歌わない時間

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マロン『シャルパンティエ_ノエルとクリスマス・モテット 第2集』

2010年12月12日 | CD バロック
Marc-Antoine Charpentier
Noël and Christmas Motets, Volume 2
Aradia Ensemble
Kevin Mallon
8.557036

2001年録音。59分56秒。NAXOS。アラディア・アンサンブルのシャルパンティエ第2弾だったもの。《天使とユダヤの羊飼いたちとの対話Dialogus inter angelos et Pastores Judeae in nativitatem Domini》H.420と《クリスマス・オラトリオIn nativitatem Domini canticum》H.416を並べて、この2曲の前後と曲間を、フランスの古いノエルによる〈松明をかかげよ、ジャネット、イサベルUn flambeau, Janette, Isabelle!〉H.460cでふちどる構成。

冒頭、ソプラノ・ソロによるノエル。これはVol.1でもそうでした。静謐で清冽で、しずかな喜びに満ちた音楽。3拍子系の素朴なリズムに乗って。Vol.1は器楽によるノエルも多く収められていましたが、Vol.2では声楽の比重がさらに大きくなりました。声楽の編成は不明ですが、合唱パートは各声2~3人くらいだと思います。楽器のほうもごく少人数で演奏しています。ソロも多いですが難はない。クセのないフレッシュな演奏で好ましい。

民謡ふうの素朴なメロディによるノエルを集めたVol.1と違って、このVol.2では宗教曲として整った形をそなえる中規模のオラトリオ2曲を聴かせてくれたわけですが、これはこれで満足する聴き手は多いだろうと思うものの、この手のオラトリオになると、いま一段の表現の熟成を望みたくなる。フレッシュで清新な良さはあるのだけれど、もう少しコクがほしいとも感じました。いや、もう、ほんの少しですけどね。

聴いてみての驚きはVol.1ほどではないけれど、しかし筋のよい演奏であることは間違いない。Vol.1と同様、鈴の音が効果的に使われていて耳に心地よい。トロントの教会で収録とのことですが、雰囲気のよいカトリック教会の聖堂に一晩のクリスマス・コンサートを聴きに行ったような趣きがあります。

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