歌わない時間

言葉と音楽について、思うところをだらだらと。お暇な方はおつきあいを。

ハヤカワはディック・フランシスを品切れにするな!

2011年06月14日 | 本とか雑誌とか
ハヤカワ文庫のディック・フランシスで、品切れのものがいくつかあるんですが、早川書房はどういうつもりなのだろう。もう刷り増しはしないんだろうか。わたし、まだ読んでないのがいくつかあるのよ。読みたいのに読めない、というのはイライラする。それに、第一もったいないよ。刷れば売れるだろうに。だってあんなに面白いんだもの。フランシスを三つか四つ読めば、ああこの人はコンスタントにこういうレベルの高い小説が書ける人なんだなということは誰にだってわかる。品切れのままほっとくなんて、理解に苦しむ。それとも、クリスティみたいに「ディック・フランシス全集」でも出すつもりなのかなハヤカワは。

品切れにしてるのは、あるいは訳の問題なのだろうか。菊池光さんの訳文はとにかくかっこいいけど、競馬のことを知らないことによる誤訳があって、競馬にくわしい人からは指弾されているようです。競馬に関心がないおかげで不満を感じることなく楽しめるわれわれは幸せ者ですな。それにしても、あの訳文のかっこよさが、ディック・フランシスの文章ゆえなのか、それとも菊池光の翻訳ゆえなのか、ほんとのところ、わたしは分かりません。見当をつけるために、菊池さんが訳した他のミステリを読んでみようと思いつつ、まだ果たさない。