古いしきたりの一切ない家で育ったため
嫁ぎ先で見る数々の伝統行事が珍しくて仕方ありませんでした。
東北出身(岩手)・・・ということもあったのか
季節ごとの行事は何をおいても欠かすことがない家でした。
正月の「餅花」もその中のひとつです。
長いしだれ柳で仕立てた餅花を
床の間や玄関先に滝のように飾るのです。
初めて見た時はその美しさに驚き
着物姿で手際よく正月の準備をする姑にあこがれたものでした。
福岡市内を探してもなかなかお目にかかれません。
それもそのはず・・・
餅花は本来、花のない雪国での小正月を祝う飾り。
九州にも一部にはあるそうですが、都市部にはない風習です。
仕方ない。作ってしまおう!
花屋を回ってなるべく長くて柔らかそうな
しだれ柳の枝を見つけて来ます。1本600円。
紅白のお餅をレンジでチンし
少しずつ丸めて枝につけていきます。
完!成!
お気に入りの北斎の額に沿わせてみました。
ネコの手の届かない位置に飾るのがポイントです。
今度はもっと長い柳を探して来なきゃ・・・ちょっと貧弱かなあ…
ですが、時々見かけるのは東北の人が多いのでしょう。
五穀豊穣を願う風習と聞いたことがあります。
そんな思いも形に表れているようです。
これ、飾った後は食べるんでしょ?
貧弱どころか、今まで見た中で一番です。
イヌはかじってましたね。(笑)
本来は丁寧に取って食べるのだそうですが
自分の手で不器用に丸めたせいか
食べる気は起きません。
見あきるまで飾っとこうかな…
おほめにあずかり光栄です。