ワシントンナショナル・ギャラリー展に行ってきました。
なんでも、金曜の夜間開館が空いていたなんて話をツイッターで見てしまって、翌日の土曜のお昼に行ってきました。ちょうど行きたいギャラリーのオープンが13時からということで時間が空いてたのです。
人は入ってたものの混雑というほどの状況ではなくちゃんと鑑賞することの出来るレベルでした。
☆「ルー川の洞窟」ギュスターヴ・クールベ
この洞窟の暗闇の表現が見事。吸い込まれんばかりの闇が広がっている。手前の小さな人物が闇への恐怖を感じさせてくれる。
☆「皿の上の3つの桃」アンリ・ファンタン=ラトゥール
バックは木目のテーブル。光線の当たり具合からメインである桃の描写がちょっとこの木目と被りそうなのです。たぶん、技術のない画家であれば背景のモチーフを変更するなりして回避するであろうところをそのまま、がっぷり四つに組んで勝負しちゃう。さすがのラトゥールです。
☆「鉄道」エドゥアール・マネ
このざっくり感やよし。対象のエッセンスだけすくいとるセンスはさすが。タイトルにある鉄道は蒸気にのみ現れてて、汽車は出てこず。
☆「日傘の女性、モネ婦人と息子」クロード・モネ
ただ、ただ雲の描写の異様に目を奪われます。初夏を感じさせる爽やかな風と温度。そのエネルギーがあの筆使いの雲となって現れているのだなあと。
☆「姉妹」ベルト・モリゾ
一見、シンメトリーっぽいけども、左右の姉妹の向いている向きは異なる。向かってひだりの女性の物憂げで少しぼやかして描かれた表情に惹かれる。
☆「踊り子」ピエール=オーギュスト・ルノワール
これ、圧巻でした。ストレートに存在の立ち様。背景の塗りのトーンとホワホワのスカートとがうまく馴染んでいる。ただ、ひたすらに可憐な少女のその姿。
☆「青いひじ掛け椅子の少女」メアリー・カサット
この少女のポーズが大人の女性が誘いをかけるポーズに見えてしまって、そういう妙な趣向も込められてしまってるのかなあと。椅子の模様の筆致の乱雑さのリズムやよろし。
☆「葉のあるキュウリ」エドゥアール・マネ
どことなく水墨なテイストが意外。やはり、ジャポニズムの影響とかなんでしょうか。
☆「浴女」メアリー・カサット
版画の中ではこれがいちばんよいなあと。まんまの色と線のキレイさがよいです。絵画の濁りがない状態が合ってるのだと思います。
☆「アウティ・テ・パペ(川岸の女たち)」ポール・ゴーギャン
この呪術的、土着的なテイストは何だろう?とても、西洋絵画のひとの仕事とは思えない感じ。この版画、魔除けになりそうなんだもん。
☆「アンバサドゥールの粋な人々」アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック
この画面構成が落とし所になるあたりはロートレックならでは。背景は塗りが残されちゃってるくらいなのだけど、色と輪郭線のエッヂでみごとにバランスが取れている。
☆「赤いチョッキの少年」ポール・セザンヌ
隣り合う色と色とのバランスがやはり、セザンヌなのだなあと。この色彩とフォルムは一体なのだけど、やはり茶や紫の目立つ感じの合わせ方は他の作家に真似できないものだ。
☆「自画像」フィンセント・ファン・ゴッホ
背景の青の線。ゴッホの頭部を囲む用にまあるく描かれているのだけど、単なる曲線ではなく「く」の字型にジグザグと波打ってるのです。何か妙な形でその存在が強調されているかのような印象を受けるのです。もうひとつ、気になったのは葉脈かのような肩へと伸びる青い線。ゴッホの顔に向かってエネルギーを集めているかのよう。力強い山脈のようにも見える。
とまあ、かなりよく作品が見られます。おそらく後半、そのよさが伝わってくると混雑してくるのではないかと思ってます。
早く行くにこしたことはないですよ!
