歌わない時間

言葉と音楽について、思うところをだらだらと。お暇な方はおつきあいを。

ミュラー『ダウランド/リュート歌曲集第1巻』

2008年08月06日 | CD ルネサンス-イギリス
Dowland
The First Booke of Songs
Rufus Müller
Christopher Wilson
CDGAU 135

1993年ごろ録音。74分24秒。ASV/Gaudeamus。古楽のテナーによるダウランドのリュート歌曲集『第1巻』全曲録音。美声だし、達者に歌っているし、テナー独唱に退屈しない人になら自信を持って薦められるいいCDです。

uにウムラウトがついているから読みは「ミュラー」だと思いますが、先祖はともかく本人はイギリス生まれだそうです。80~90年代はあちこちの声楽アンサンブルや古楽系の合唱団でしばしば名前を見かけました。モンテベルディ合唱団やコンソート・オブ・ミュージックでも歌っていましたが、特にタリス・スコラーズで、チャールズ・ダニエルズとともにこのグループならではのテナーの声を作ってたのがこの人です。たとえばジョスカンの『ミサ・パンジェ・リングァ』のCDのテナーは、ミュラーの声です。

CDのリーフレットにも書いてありますが、この人はソリストとして来日したことがあり、わたしは広島の東区民センターの小ホールでこの人をナマで聴きました。曲はこのCDと同じようなリュート歌曲でした。いえね、十年以上前のことなので演奏のことはよく憶えていないんですけどね。でも聴きに行ったことじたいをいまだに忘れていないんだから、たぶんよいコンサートだったんだろうと思います。

ダウランドのリュート歌曲のCDはいくらも出ていますが、『第1巻』全曲をひとりの歌手が歌ってCD1枚にまるごと収めているのはめづらしい。コンソート・オブ・ミュージックの全集はありますが、あれはソロと重唱を使い分けて変化をつけていた。コンソート・オブ・ミュージック盤でテナーをまかされているのはやはり美声のマーティン・ヒルなので、ミュラーと聴き較べるのもいいですよ。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