読書と映画をめぐるプロムナード

読書、映画に関する感想、啓示を受けたこと、派生して考えたことなどを、勉強しながら綴っています。

「不思議の国のアリス」をめぐる回り道~モーツァルトから村上春樹まで~

2007-01-27 21:10:14 | Weblog
今日は「不思議の国のアリス」の作者ルイス・キャロル(Lewis Carroll、1832年1月27日 - 1898年1月14日)の誕生した日。イングランド中東部チェシャ州ダーズベリ出身。彼が作家・詩人であるとともに、数学者、論理学者、写真家であったことを初めて知った。


キャロルの本名はチャールズ・ラトウィッジ・ドジソン(Charles Lutwidge Dodgson)。作家として活動する時にルイス・キャロルのペンネームを利用し、数
学者としてはチャールズ・ドジソン名義で著作を出しているという。

さて、この「不思議の国のアリス」には自在のモデルがいたことも初めて知った。リデル家の三姉妹の次女、アリス・プレザンス・リデル。長女のロリーナ、三女のイーディスも本編に登場している。この写真はキャロル自身が撮影したもの。キャロルには吃音の悩み、てんかん説、少女愛者説があるようだが、ここでは触れない。


題名にある「ワンダーランド(不思議の国)」という用語は、ルイス・キャロルが作った言葉のようで、幻想的な架空の場所や、現実のなかで夢が実現する場所を指し示す言葉だそうだ。「ワンダーランド」といえば、村上春樹の『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』という小説がるが、このルイス・キャロルの小説にインスパイアされているはずだ。

ところで、モーツァルトの名曲『アイネ・クライネ・ナハトムジーク』 (Eine Kleine Nachtmusik 1946年)というタイトルを関した絵画があった。作者はドロテア・タンニングという女流画家。『不思議の国のアリス』にインスパイアされ、神秘的で恐ろしげなこの絵を描いたという。



『アイネ・クライネ・ナハトムジーク』(Eine kleine Nachtmusikト長調 K.525)は、「ドイツ語でEineは女性形の不定冠詞、kleineは『小さな』の意の形容詞kleinの女性形、Nachtmusikは、Nacht(夜)+Musik(音楽)の合成名詞で、『小さな夜の曲』という意味である。日本語では『小夜曲』と訳される。この題名は、モーツァルト自身が自作の目録に書き付けたもの」だそうだ。

ドロテア・タンニングは、1912年、アメリカ合衆国イリノイ州北西部の町ゲイルズバーグで、三人姉妹の一人として生まれた。自伝的物語『ドロテア・タニング』には、ごく普通のありふれた少女だけれど画家を夢見ていた少女時代から、家出同然に単身シカゴ、ニューヨークへ出て、無限の可能性の広がりに飛び込むまでの物語が、魅力的に語られているという。

アメリカで父親と見た映画のスケッチ、ゲイルズバーグ公立図書館、ひとりきりで過ごすヴァケーションで画材道具を広げた時の厳粛な気持ち、シカゴで出会ったエキセントリックな人々・・・。どれもが彼女にとっては欠くことのできない大切な出会いだった」ようだ。(「ムートンに愛された画家たちを求めて」http://www.cyber-wineshop.com/news/saki/saki04.html)

ドロテア自身、アリスの世界を体現していたのだ。
ルイス・キャロルが生れた1832年1月27日の76年前に生まれていたのがモーツァルトだった。そして彼が亡くなった1898年1月14日の51年後の1月12日に生れたのが村上春樹。後二日遅く生れてくれたら出来すぎの話になったのに、と残念。


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