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アートネタなど日々のあれこれ

快楽の園

2017-12-20 23:54:42 | 映画
シアターイメージフォーラムで「謎の天才画家 ヒエロニムス・ボス」を見てきました。

ボスには、かなり昔から興味があったのですが、まさか映画になる日が来ようとは、という感じです。いったいどういう映画になるんだろう・・・ということで公開初日に行ってまいりました。まだ、始まったばかりなのでなるべくネタバレにならないように・・・。

アート系ドキュメンタリーというと、多くはアーティストの人生を追った形になりますが、ボス自身が謎の多い人であるからにして・・・この映画は徹底的に「快楽の園」に焦点を絞った映画になっています。この作品について、学者、アーティスト、音楽家、作家・・・などなど、さまざまな人々が語り尽くします。有名どころでは、ソプラノ歌手のルネ・フレミングやアーティストの葵國強、ノーベル賞作家のオルハン・パムクなどなど。「快楽の園」の情報量の多さにはあらためて圧倒されますが、面白いのはこの絵について語る人々が、普段は見せないであろう表情を垣間見せること。この絵には何か魔性があるのでしょうね・・・。奇想の画家と呼ばれる画家は他にもいますが、ボスの作品には圧倒的な毒とでも言うべきものがあるような気がします。何を思ってボスはこんな絵を描いたのか。映画の冒頭のタルコフスキーの言葉がその答えなのでしょうか。「その心の声こそが、芸術家を動かす真実なのだ」

ところで、この映画、BGMもなかなかに凝っています。アルヴォ・ペルトの曲がここぞということろで使われていたのが印象的でした。そういえば、「快楽の園」に描かれていた楽譜、「悪魔に潜む音楽」を再現するという試みもなされていました。ルネ・フレミングが歌っています。悪魔って増4度のことなのかな・・・。

というわけで、目も眩むような90分でした。観賞後、例によって何だか小腹が空いたので、近くの「ボン・ヴィヴァン」でお茶していくことにしました。ボリューミーなロールケーキや色鮮やかなタルトが並んでいましたが、今回、ベーシックなロールケーキをセレクト。ふっかふかで美味しゅうございました。

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