というわけで書くの時間がかかってしまいましたが茨城県陶芸美術館でのほうひとつの展示 コレクション展。
「近現代日本陶芸の巨匠たち 板谷波山/文化勲章受章者と人間国宝たち/松井康成」と題された展示は圧巻でした!!
のっけから日本地図の各エリアの陶芸の巨匠たちがマッピングされているのですが、これにはびっくり。
人間国宝ってこんなに居るんですね。しかも地域にかなり偏りがある。
で、正直、この冒頭の部分でどうなんだろうなと思ってたのです。
はたしていいなあと思うのがどれだけあるんだろう??
ところが歩を進めてくといいのが多いことに気づき、それなりに時間をかけて鑑賞している自分に気づきました。なんともこれは嬉しい出会いです。
まずは<文化勲章受章者と人間国宝たち>から。
☆吉田美統「釉裏金彩鉄仙文皿」
透き通る緑の中に金で描かれた花が美しい。
☆加瀬崎淳「備前 黒四方削花入」
四角のフォルムが他の陶器とは違っててどうしても目がいくのです。土器のような力強さ。
☆中島宏「青瓷彫文壺」
表面の浮かび上がる線の連続で描く模様。古いようにも新しいようにも見える。
陶器って感想が難しい。だからこのくらいですね、書けるのは。
さて、ここからが更にやばかったのです。
まずは初見。松井康成から。
見たことのがない種類の陶器に驚きました。
表面処理がおかしい。どうしたらこんな処理が出来るんだろう。
練上嘯裂茜手大壺「深山紅」がとてもよかったのです。表面はささくれのようにも見え、つるつるてかてかの陶器ともざらざらしてるだけのものともまるで違う。
嘯裂という手法で表面の傷や亀裂を生かすものなのだそう。
練上嘯裂文大壺
この色の縞になってる様もよいですね。
この他にもマーブル模様みたいなものや絵画的なものまで存分に堪能しました。
そして絵画っぽいなあと思っていたらクレイ画なるものも展示されていました。
そして一番、期待してたのが板谷波山。
以前に出光美術館で波山の陶器を見てなんとかわいらしいのだろうと。
大正ロマンとアールヌーボーを感じさせる作風がいたく気に入ったのです。
葆光彩磁葡萄紋様花瓶
このほのかな淡い色彩。中に描かれたのはアジサイかと思ったら葡萄だったのです。
たぶん、女性はすごく好きだと思います。見てて感情移入しやすいしかわいいしずっと眺めてたいし。
葆光彩磁八ツ手葉花瓶
こちらはまたアプローチも雰囲気も違いますが大きく貼りつけられた緑の葉が美しい。どこかガラスチックです。
企画展も大事ですが、常設で展示しているコレクションが如何ほどのものかというのって大事なことですよね。
出来ればまた再訪してこの空間に浸りたいものです。
松井康成作品集 練上玻璃光 | |
松井 康成 | |
講談社 |
板谷波山の神々しき陶磁世界 (アートセレクション) | |
荒川 正明 | |
小学館 |