歌わない時間

言葉と音楽について、思うところをだらだらと。お暇な方はおつきあいを。

セルシェル『ギター名曲集』

2006年07月27日 | CD 古典派以後
Famous Guitar Pieces
Göran Söllscher
UCCG-9356

1982年録音。47分16秒。Deutsche Grammophon。今となってはかなり少なめの収録時間。ルネサンスのリュートのための曲から、ヴァイス、バッハを経てソルの変奏曲までかなり多彩なプログラム。こういう感じで、60分くらい録れてくれていたら文句なしだった。

セルシェルをこのCDではじめて知った。どういう経緯で買う気になったのかもう憶えていないが、なにしろ1200円の廉価盤だったのだ。安くで出ていなかったら買わなかったと思う。

このギタリストはとにかく音がきれい。プログラムはじめのほうのルネサンス物はどれも甘く澄んだ音色でうっとりさせられる。トラック7からトラック9まで、ミケランジェロ・ガリレイという人(b.1575)の短い曲が入っているが、この人はビンチェンツォ・ガリレイという作曲家・理論家の息子で、ガリレオの弟だそうである。ガリレオ・ガリレイの父親も弟も作曲家だったなんて知らなかった。

トラック10のヴァイスに入った途端に雰囲気がガラッと変わる。やはりヴァイスの音楽の丈の高さであり、その丈の高さを表現するセルシェルの腕の確かさだろう。トラック11の"Ciacona"は有名曲。セルシェルもいいのだが、この曲はどうしても原典版のリュートで聴いてみたくなって、後にモレーノの演奏を買った。