歌わない時間

言葉と音楽について、思うところをだらだらと。お暇な方はおつきあいを。

ラ・ベネシアーナ『モンテベルディ_マドリガーレ集第7巻』

2010年12月14日 | CD モンテベルディ
Monteverdi
- Concerto -
Settimo Libro dei Madrigali
La Venexiana
GCD 920927

1998年録音。65分26秒/70分43秒。GLOSSA。マドリガーレ集第7巻。第6巻と第8巻にはさまれて、この集はやや地味な印象がありますね。たしかに2声のわりとシンプルな編成の曲が多い。でも内容は充実してます。この2枚組ではじめて全曲聴いたんですが、やっぱ聞きごたえのある傑作ですわ。歌手は、Rossana Bertini、Laura Fabris、Elena Cecchi Fedi、Gloria Banditelli、 Claudio Cavina、Giuseppe Maletto、Sandro Naglia、Daniele Carnovich。器楽は計14人。

冒頭の〈Tempro la Cetra〉。テナー独唱の名曲で、わたしはこの曲をコンソート・オブ・ミュージックのポール・エリオットの録音で親しんできました。このCDではソリストが明記してないけど、ジュゼッペ・マレットが歌っています。エリオットと較べると、録音年代の差もあるけれど、それ以上にイギリス風古楽と地元イタリアの古楽のスタイルの違いを感じる。エリオットのは端正で優等生的な歌唱だった。マレットはイタリア人にしては声も表現もおとなしいほうですが、それでも自然ににじみ出るイタリアの歌ごころが楽しい。

女声陣もそれなりに決して悪くはないんですが、でもコンソート・オブ・ミュージックでカークビーが録音している曲はカークビーの美声が思い出される。カークビーの歌うイタリアものを時代遅れのように見なす向きもありますが、作品の本質にズバッと切り込んでいくまじりけのないカークビーの美声はやはり爽快。ネルソンと歌っているCOM盤の〈Chiome d'oro〉を聴きたくなった。

CD1とCD2それぞれの最後に収められた〈この楡の木蔭でA quest'olmo〉と〈ティルシとクローリTirsi e Clori〉が歌い手の数も多く、はなやかで耳に残りました。

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