カンアオイ

野草の観察・ハイキング・旅行・散歩などメモ的な身辺雑記。

小唄 

2005年10月31日 | Weblog
酒の相手

酒の相手に
  遊びの相手 
   苦労しとげて 
茶の相手



桂文珍さんが小唄を習い始めたという。
当然ながら、唄と三味線とを両方稽古することになる。
(NHKスタジオパークより)
天下の旗本と吉原の遊女の心中 {箕輪心中}

君とねやろか
五千石とろか
なんの五千石
君と寝よ
しょんがいな
君の寝姿窓からみれば
牡丹芍薬百合の花
しょんがいな

小唄とは←クリック

滝の白糸  泉鏡花

楽屋をぬけて橋の上 
肌にひやつくちりめん浴衣 
おうぎ使いは水芸の 
はい、おめどおりー
笑顔でかくす こよいの別れ 
浮世のせぜを鳴きわたる 
あの夜カラスも旅の空
月に更けゆく遠灯



心中や喧嘩、粋といなせの江戸文化、ことばの遊び、しゃれ文句。小唄、端唄を稽古し嗜む新時代がやってきたようだ。少子高齢化の社会だが、先に若者の火が燃えあがるかもしれません。

端唄

2005年10月30日 | 日記
花季利恵の会(第26回)
平成17年10月29日(土)AM11時開演~PM7時終演
内幸町ホール{JR新橋駅}

兄嫁が師範名取であるので毎年招待がある。端唄・小唄は粋な日本の伝統文化の一つであるが、回数を重ねると最近ようやく大分耳に馴染んできたところだ。
聞き書きなので言葉は正確ではないが一つ二っつ紹介したい。
二上がり新内 ←クリックで歌詞を読む   
すみだのほとり

墨田のほとりに住居して萩の枝折り戸四畳半 歌俳諧や茶の湯して主(ぬし)と二人でエーイ侘び住居

木曾の秋
いで湯の街の唄聴けば誰かが泣いているような峠一里の上り坂
あれ中乗りさん御嶽山(おんたけさん)送られず送らる果ては木曾の秋
心細いよ木曽路の旅は肩に木の葉が舞いかかる
檜傘(ひのきがさ)でもお六は娘誰に情けの架け橋や命をからむ蔦かずら燃えて色焼く色紅葉

キンライ節
積もるほどなお深くなる雪をめぐらす舞いの手やよいよいよいよーいやさー紅葉の橋の袂から袖を重ねの言伝(ことづて)にちょっと耳をばカササギの霜の何時しか白々と式次第杖突きのの字をやれ案山子(かかし)現涙(うつつなみだ)の一つだに浮世は‥
江戸端唄とは⇔クリック
端唄は江戸時代鎖国から開国へ向かうころ、庶民の間で流行ったもので、三味線に合わせて唄う粋なものです。自分の感情や考えを唄った日本で初めて誕生したポピュラーソングといえます。
最近は若い人たちにお座敷芸として再認識され稽古する教室が賑わってきています。三味線の弾き語りはカッコいいですネ。




草津晩秋

2005年10月30日 | Weblog
草津の紅葉
紅葉を終え赤い実をナナカマドたわわに纏う草津白根に


草津白根の山頂付近には数日前に降ったばかりの新雪がところどころに未だ残っていた。喘ぎながら湯釜を目指す人の中には雪を指で引掻いては包ばって柔らかい感触を確かめている。↓




紅葉が終わったナナカマドの鮮やかな赤い実が枯れ野と化した草原のアクセントとなっていて、ズーと眺めていても飽きない。枯れ葉色一色の下草の中にツツジ科の小低木クロマメノキの紅葉がわずかに目を楽しませる彩を残してくれていた。ストロンチュウムの炎のように赤く紅葉するウラシマツツジとは較べられないがモノトーンよりは良い。ここでは大きくなれないカラマツは結構まだ黄葉をつけている。↓



木が硬く7回カマドに入れても燃えないと言われるナナカマドは紅葉の美しい羽状複葉の樹だが、その高山性の仲間にタカネナナカマドとウラジロナナカマドがある。ナナカマドといっても3種類あるのだ。白根山のはナナカマドで良いそうだ。↓


