無人島プロダクションの3周年も今日6/26でラスト!
「熟女クラブ~生で日本美術を見る会」という一見、妖しいタイトルのイベント。
ですが、これとんでもない企画でした。
森美術館のキュレーターである広瀬麻美さん(↑写真左。右は無人島プロダクション藤城さん)の所有されている日本画の掛け軸を見るというもの。
ガラスケースはなし、それどころか皆様お酒を飲んでいい感じ。こんな美術鑑賞は初めてです。
さらに、今回は広瀬さんのアシスタント(!)ということで山下裕二先生がいらっしゃってました。
なんとも、贅沢。なんとも、無人島プロダクションらしからぬ感じ。
トップは久米仙人圖。
なんと、河鍋暁斉と小林永濯の合作です。
この掛け軸、実はこれまで美術展に出したことがないそう。
この秋に栃木県立博物館で開催予定の「狩野派展(仮)」で見られるそう。
この久米仙人、地上で洗濯してる女のふくらはぎに目が行ってしまい、誤って落っこちてしまったというもの。
久米仙人を曉斉が、洗濯女を永濯がそれぞれ描いています。
タッチは異なりますがバッチリ決まっていますね。
プライスコレクションよろしく、灯りを消して見比べてみることに。
ああ、こんな状態で見られるなんて!
さて、お次は円山応挙です。
猛虎圖!
とらさん、かわいすぎ。
虎の水墨って結構な点数を見てるつもりだったのですが、この虎の肩のストライプはちょっと見たことがありません。
どうやら、畳の上で描かれたようで、畳の目や縁の凹凸が出ています。
山下先生、曰く。
応挙はお酒飲んでこれを描いたのでは、と。
いいなあ~、勢いで描いてこうもかわいいなんて。
入ってた箱もまた趣きがありました。中には香木が入ってて、匂いをかがせていただいたところ良い香り。
防虫目的もあるみたいですが、なんとなく猫ちゃんちっくなとらがこの匂いでまたたびをもらったねこみたいなイメージ。
あと、やっぱり無人島だなあということもやってくれました。
応挙に暴挙!ってことで、Chim↑Pomの「こっくりさんドローイング太陽」を右に並べてみたところ。
狸の描かれた掛け軸にこっくりさんにお願いして太陽を描いたというもの。
あれ?おふざけのつもりがこの組み合わせはこれで案外いいかも。
さて、三番手は山口素絢の幽霊圖。
幽霊図は応挙がさんざ描いたもの。
離れてみるとぼんやりとした印象ですが、近くで見ると俄然、印象が変わってきます。
小さな目がはっきりとしてて猛烈に怖いのです。でも、遠めだと頭がドレッドにすら見えてしまう。
そして、ラストは長澤蘆雪の美人圖。
左手前の岩が少女のトーンとは明らかにギャップがあります。最初、ぱっと見で一瞬池に見えてしまいました。失礼しました、これは岩ですね。
鼻緒の赤がぼやけてて、着物とはまた違った描写なのです。
オープンから3時間以上かけて、4点の掛け軸(+1点)を楽しむ。
なんという贅沢なことでしょう。
広瀬さん、素晴らしい掛け軸を拝見する機会をブログへの掲載の了解を頂きありがとうございました。
山下先生、楽しいお話ありがとうございました。作品だけでなく背景や周辺のことも伺えてためになりました。
また、このような機会があれば是非伺いたいと思います。
外には先日のバーもどき企画のうちのひとつ、ホストクラブ無人島の名残です。
次は5周年でしょうか。今後とも期待しております!
八木良太、Chim↑Pom、風間サチコ、臼井良平らが所属しています。
で、ふだんは現代美術だけのギャラリーが3周年記念イベントの最後にこういう会を催したのです。
>3周年記念で上顧客向けだったのでしょうか?
いえいえ、ちゃんとホームページにタイトルと予約限定と情報は出してました。
でも、さすがに応挙が見れるとは書いてませんでしたが。
よく名前は聞くのですが、そう言えば今年の
アートフェアでTOKIAに出展していたような。
しかし、この企画凄いですね。
応挙に蘆雪って・・・。
3周年記念で上顧客向けだったのでしょうか?
うわー、やっぱりそうでしたか。
電話のやりとりを聞いててもしやと思ってたのです。
また、このような機会があることをただただ祈るばかりです。
>はろるどさん
こんばんは。
想像してた以上の素晴らしい内容にクラクラしちゃいました。
まさか無人島プロダクションでこんなしっとりとした趣きのある会になろうとは思いもよりませんでしたよ。
今も応挙のとらが脳裏に浮かびます。
残念無念の一言です。またの機会、何とか願いたいです。う~ん、行きたかった…。
行けなくなってしまいました。
行きたかったなぁ...