熱海でMOA美術館を堪能した後は、新幹線で三島へ。
初めてのヴァンジ彫刻庭園美術館に行ってきました。
棚田康司展「十一の少年、一の少女」と題された展示は、常設の作品の狭間にうまく収まっていました。
冒頭の写真は庭から見た窓の中の少年。
やはり、繊細な印象を受けました。
↑このチラシの「父になった少女、母になった少年」、未分化な少年少女の性。
おそらくこの両者の顔を差し替えても成立してしまいそう。
棚田さんは今回の展示のために2年間をかけて12体の彫刻を作成されたとのこと。
どの作品もしっかりとした木を彫って制作されたものなのですが、なんともはかない感じがするのです。
なんていうんだろう、大人になるまでのさなぎの期間、人生におけるほんの一瞬の時間を形に留めているからこそ立ち上る感覚なのでしょう。
名前にあるように庭園の佇まいがすばらしかったです。
この手前にある石なんかも石庭とはまた異なるのですが、ごつごつとした不釣合いなバランスが不思議と心地よかったりするのです。
こんな庭園でアフタヌーンティーなど楽しみたいですよね~。
庭園にはヴァンジの彫刻が点在しています。
こういうハッキリとした造形のもあれば、想像をかきたててくれるようなものまで幅の広いジュリア-ノ・ヴァンジの作風が楽しめます。
というわけでもう一点。
こういった現実の構造をいじってイメージを拡張したような作品は見る位置によって異なったみえかたをしてくれます。
常設だけで十分に楽しめる内容でした。
すでに12/25で会期終了です。