ホテルのべランダから朝の風景を撮った。所々から湯気が立ち昇っている。日の出の時刻は6時少し前であるが、東の方角は一面の雲海で埋め尽くされていた。東京は昨日も今日も雨が降る予報である。珍しく日本海側と北関東が天気の崩れがなくラッキーであった。K/Tさんは朝の散歩に出かけて行った。↓



湯畑の正面にある草津山(ソウシンザン)光泉寺の釈迦堂は茅葺きの特異な形をした屋根をもつ、こじんまりした良い感じのお堂です。この地は温泉の硫化水素でやられてしまうそうで、金物は錆びてしまい使えないのでしょう。草津町指定文化財とありました。↓



湯畑に白く沈殿する湯の花、土産に一つ買った。(一袋500円)足湯を試してみたが、足裏マーサージと同じ効用があるのだろう、何時の間にやら足がほんのり赤みがさして気持ちよかった。草津温泉のお湯は肌がつるつるヌルヌル、目に入ると痛く、口に含むと酸っぱくて、白濁は無いが、その効用は確かに違いないと思わせた。体が温まり熟睡できたのもそのお陰かも知れません。↓



光泉寺の右手から裏道の坂を下りていった。民家のイロハカエデが黄から赤へのグラデユエーションが豊かで、紅葉の真っ盛りであった。やがて間もなく、この道は人通りの多い十字路である湯畑と西の河原への分岐点え出た。この道で草津の野草のいくつかに出会えたのだった。↓



ツリバナマユミをカメラマンが二人、長い望遠レンズで撮っていた。赤い果皮に黒い実が数個垂れ下がる面白い実です。「何という木ですか?」と尋ねてみたら、「吊り花真弓」と教えてくれた。マユミより花柄が長く、ずんぐりしたマユミとは違って、こちらはホッソリした感じです。手にとって間じかで観察したのは初めてであった。この写真はカメラマンのとは別の場所(玄関へのアプローチ)にあるのを撮ったのですが、画面上からは解らないが、肉眼では未だ紅葉前の緑葉に赤い実が沢山、点々と付き大変綺麗でした。美しさを表現できないカメラ技術の乏しさが残念ですネ。↓



今が盛りの紅・黄葉(草津ホテルの前庭にて)木造3階の古風なホテルです。片岡鶴ちゃんの絵を沢山飾り、敷地内に美術館まで併設している草津では由緒ありそうな旅館です。建物から出てこられて記念写真を女中さんに撮ってもらっている年の離れた中高年のカップルに、つい目が行ってしまい勝手な想像が膨らんでしまいます。それは私だけではなく連れだった仲間も一致の妄想でした。↓



西の河原公園の湯川は大露天風呂の温泉水が流れます。自然林がこの先は続いていますので時間がゆるせばいい散策が楽しめる道でしょう。↓



草津白根山 (活火山・日本百名山の一つ)観光客の入れる範囲は柵で仕切られた意外と狭い範囲に制限されていました。それだけこの山が浅間山などと並んで今なお活動が活発な火山であることの証明です。山頂は一木一草も生えない荒涼とした世界です。火山湖特有の酸性の強い鉱物を溶かしこんでコバルトブルーに発色の湖面は近寄りがたい不気味さを漂わせています。↓







草津温泉の花たち

2005年10月30日 | Weblog
 キツリフネ→
ホウセンカ(インパチェンス)の仲間です。自生地は赤紫色のツリフネソウよりもやや少なく標高が高いところに多いようで、山のやや湿り気のある木陰に生えます。ツリフネソウのように群生はせず孤高で舟のような優しい黄色の花を吊り下げて咲きます。花期 7~9月
なお、もう一つ、紀伊半島から西、四国、九州 には、色が上品な薄いピンクで、又、別の美しさで葉の影に隠れたように咲く「ハガクレツリフネ」があるという。


秋の名残を惜しむ野草{季節を変えて又、訪ねてみたい草津白根山周辺でした。}


春の花クサフジに似て花期は8~10月、同じように他の草に絡んで伸びるつる性の草です。花色は写真のような紫がかった青色で美しい。名前は花の形を藤色の袴に見立てたもの。秋の七草のキク科のフジバカマとは全く関係なく、こちらはマメ科である。このキツリフネとツルフジバカマは北斜面に仲良く生えていました。
ツルフジバカマ→


