歌わない時間

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アレッサンドリーニ『モンテベルディ_マドリガーレ集第2巻』

2013年02月14日 | CD モンテベルディ
Monteverdi
Secondo Libro de' Madrigali
Concerto Italiano
Rinaldo Alessandrini
OPS 30-111

1994年録音。58分15秒。OPUS111。モンテベルディのマドリガーレ集第2巻。イタリア・ルネサンス音楽の到達した美の極致を堪能させてくれる、って感じ? 優美でありながらキレがいい。歌手はRossana Bertini、Rosa Dominguez、Claudio Cavina、Giuseppe Maletto、Sandro Naglia、Marco Radaelli、Daniele Carnovich。歌手ひとりひとりの自発性が高く、充実した演奏が前へ前へと進んでいく。なおかつ、アンサンブルはしなやかに決まって、音のたゆみもない。

コンチェルト・イタリアーノのモンテベルディは、この前年に録音された『第4巻』を先に聴いたのですが、『第4巻』はまだちょっと力みがあったんぢゃないでしょうか。この『第2巻』のほうが、より完成度高いと思いました。

『第2巻』も、もちろんラ・ベネシアーナの演奏があり、そっちも気にはなるけれど、このコンチェルト・イタリアーノ盤は上々の出来で、充分満足できる。今のところ、ラ・ベネシアーナ盤を追加購入する予定はありません。

このグループによるモンテベルディのマドリガーレ録音は、曲集別のものとしては確か、2巻、4巻、5巻、6巻、8巻それぞれの全曲盤があったはずです。そしてこれら以外に、《タッソーの詩によるマドリガーレ集》とかの企画盤がいくつか。これはなかなか興味深い。わたしも、4~6巻と8巻が、この作曲家のマドリガーレのキモだと思ってるから。これに加えて、初期の1~3巻の中からあえて一つえらぶなら、わたしとしてもやはり2巻。いやさほど深い意味はなく、〈波はささやきEcco mormorar l'onde〉が入ってるから。全音の『イタリア世俗曲集』(1? 2?)に入ってるから、合唱している人でこの曲を歌ったことのある人は少なからずいるでしょう。2巻の曲では、〈愛の神が狩りにS'andasse Amor a caccia〉も人気あるみたいです。これも国内譜が出てるのかな?

しかしモンテベルディのマドリガーレを合唱で歌うのはむつかしい。8巻は別格として、4~6巻のむつかしさも言うもさらなりだが、2巻あたりの小味な曲も、さらりと洒落た仕上がりにするのは至難の業だ。重く、ぼってりした演奏になりがち。少人数の軽い響きで、丁々発止の声のやり取りを楽しみたい。