早生者日記 by K.MITSUNAGA

早生者(わさもん)=
熊本弁で「新しいものが好きな人」という意味
毎週月曜更新(2009年12月開始)

No.541 景 色/阿蘇

2018年03月26日 | 景色

2016年4月14日の夜と16日の深夜に立て続けに起きた地震
私たち熊本の人間にとって一生忘れられないであろう経験でした。
親戚知人がみな無事だったこと
家屋に大きな被害がなかったことは幸いでしたが
1ヶ月近くに渡って仕事も手につかないほど精神的に不安定となり
毎日をただ抜け殻のように過ごしました。

来月で2年になる春めいた暖かい日に
両親と阿蘇へドライブに行って来ました。 

熊本人にとって阿蘇は格別な存在
市内からも小一時間と近く、暇さえあればドライブコースは阿蘇なのです。
ところが地震以降訪れたいという気がどうしても起きなかった…それは
市内からの主要道路は死者も出た大規模な崩落で遮断
しばらく阿蘇は孤立状態だったのです。
そのあとも昔の面影を失った阿蘇に足が向かなかったのは
それだけ阿蘇への思いが深かったからなのかもしれません。

一見以前と変わらぬ大きさで迎えてくれた阿蘇



ちょうど先週末に野焼きが行われ
黒くて雄々しい阿蘇に変貌しています。
何百年も続いて来た阿蘇の春の風物詩なんです。



この真っ黒な大地から美しい植物の新芽が一斉に芽吹いてくるのです。
あと半月もしないうちに阿蘇は新緑に包まれます。



最初に訪れたのは私たち一家が半世紀も通い詰めたゴルフ場
熊本では一番標高の高い場所にあり熊本市内が一望でき
九州で2番目に古い歴史あるゴルフ場です。
地震の被害がひどく、まだ再会のめどが立っていません。

大きく亀裂の入った駐車場



荒れ果てたアウトの1番(左)とインの18番(右)… 胸が痛みます。
メンバーに追加出資の依頼書が来てましたが
ちょっとやそっとの金額では修復できないのではと言われています。
残念です。



ゴルフ場のすぐ下には阿蘇を代表する企業さんの店があります。
このように資金力のあるところは早々に修復して再会できてるんですね。



ちょっと寄って蜂蜜のソフトクリームに舌鼓を打つ両親



あちらこちらで道路が封鎖され回り道をしなければなりません。
何台も大型のダンプカーとすれ違い
道は亀裂が入ったり波打ってデコボコ…
地の利に詳しい地元の人間でも大変!
以前のように観光客をお迎えするにはまだ月日がかかりそうです。

最後に訪れたのは阿蘇の南部にある高森町
ここは美味しい田楽のお店があるのです。



古民家の座敷に上がり



調度品も古いものばかり


全席いろりです。



5時までなので本当はお昼に来るべきところ
夕方ぎりぎりで早めの夕食です。



夏には川ガニが加わります。



一番お安いコースでも
ヤマメ、豆腐、茄子、こんにゃく、厚揚げ、つるの子いも(高森名産)
それに前菜、おにぎりもしくはご飯、汁物、お漬け物がついて
年寄りには食べきれません。(笑)

閉店間際なので私たち以外にはあと1組だけ。
焼き上がるまで静かな時間が流れます。
贅沢に使われた炭が小さな音ではぜるのを聞きながら
改めて阿蘇に思いを馳せた一日でした。



高森田楽の里  http://www.dengakunosato.com/index.html



No.540 美 味/天上の至福

2018年03月19日 | 美味

東京都中央区日本橋…この不思議な響き
まさに日本経済の中心のイメージを感じさせます。

東京駅の周辺、丸の内から日本橋界隈を歩いてみる
地方出身の私でもすぐわかることがあります。
丸の内には三菱グループのビルばかり。
そして日本橋は三井系ばかり…

もがその名を知る財閥系の企業のテリトリー争いですね。

日訪れたのも「日本橋三井タワー」の38F
マンダリンオリエンタル東京のロビーラウンジです。
そこから眺める東京の西の空は絶景



もう何度もご紹介しているタパスモラキュラーバーは
カウンター席7〜8席限定でひと晩に2回のみ
年々お高くなるのは宿泊の外国人向けに為替を考えての所業か!



いつも感心する素晴らしい器とレベルの高い料理



モラキュラーとは分子のこと。
食材や料理法を分子レベルで研究して調理するため
「分子ガストロノミー料理」といわれる新しい分野です。

その料理のほとんどがひと口サイズ。
理科の実験のような料理なのにものすごく美味しいのが最大のポイント



出来上がりも計算しつくされた美しさ



アクロバットのようなお肉は下に置くと中からスープがにじみだしてしまうから…



この手前の野菜「あ、つぼみ菜ですね」と私が言うと
初めて名前を当てた客だとのこと…
「博多蕾菜」を知らないとは、さては福岡人はあまり来ないのだな!(笑)



細かくご説明したいところなれど
実は持ち帰ったメニューをほかのレシート類と一緒に捨ててしまい 
ほとんど説明ができないのですよ。
でも味だけは鮮明に舌が覚えています。

5秒だけ薫製したまぐろ





こちらも薫製で桜チップの香りを付けた1品 





使う道具も理科的試験管 
お隣はアジア系のお客様ですがシェフは流暢な英語で説明
それもそのはず牛窪シェフはバンクーバー出身
都内の名だたる名店を渡り歩いた人です。



試験管の中身はクルマエビ 
火にかけておいた岩塩で蒸し焼きです。





最後のデザートまで楽しめます。
これはアトマイザーでアップルジュースをふりかけると
周囲の綿アメがとけていく演出(下のコルクは園芸用)



こちらの卵は卵にあらず
ココナッツとマンゴーのデザートです。



動画でご覧ください。(とろっと出てくるのはマンゴーピューレですよ!)