ゲンノショウコは漢字では現の証拠と書きます。これを飲めば下痢、腹痛などぴたりと止まる胃腸病の特効薬です。花の大きさは径1㌢ぐらいですが、今回、道端や西の河原で見た花たちは、咲き終わりの花なので、どれも小ぶりでした。ふつう東日本では白に紫のすじが入ったものが多く、西日本では写真にあるよりも濃い色の美しい赤のものが多いのですが、草津で見たのは、うすいピンクのものばかりでした。
ゲンノショウコ→



ナギナタコウジュ(シソ科)は山や野の日当たりのよい所に生え、丈は30~60㌢になる。花は写真のように片側にだけ集まってつき、穂全体が薙刀の刃のように反り返るところからこの名がついた。
花期 9~11月 
光泉寺から草津ホテル方向へ散歩の途中、マユミやイチイの木立のある小さな野原で見つかりました。

ナギナタコウジュ↓


アキノキリンソウ(キク科)は野にも山にも多く、金色の花が美しいので、秋に咲く黄色の花の代表とされます。丈は30㌢~80cm。
高度分布が幅広く、高山性のものをコガネギク、またはミヤマアキノキリンソウといいます。今回、草津では枯れたものも見かけましたが、草丈の低い姿のよいのが道端の崖っぷち下に一株咲いて、見てくださいと言わんばかりでした。
アキノキリンソウ→

      マユミの実 ふくらむ乳房 はじけそう カンアオイ

わが家には真っ赤な実をつけるマユミが一鉢あります。二年前、東小の植木市で買い求めたものです。花は地味ですが秋には紅葉と果実が初冬まで二度楽しめます。
マユミの果実→

      一位の実 含みて吐きて 旅遠し  富安風生
イチイの果実→


もみじ葉に朱き果実を吊りさげし ヤマボウシいま終わりの姿 カンアオイ

ヤマボウシは英名をJapaneseStrawberryTreeと言い、地方では山桑(ヤマックワ)と呼ぶそうです。ヒヨドリ、メジロ、ムクドリ、カケスなど、鳥が好んで啄ばむそうですし、マンゴーのようにねっとりした甘さがあり食べられる果実だそうです。知りませんで、口に入れませんでしたが、試すべき惜しいチャンスでした。

ヤマボウシの果実→  

ヤマボウシ⇔クリックでヤマボウシ、アメリカハナミズキ解説のホームページへ

草津温泉の句碑と歌碑

2005年10月28日 | Weblog
草津温泉ガイド
↑クリックすると画像と音声ガイド付きのホームページへ温泉街を散策した時の思い出しに役立ちます。 ウメモドキ→
残る葉も 残らず散れや 梅もどき 凡兆
下の二句は草津山(そうしんざん)光泉寺境内に句碑が有ります。
湯けむりに ふすぼりもせぬ 月の貌(かお) 小林一茶
松虫草 今生や 師と 吹かれゆく  化石
松虫草↓
2005年10月26~27日、パソコンサークル遊ねっと会員28名が紅葉の草津温泉へデジカメ撮影の一泊バス旅行に出かけてきました。
夏の夜や こだまに明くる 下駄の音  芭蕉
山中や 菊は手折らぬ 湯の匂い  芭蕉
芭蕉の二句は句碑があるが、草津温泉で実際に詠んだ句ではないと言う。
もめようたへや 湯けむり 湯けむり  山頭火
いずこにも 湯が噴きいでて流れいる 谷間を行けば 身はあたたかし  斉藤茂吉
西の河原を冬の寒さの中歩いたときに詠んだ歌だと思われる。どの句も草津温泉の情景が思い浮かぶようである。
西の大関「有馬温泉」東の大関「草津温泉」と言われ、古くから湯治場として賑わった日本一とも言える温泉場ですが、「草津よいとこ一度は御出でーどっこいしょ‥‥」の念願がやっと叶いました。

紅葉黄葉を詠った俳句のいくつかを紹介します

山くれて 紅葉の朱を うばひけり   与謝蕪村 
幕吹いて 伶人見ゆる 紅葉かな  正岡子規 
月に寝て 夜半きく雨や 紅葉宿  高野素十 
黄葉は げし乏しき銭を 費ひをり 石田波郷