )は、「アメリカ合衆国の女優。カリフォルニア州出身。5人兄弟の3番目。父親が海軍で働いていたため、日本、ドイツ、ギリシャなどを転々として育つ。メリーランド州の高校を卒業後、テキサス大学とニューヨーク大学で演劇を学び、1993年にトニー・クシュナーの『エンジェルス・イン・アメリカ』でブロードウェイにデビュー。以来、舞台やテレビで活躍し、演技派として評価が高い。2000年の『ポロック 2人だけのアトリエ』でアカデミー助演女優賞を受賞している。1996年に映画スタッフと結婚し、子供が3人いる」。


新任教師アマンダ・ダンフリーを演じたローリー・ホールデン、エンドールが流れるまで私はてっきりヴァネッサ・ウィリアムズだと思っていましたが、それにしては年齢が若すぎました・・・。彼女は「サイレントヒル」にも出演していたんですね。ちなみに、同作はゲーム「サイレントヒル」を映画化したものですが、この元ネタの一つとしてゲームファンには有名な小説が本作の原作でもあるそうです。<サウンドノベルの映画化「サイレントヒル」(アメリカ、日本、カナダ、フランス/2006年)>(07年2/26付記事>

ローリー・ホールデン(Laurie Holden、1972年12月17日-)は、「アメリカ合衆国カリフォルニア州ロサンゼルス生まれの女優。1969年にアメリカカリフォルニア州のロサンゼルスに俳優である両親の元生まれる。ホールデンが5歳の時に両親が離婚。その後母親が映画監督であるマイケル・アンダーソンと再婚したのを機に、カナダへ移住。10代で出場したトロントで行われたモデルコンテストで優勝した経験も持つ。高校卒業後はモントリオールにあるマギル大学へ進学して、カリフォルニア大学ロサンゼルス校に編入。演劇を専攻して1993年に卒業した」。

「1980年にテレビドラマでデビューした後に、1986年には義理の父親であるマイケルの作品で映画デビューを果たす。その後も着々とキャリアを重ねており、多くの映画やテレビで才能を発揮している。その実力を評価されて映画雑誌の“ハリウッドで最もクリエイティヴな人々100選”の一人に選ばれたこともある」。

「評価されるとおりクリエイティヴな役作りを行っていてフランク・ダラボン監督の『マジェスティック』や『ミスト』では知的な女性を演じている一方、『サイレントヒル』においては頼もしい女性警官を演じており、作品ごとに違った雰囲気を見せている。今後の活躍が期待される女優の一人である。アメリカ合衆国とカナダ両方の市民権を持っている」。(以上、ウィキペディア)


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