間に合うか?
日本橋高島屋での「上村 松園・松篁・淳之 三代展」は夜8時まで。
入場出来るのは7時半まで。
なんとか駆け込みで間に合いました~。
ここんところ、美術に飢えてる状態だったもので、ついつい勢いで行ってきてしまいました。
やはり松園の作品がまとめて見られる機会とあっては見逃せまん
30分と短い時間でしたが、人もまばらで作品と向かい合うことが出来ました。
「伊勢大輔」
生え際のぼかした感じが松園という印象だったのですが、この作品では細い髪が丁寧にくっきりと描かれています。
張りつめた美しさよ。
着物の葉の模様のキラキラした感じや、髪の上に透けて見える帯(?)といったディティールの細かいところに惹き付けられます。
「春」
目線の向かう先。さくらの花びらの配置。
ちょっとずれるとしっくりとはこないのだろう。
手が見えず袖のみで描かれる作品が他にも多いのですが違和感ないんですよね。
今回、数ある松園の作品を見て思ったのは、構図が上手いんだなあと。
画面に於ける、人物と背景のバランスと位置がしっくりくるんです。
あと、仕草のかわいらしさ。
傾げたポーズが様になっています。
そして、ディティールの描写。生え際だったり、ちりめんだったり。
あと、今回、すごく気になった作品がひとつ。
「暮秋(狂女)」
これ、強烈でした。
松園の作品でこんな掠れた線で描写されたのは初めて見ました。
人の道を外れたものの感じがよく出てました。
怖かったのは横顔から見える口。実際のバランスよりほんのちょっと多き目。
食われてしまいそう。
あと、「楊貴妃」といった中国もチーフでも松園のトーンは違和感なく合っていました。
さて、時間のほとんどを松園に費やして大満足。
ですが、まだ松篁と淳之が続いています。
あまり期待はしてなかったものの、↑松篁の「月夜」はなかなかよかったです。
うさぎがとうきびの下に居るのって普通にありそうな光景なのですが、このブルーのトーンで非日常的なシーンに見せてしまうから不思議。
あと、「冬暖」が印象に残りました。
人形を持つ子供の顔も人形かのような作り物っぽい感じがしてちょっと怖かったです。
さあ、ラストは淳之。と思ってたら、時間切れ。
蛍の光じゃないんだけど、いかにも終了ですと言わんばかりの音楽が流れてきてしまいました。
淳之は動物ばかりだったなあという印象でした。まあ、鹿とかかわいいなあとも思いましたが、やはりこれは松園の展示だったなあと。
3/16まで。
じゃないかと思ったのですが、
よくよく考えると、政治家じゃないし、
芸術家の世界なんで、やはり実力なんですね。
松園の顔って、みんな同じに見えてしまうのですが、
やはり修行が足りませんね。
ほんと、チカラの有る無しだけだと思います。
そう考えるとこの3代、相当なものですよね~。
わたしはやっぱり松園が一番好きです。