2016年4月14日の夜と16日の深夜に立て続けに起きた地震
私たち熊本の人間にとって一生忘れられないであろう経験でした。
親戚知人がみな無事だったこと
家屋に大きな被害がなかったことは幸いでしたが
1ヶ月近くに渡って仕事も手につかないほど精神的に不安定となり
毎日をただ抜け殻のように過ごしました。
来月で2年になる春めいた暖かい日に
両親と阿蘇へドライブに行って来ました。
熊本人にとって阿蘇は格別な存在
市内からも小一時間と近く、暇さえあればドライブコースは阿蘇なのです。
ところが地震以降訪れたいという気がどうしても起きなかった…それは
市内からの主要道路は死者も出た大規模な崩落で遮断
しばらく阿蘇は孤立状態だったのです。
そのあとも昔の面影を失った阿蘇に足が向かなかったのは
それだけ阿蘇への思いが深かったからなのかもしれません。
一見以前と変わらぬ大きさで迎えてくれた阿蘇
ちょうど先週末に野焼きが行われ
黒くて雄々しい阿蘇に変貌しています。
何百年も続いて来た阿蘇の春の風物詩なんです。
この真っ黒な大地から美しい植物の新芽が一斉に芽吹いてくるのです。
あと半月もしないうちに阿蘇は新緑に包まれます。
最初に訪れたのは私たち一家が半世紀も通い詰めたゴルフ場
熊本では一番標高の高い場所にあり熊本市内が一望でき
九州で2番目に古い歴史あるゴルフ場です。
地震の被害がひどく、まだ再会のめどが立っていません。
大きく亀裂の入った駐車場
荒れ果てたアウトの1番(左)とインの18番(右)… 胸が痛みます。
メンバーに追加出資の依頼書が来てましたが
ちょっとやそっとの金額では修復できないのではと言われています。
残念です。
ゴルフ場のすぐ下には阿蘇を代表する企業さんの店があります。
このように資金力のあるところは早々に修復して再会できてるんですね。
ちょっと寄って蜂蜜のソフトクリームに舌鼓を打つ両親
あちらこちらで道路が封鎖され回り道をしなければなりません。
何台も大型のダンプカーとすれ違い
道は亀裂が入ったり波打ってデコボコ…
地の利に詳しい地元の人間でも大変!
以前のように観光客をお迎えするにはまだ月日がかかりそうです。
最後に訪れたのは阿蘇の南部にある高森町
ここは美味しい田楽のお店があるのです。
古民家の座敷に上がり
調度品も古いものばかり
全席いろりです。
5時までなので本当はお昼に来るべきところ
夕方ぎりぎりで早めの夕食です。
夏には川ガニが加わります。
一番お安いコースでも
ヤマメ、豆腐、茄子、こんにゃく、厚揚げ、つるの子いも(高森名産)
それに前菜、おにぎりもしくはご飯、汁物、お漬け物がついて
年寄りには食べきれません。(笑)
閉店間際なので私たち以外にはあと1組だけ。
焼き上がるまで静かな時間が流れます。
贅沢に使われた炭が小さな音ではぜるのを聞きながら
改めて阿蘇に思いを馳せた一日でした。
高森田楽の里 http://www.dengakunosato.com/index.html