あお!ひー

叫べ!いななけ!そして泣け!雑多なことを書いてみる。

「日本の美と出会う」(日本橋高島屋)での若冲作品

2009-06-05 17:58:56 | アート系
日本橋高島屋で開催中の、「日本の美と出会う―琳派・若冲・数寄の心―」に行ってきました。

18時半過ぎについて、まあ1時間かからないだろうと思っていたら結局は閉館する20時ちょっと前までかかりました。

原因はやはり、若冲です。ということでこの記事は若冲限定です。

少ない点数で以前に見たのばかりだろうとたかをくくっていたのですが、嬉しい想定外。

なんと若冲は8点も出てきました。やっぱりいいのを持っていますね。

糸瓜群虫図

以前に細見美術館で見ていますが、何度見ても楽しくなります。

カーブとループと緑と虫。画面全体がひとつの世界としてまとまっていますよね。


虻に双鶏図

この虻、最小限のシンプルな線で描かれているのですがそうとしか見えません。

身体を反らせて虻を見据える鶏が面白い。やっぱりこの実際に出来るかどうかはともかくとしてポーズがキマッてるのが大事なんですよね。

背後の鶏は向こうを向いてて身体のフォルムだけ。手前のと呼応するかのごとき、対称形。


鼠婚礼図

ミッキーの登場する遥か前にこんな楽しいかわいい絵があったんですよね。

絵柄はもう絵本そのもの。つぶらな瞳がなんとも言えませんね~。


海老図

二匹の海老が水墨でかっこよく描かれています。
ですがむしろ左の海藻の薄い墨と濃い墨で描かれたほうがツボでした。


群鶏図

三羽の鶏。これは定番だなあという感じの若冲の鶏。


伏見人形図
オレンジのラインが印象的な坊主の人形はよく出てくるのですが、手前の子供の人形は初めて。
これも伏見人形なんでしょうね。


踏歌図

ユルキャラ、盆踊り大会!
府中で石峰寺図を見ててよかったです。

ユルめのひとの描写ってところでつながってます。

これはほんとに初めて見れて嬉しかったです。

提灯に描かれた「よ」が気になりました。


伝 伊藤若冲「鶏図押絵貼屏風」

あれ?タイトルプレートをみると、伝 伊藤若冲とあります。

で実物を見て激しく納得。

違いますね、おそらく。
若冲印は押されてますが、描かれた植物のタッチや鶏の正面から描いた感じが違うなあと。

あと決定的なのは筆致に閉じ込めた勢いがないなあと。

このあとの屏風と比較すると面白いです。まあ、そういうつもりでこの順番なのでしょう。


花鳥図押絵貼屏風

きたー!
今回の最大の見せ場です。

水墨で描かれた若冲の鶏の屏風。

このシリーズは多いと思うのですが、背景の気合いの入り方が尋常ではありません。

まずは岩。濃い真っ黒な墨で激しい勢いが伝わってきます。

地面からぼこっと出てるのはファロスですよね。若冲だとまあそうなんだろうと。

さらに植物達もこれでもかといわんばかりのバリエーション。

しかも筋目書き満載。くらくらしちゃう。

何気ない草でもスピードを持って描かれたのが伝わってきます。

鶏はいつもどおり素晴らしいのですが、この屏風については岩と植物に目が行ってしまいます。

理由はもうひとつあって、それは鶏以外に魅力的な鳥が描かれているところ。

翼を広げた雀とか猛烈に遊んでるのが分かります。

一番左の真っ黒なカラス(だと思いますが違うかな?)やその隣の水鳥にも惹かれます。

1時間半近くいてこれだけ(って若冲以外にもたくさんいいのがあるのですが)見て、6時以降なので半額の400円!

こうなると思わず財布の紐も緩んで、図録を買ってしまうというもの。図録は2千円也。

若冲の図版が入ってる図録はやたらと買ってますね。

若冲が好きなひとは絶対に行ってみてくださいね~。

6/15まで。
コメント (13)
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