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アートネタなど日々のあれこれ

アメリカン・ユートピア

2021-06-29 01:30:32 | 映画
TOHOシネマズ六本木ヒルズで「アメリカン・ユートピア」を見てきました。

例によって、鑑賞前に腹ごしらえ…ということで、この日は六本木ヒルズの中にある「麻布久徳」に行ってきました。若干お高めではありますが、つるっつるの稲庭ざるうどんはやはり美味しい。天婦羅ざるうどんを頼みましたが、天ぷらもからりと揚がっておりました…。(以下、ネタバレします)

この映画の原案は2018年のアルバム「アメリカン・ユートピア」です。このアルバムは2019年にはブロードウェイでのショーが大評判になったそうです。映画はスパイク・リーが監督ですが、カメラワークやライティングもみごと。伝説の「ストップ・メイキング・センス」から30年以上が過ぎ、今やロマンスグレーなデヴィッド・バーンは今もってポップでスタイリッシュ、そのパフォーマンスは70近いとは思えないほど、クール&タフでした。冒頭、彼が脳みその模型を持って語り始めた時はいったい何が起こるのかと思いましたが…。シンプルな舞台でグレーの揃いのスーツを着た裸足のミュージシャンたちがマーチングバンド形式で躍動します。バンドのパフォーマンスも素晴らしく、あまりの素晴らしさに録音ではないか?という疑惑の声もあったようですが、デヴィッド・バーンは真っ向から否定、メンバーに順番に音を出させていく一幕もありました。ユーモラスな曲もあれば、社会的な問題を歌った曲もあり…“Burning down the house”の高揚感からジャネール・モネイの“Hell You Talmbout”に至る流れがクライマックスでしたが、“Hell You Talmbout”では人種差別による暴力によって亡くなった黒人たちの名前が強烈なアフロビートとともに連呼されます。デヴィッド・バーンはこの曲を白人の自分が歌っていいのか?と作者に許可を取ったそうです。この地上で起こった惨事。ユートピアとは希望でありアイロニーでもあるのかもしれません。それでも未来はきっと良くなる、と信じさせる力に究極のエンターテインメントを見たように思いました。パフォーマンスの後は自転車にまたがって颯爽とNYの道路を駆け抜けていくデヴィッド・バーン…結局、何から何まで完璧でした…。

さて、鑑賞後は例によって甘いもの(←またかい)ということで、ヒルズの中にあるジョエル・ロブションでコーヒーを買い、クレームデラクレームでシューソフトを買い…我ながら苦味と甘味のバランスが絶妙でした。それにしても、お昼とおやつでいったいどれだけのカロリーを摂取したのかと思うと、ちょっと怖い気もします…(爆)。
コメント
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