美味しかった〜!



こちらはフォンダンショコラ
タイトルは確か「VOLCANO(火山)」



楽しかった〜!



やれやれ…心底堪能しました。
やはり年に1回は訪れたい店です。
お願いだからあまり値上げしないでくださいね。 

 


No.539 良 縁/世界ラン展 in 東京ドーム

2018年03月12日 | 良縁

なんだか最近タイトルジャンルに「良縁」が多いなあ…
それはとてもいいことなんですけどね。

さて、東京に仕事で行く際、
もちろん仕事上の時間、場所、相手の情報などは綿密に調査するものの
もうひとつしっかりと予習していく事があります。
それは東京のイベント情報

今回はなんてラッキーなんでしょう!
世界ラン展が開催中!
久々の東京ドーム



なんとも不思議な空間 です。
普段、野球なんて縁のないような年配の女性が多いことといったら…!



先週末、NHKの「趣味の園芸」を見ていてたまたま開催を知りました。
ラッキー!



入り口近くにはクラゲまで…ランにクラゲ?
でもなんてきれいなブルーなんでしょう。



やはりランと言えば胡蝶蘭とカトレア



迫力十分ですが私、あまり興味ないんです。
完成されすぎてる…



あまのじゃくな私が好きなのは自然のままのラン
ちっこいのに賞をもらってます。



こんな子とかいいですねえ…デンドロキラム



お客さんのお目当てはたくさんあるランの中から選ばれた大賞のグラマトフィラム



日本大賞と銘打った栄えある賞をもらって誇らしげに立っていますが
180センチ四方もあるサイズに加えて花数の多いことといったら!
作られた生産者さんのご苦労は並大抵のものではないでしょうが
きっと株はとっても消耗していることでしょうね。
おつかれさまです。



その他にもひと株から同時にたくさん咲かせているものに人気があるようです。



私が育てている大好きなリンコスティリス
長年がんばっていますがここまでたくさん咲かせられません。
まだまだだなあ…



買うとお高いパフィオペデラム



普通の人はランとは分からないでしょうね、ダリアみたい。



花びらにプリント!
もうすぐ市場に登場するでしょう。(もうあるかな?)



会場の半分近くは販売ブース
国内の生産者、店舗に加え
タイや台湾など海外からも数多く出店しています。
みなさんのお目当てはこれか!



それでも1鉢1000円均一とかの胡蝶蘭が一番の人気
私は、というと



こんな着生ランにしか目がいきません。



ショエノルキスに絞ってさがしていると見つけました!
ドイツから空輸されたという元気な株です。
買い占め!



次回はこのあたりに挑戦してみたいものです。



ランじゃないものもあります。
ネペンテス専門店



会場にはもちろん飲食のブースも



解放されたエリアの座席で休憩して一日見て回るんでしょうね。
うらやましい…



来年も是非訪れたいものです。
ランは温度と湿度に気をつければ栽培しやすい植物です。
みなさんもやってみませんか?



持ち帰ったショエノルキスは自分仕様に仕立てました。
ひと株約2センチの極小ラン
花は2〜3ミリほどでしょうか…
去年からはまっているランです。
満開になることを夢見て






 


良 縁/CASICA

2018年03月05日 | 良縁

その店は東京の新木場駅から降りて徒歩3分のところにありました。
京葉線って知ってます?
東京駅の中を延々と10分以上も歩いた地下ふか〜くにあるんです。
東京ディズニーランドに行った事のある地方の方は
きっと初めはみんな驚いたことでしょうね。

その(私的には)不便な新木場まで出向いたのは
親しくしていただいているKINONの奥様の強い推薦があったから。
そして事前に見せてもらったこのパンフレットのセンスが抜群だったからですかね…







ありました。
シャンシャン見学のあとなので
まだみぞれ模様の東京は最高気温3℃



そこは倉庫を改造した建物でカフェを併設するショップ…
古いもの、新しいものを混在させた洗練の空間でした。



まだ昨年末にオープンしたばかりです。
あ、植物もある!



どの方向を見てもなるほど…彼女が好きそうな店です。
それにしてもこんな店の情報をよく知ってるなあ…



世界各国の民芸品、日用品、プロダクトなどが同じ空間に並びます。



目的を持って買い物に来るのではなく
一期一会の出会いを期待して来る店ですね。



こういうタイプのお店もセレクトショップと言うのでしょうか…



私の今回の出会いは銅の小鍋
レジ周りも洗練されたセンスで統一されています。



不便だけどまた来たくなる店でした。
また東京に楽しみが増えました。


CASICA  https://casica.tokyo
KINON   https://www.facebook.com/kinon.producedbykozuma/