歌わない時間

言葉と音楽について、思うところをだらだらと。お暇な方はおつきあいを。

ラ・ベネシアーナ『モンテベルディ/マドリガーレ集第4巻』

2009年01月18日 | CD モンテベルディ
Monteverdi
Quarto Libro dei Madrigali 1603
La Venexiana
GCD 920924

2003年録音。61分00秒。GLOSSA。歌手はBertini、Ragni、Cavina、Maletto、Naglia、Carnovich。『第4巻』についてはこれ以前にコンソート・オブ・ミュージックとコンチェルト・イタリアーノを聴いてきましたが、このCDがいちばん完成度高いと思いました。ベルティーニ、カビーナ、マレット、ナーリアはコンチェルト・イタリアーノ盤でも歌っています。

それ以前にもコルボのものなどがあったにしろ、技術的に満足できる水準の全曲盤としてはコンソート・オブ・ミュージックのが最初に出て、「うわっ、モンテベルディってやっぱりすごいっ」と思ったものでした。その後しばらくして地元イタリア勢のコンチェルト・イタリアーノのが出てみると、「やっぱ本場もんは違うね」っていう話になった。CIのは美声の歌手たちがよく歌い、表情づけも濃くて聴きごたえがありました。それと較べるとCOMのモンテベルディは薄味で、歌い方も優等生的なのでした。しかしわたしはCIのも満点とは思いませんでした。繰り返し聴くにはちょっとこってりしすぎてる。

その点、このラ・ベネシアーナのは、歌うところはよく歌いつつ、ハメを外しすぎないで、モンテベルディの音楽に聴き手を集中させてくれる。バランスのいい仕上がりだと思います。さいしょの"Ah, Dolente Partita"の第一声ね、これがソプラノから始まるんですが、COMのはカークビーの声で、ちょっとね、清らかすぎるんです。ラ・ベネシアーナのはちゃんと色っぽいの。イタリアのマドリガーレはこうでなきゃ。

それにしても唯一気になるのは(いつも思うことですが)ダニエル・カルノビチという男の歌い手で、bassと表記してあるけれど実はbaritone。それも時にかなり軽く感じられる。そして鼻声。わたしはもっと深みのある堂々とした声で下から支えてほしいです。

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