歌わない時間

言葉と音楽について、思うところをだらだらと。お暇な方はおつきあいを。

パロット『ジョスカン/ミサ・アベ・マリス・ステッラ』

2008年11月18日 | CD ジョスカン
Josquin
Missa "Ave maris stella"
motets & chansons
Taverner Consort & Players
Andrew Parrott
TOCE-8217

1992年録音。76分33秒。EMI/Reflexe。久しぶりに聴いてやっぱりいいなあと思いました。『ミサ・アベ・マリス・ステッラ』は名曲で、パロットの指揮もこの曲のスケールの大きさをよく引き出しています。ジョスカンのミサはこういうふうに歌わなくっちゃ。大河がとうとうと流れていく感じ。わたしにとってジョスカンのミサってのはそんなイメージなんですよ。

ミサのほかシャンソンやモテットも収録。ミサは男声13人で、シャンソンとモテットは各パート1人づつ。演奏形態も曲種によって変化をつけ、聴き応え充分のアルバムに仕上がってます。途中で居眠りできません。

アルバムの冒頭の5声のモテット《Illibata Dei virgo nutrix》で例のわたしのきらいな悪声アンドルー・キングが出てくるんですけど、これがそんなにいやな感じぢゃないのね。ふしぎ。5声のアンサンブルのなかにちゃんとはまってるからかしらん。

ミサはカウンターテナー以下の男声13人で歌っています。ジョスカンはやっぱり10人前後いた方がいいね。ジョスカンにふさわしく腰のすわった感じがするよ。

女声はただひとり、エミリー・バンイブラがところどころ出てきて歌っています。パロットのジョスカンはたしかこれ一枚だけだと思います。もっとやってほしかったよー。イギリスの指揮者でジョスカンをこれだけ表現できるっていうのはちょっとめづらしいんぢゃないですか?