歌わない時間

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コンソート・オブ・ミュージック『ダイアナ妃のためのマドリガルと祝婚歌』

2011年05月22日 | CD ルネサンス-イギリス
Madrigals and Wedding Songs for Diana
The Consort of Musicke
Emma Kirkby
David Thomas
Anthony Rooley
CDA66019

1981年録音。56分40秒。hyperion。 ダイアナさんの結婚のときに出た企画盤。1600年前後のイギリスの祝婚の音楽をあつめて、声楽アンサンブルあるいは独唱+器楽伴奏で演奏しています。わたしがこのCDを買ったころは、イギリスのマドリガルを聴けるCDで入手可能なものがまだごくわずかでした。そしてわたしはマドリガルを聴くことに飢えていたんですな。それで、ダイアナさんには世間並みの関心しかなかったけれど、このCDをお店で見かけて買ってしまいました。いや、この時期のコンソート・オブ・ミュージックはいいですよ。こなれた感じ。ただ、合唱(あるいは合唱をともなうソロ)で歌われるのは全20トラック中の9トラックで、あとはカークビーのソロが6トラック、残りはデイビッド・トーマスのソロで5トラック。多声部で歌われるマドリガルをもっと聴きたかったので、その点はさびしかった。

合唱は総勢12人です。ただし多声部の曲も常に全員で歌うわけではないようです。でも曲によってはそこそこ厚みのある響きを聴かせ、ふだんのコンソート・オブ・ミュージックとはちがって、うぶな感じの歌い方に聴こえる。

演奏されている中でわたしが知っていた曲は〈Bennet: All Creatures Now〉〈Weelkes: Hark! All Ye Lovely Saints〉〈Wilbye: The Lady Oriana〉〈Weelkes: As Vesta Was From Latmos Hill Descending〉〈Gibbons: Long Live Fair Oriana〉あたり。いづれも模範的な、なだらかな演奏でここちよい。カークビーのソロと合唱とのかけ合いで歌われる〈East: You Meaner Beauties Of The Night〉ははじめて知った曲ですが、面白かった。もっと合唱の人数を大きくしてソロとの対比を際立たせても面白そう。

ハイペリオンは今回の王子の成婚については特別な企画盤は出さないようです。そりゃね。このダイアナさんのためのCDが出た後、いろいろなことがありましたからね。ダイアナさん死して、このお祝いCDのみ、むなしく残ったわけだもの。今回はもう出さないでしょう。

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