Arielのひとりごと

きょうは何が起きるかなぁ~

木久扇・木久蔵親子W襲名披露

2007年10月25日 | 落語

Photo_3 きのうは、木久蔵・木久扇親子W襲名披露を見に、池袋演芸場へ。
実は先月、友達のポチやんとたまちゃんと3人で上野の黒門亭という落語協会の2階の座敷で、初めて落語を聞いた。
その時は前座を含め、5人の落語家が出演したのだが、会場がとても小さく、顔も間近で見ることができ、落語っておもしろいんだなぁ~!と感動した。
ポチやんは大学時代は落研という経歴の持ち主。たまちゃんは4年前お花見帰りにたまたま通りかかった鈴本演芸場で落語デビュー、すっかりハマリ、それ以降見に行きたいけど誰も一緒に行ってくれない…ということで、私とポチやんが渡りに船だったのである。
で、そのたまちゃんが、W襲名見たいんですけど…と、ことのほかこの披露に熱心で、積極的に前売券まで買いに行ってくれた。
ポチやんからは、どうせなら着物を着て見に行こう!と言われ、朝から着付けの教本(実技編)を開き着物を着るが、もう汗ダクになった。思わずエアコンを付け、次に帯に取りかかるが、まったくうまくいかない。
彼女と4月に浅草で行われた「きもの園遊会」というイベントに参加するため、着物を着て会ったのだが、その時は何回やっても帯がうまく締められず、待ち合わせの時間を30分以上も遅刻した。きょうは遅れる訳にはいかないと、納得できないまま、グヅグヅの帯を締めて向かう。
思っていたより演芸場は小さく、すごく窮屈で前の座席との間隔が狭い。通路に補助席が設置されていたにも関わらず、あっという間に満員。立見まで出る始末。前売券買っといてよかったぁ~。
そんな中、前座から落語が始まった。なんと少年のような女性がしゃべっている。なんだか文化祭での落研の発表会のようだ。見ていて自分の子供が発表しているような感じで妙にハラハラし、落ち着かない。
彼女の落語が終わると、いよいよ13時~16時半頃までの間に、次から次へと芸人さん達が出てくる。
林家彦いちという、自称(他称)顔がさるかに合戦の臼に似ているという落語家さんは、なんと着物の肩から袖口にかけて3本ラインが入っていた。おー、まるでadidasだよぉー、この着物仕立てるのにお金かかっているんじゃないのかなぁ~、それにしても着物に3本ラインって発想がいいよね。ものすごく印象深いもん。話もすごーくおもしろかった。
ギター漫談のペペ桜井氏は出てきていきなり引っ込み、またすぐ出てきた。何だったんだろう?平日の演芸場は誠に客の入りが悪いそうで、立ち見までいる観客にビックリしたのかなぁ~?それになんだか顔がピンク色なのだ。一杯引っかけてるんじゃないのぉー?という感じだった。
紙切りの林家正楽は、観客のリクエストに応え、あっという間に「お宮参り」を切り上げて、素晴らしかった。さすがにプロの技。
中でも唯一テレビで見たことがあるのは橘屋円蔵である。中入りで木久扇一門の弟子が「木久蔵ラーメン」を販売していたのだが、そこにも登場し、一緒になってラーメンの販売を手伝っていた。いい人だぁ~。
円蔵は落語中でも、どんどん観客を肴にして話す。お客さん、トイレ?そこは非常口だから、こっちから出て行ってねとか、たまたま録画に来ていた日本テレビのカメラクルーのことを日テレの副社長さんだから…とか、なんでもネタにしていまう。さすがだなぁ~。そしてちゃんと古典を話し始めるのだが、俺の「道具屋」が一番面白いんだから、他の奴らのは屁みたいなもんだ…なんて言っても、ちっとも嫌味にならず、お客も大笑い。やはりテレビに出ている人は受けが違う。
中入り後、口上が始まった。落語の世界では、襲名というものは亡くなった後に名前を継ぐものだそうなのだが、今回、落語界では初の生前贈与だそうな。また口上の時は普通、襲名する本人はしゃべらないというものだそうなのだが、今回は木久扇も木久蔵も挨拶をした。その挨拶がとても面白く、一緒に並んでいた円蔵も大笑い。口上がとってもアットホームな感じでよかった。
そしてまずはお父さんの木久扇が一席。中で先代正蔵師匠のモノマネをしたのだが、その人を知らない私でも笑えるような、体は震え、声も震えというまるで人間バイブレーターだった。ポチやんが、そうそう先代の正蔵師匠ってあーいう人だったのよと教えてくれた。
トリが息子の木久蔵。初めて見たが、声も大きく、落ち着いて見ていられる。これから益々うまくなっていくんだろうなぁ~と思う。
今回一番よかったのが、口上のすぐ後に話した、柳家喬太郎。全ての落語家が古典を話したのだが、彼だけが新作を話し、よけいに印象に残った。その話が、サラリーマンの上司と部下の飲み会話で、演じる課長が実にリアルだった。彼の体型がちょっとお腹が出ているところも、あーいう課長いるよなぁ~と思わせた。何役も出てくる登場人物に合わせ演じる人達が生き生きしていてすごくよかった。落ちもバッチリ、気にいった!おっと、私もどんどん落語にハマってるぞ…。
落語協会のメルマガを印刷して持って行くと、黒門亭の入場料が割引になるというので、今月からそのメルマガを取っている。今週の日曜日に家の近所で第一回本所ニコニコ寄席(本所一丁目町会会館)があると書いてある。自転車で行ってみようと密かに思っている。
よーし、落語キクゾー!お後がよろしいようで…。