9/5まで。
なんでも、金曜の夜間開館が空いていたなんて話をツイッターで見てしまって、翌日の土曜のお昼に行ってきました。ちょうど行きたいギャラリーのオープンが13時からということで時間が空いてたのです。
人は入ってたものの混雑というほどの状況ではなくちゃんと鑑賞することの出来るレベルでした。
☆「ルー川の洞窟」ギュスターヴ・クールベ
この洞窟の暗闇の表現が見事。吸い込まれんばかりの闇が広がっている。手前の小さな人物が闇への恐怖を感じさせてくれる。
☆「皿の上の3つの桃」アンリ・ファンタン=ラトゥール
バックは木目のテーブル。光線の当たり具合からメインである桃の描写がちょっとこの木目と被りそうなのです。たぶん、技術のない画家であれば背景のモチーフを変更するなりして回避するであろうところをそのまま、がっぷり四つに組んで勝負しちゃう。さすがのラトゥールです。
☆「鉄道」エドゥアール・マネ
このざっくり感やよし。対象のエッセンスだけすくいとるセンスはさすが。タイトルにある鉄道は蒸気にのみ現れてて、汽車は出てこず。
☆「日傘の女性、モネ婦人と息子」クロード・モネ
ただ、ただ雲の描写の異様に目を奪われます。初夏を感じさせる爽やかな風と温度。そのエネルギーがあの筆使いの雲となって現れているのだなあと。
☆「姉妹」ベルト・モリゾ
一見、シンメトリーっぽいけども、左右の姉妹の向いている向きは異なる。向かってひだりの女性の物憂げで少しぼやかして描かれた表情に惹かれる。
☆「踊り子」ピエール=オーギュスト・ルノワール
これ、圧巻でした。ストレートに存在の立ち様。背景の塗りのトーンとホワホワのスカートとがうまく馴染んでいる。ただ、ひたすらに可憐な少女のその姿。
☆「青いひじ掛け椅子の少女」メアリー・カサット
この少女のポーズが大人の女性が誘いをかけるポーズに見えてしまって、そういう妙な趣向も込められてしまってるのかなあと。椅子の模様の筆致の乱雑さのリズムやよろし。
☆「葉のあるキュウリ」エドゥアール・マネ
どことなく水墨なテイストが意外。やはり、ジャポニズムの影響とかなんでしょうか。
☆「浴女」メアリー・カサット
版画の中ではこれがいちばんよいなあと。まんまの色と線のキレイさがよいです。絵画の濁りがない状態が合ってるのだと思います。
☆「アウティ・テ・パペ(川岸の女たち)」ポール・ゴーギャン
この呪術的、土着的なテイストは何だろう?とても、西洋絵画のひとの仕事とは思えない感じ。この版画、魔除けになりそうなんだもん。
☆「アンバサドゥールの粋な人々」アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック
この画面構成が落とし所になるあたりはロートレックならでは。背景は塗りが残されちゃってるくらいなのだけど、色と輪郭線のエッヂでみごとにバランスが取れている。
☆「赤いチョッキの少年」ポール・セザンヌ
隣り合う色と色とのバランスがやはり、セザンヌなのだなあと。この色彩とフォルムは一体なのだけど、やはり茶や紫の目立つ感じの合わせ方は他の作家に真似できないものだ。
☆「自画像」フィンセント・ファン・ゴッホ
背景の青の線。ゴッホの頭部を囲む用にまあるく描かれているのだけど、単なる曲線ではなく「く」の字型にジグザグと波打ってるのです。何か妙な形でその存在が強調されているかのような印象を受けるのです。もうひとつ、気になったのは葉脈かのような肩へと伸びる青い線。ゴッホの顔に向かってエネルギーを集めているかのよう。力強い山脈のようにも見える。
とまあ、かなりよく作品が見られます。おそらく後半、そのよさが伝わってくると混雑してくるのではないかと思ってます。
早く行くにこしたことはないですよ!
9/5まで。