あお!ひー

叫べ!いななけ!そして泣け!雑多なことを書いてみる。

タナカカツキの太郎ビーム!展(岡本太郎記念館)

2007-04-30 11:09:39 | アート系
受付でチケットを受け取るタイミングで耳を疑いました。

「写真撮影OKです」

ええー!!

なんとこの岡本太郎記念館はカメラフリーなのです。珍しいですよね。でも、美術って本当はみんなの財産として撮影OKにしてもらいたいものです。

タナカカツキはマンガ家にして映像作家という珍しいポジションの作家さんです。

ラフォーレミュージアムで開催されたタナカカツキのタナカタナ夫展でその特異な映像センスにやられてしまったのです。

だから、次回個展のある際には必ず行こうと思ってたのです。

まさか岡本太郎記念館でやることになるとは思いもよりませんでした。

今回は山下裕二キュレーションで企画された展示です。

岡本太郎の作品にタナカカツキの新作映像をプラスするという変わった趣向の内容です。てか、これが可能なのはタナカカツキしかいないでしょう。
オッス!トン子ちゃん

扶桑社

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このまんが、ご存知でしょうか?

タナカカツキの「オッス!トン子ちゃん」。

山下さんの書いた文章にこのくだりが書かれていました。

オッス!トン子ちゃんの中で岡本太郎の作品に感動するシーンがあるのですが、許可をとらずに出版してしまったらしいのです。

山下さんはこのマンガを読んでいて、タナカカツキ氏のことを「これほど真摯に太郎の存在に向き合い、自らの創作に活かしている人はいないのではないか」と衝撃を受けたそうです。(「 」内はチラシにあった山下さんの文章をまま引用)

その後、この本の装幀をしたひとから山下さんはタナカカツキ氏を紹介してもらったとのこと。

このマンガを著作権者である岡本敏子さんの了解を得ずに勝手に出版したことを聞いた山さんは、タナカカツキ氏を岡本敏子さんに引き合わせたそうです。

緊張したタナカカツキ氏に敏子さんは「あなた、凄いじゃない、どんどんやりなさい!」みたいに言ってくれたそうです。

すごい縁です。

そんなつながりでいま、タナカカツキが岡本太郎に挑んでるのです。

展示会場は受付横の階段を上がった2階。

うす暗い部屋の中に太郎の絵画とタナカカツキの映像が浮かび上がっていました。


太陽の塔に映像をあてちゃってる~。

タナカカツキの映像ってひとや動物やわけのわからないいろんなものいっしょくたで楽しいのです。

「豊穣の神話」


左が岡本太郎。ただし未完成。その下絵をもとに映像に書き加えたのがタナカカツキ。

この映像は生命の躍動感溢れる感じがうまく出ています。

実写の子供と3Dで描かれたくねくねとした線が渾然一体となってひとつの世界を形成していて一見カオティックだが破綻していない。

タナカカツキの映像の中央にあるのは2階に上がってすぐのところにあるこのオブジェなのでしょう。


さて、展示は2階の奥にある部屋にも続いています。

1階から吹き抜けになっている通路を渡ると、中は真っ赤な展示室。


「引き裂かれて舞う布」


途中で太陽の塔や太郎のオブジェも登場しますが、これはタナカカツキの作品ですね。

この布がユラ~と空を漂うだけなんですが気持ちいいのです。

形によっっては人のようにも鳥のようにも見えてきます。

太郎が映像で制作していたとしたら。。。こういう形で生命を描いてみたかもしれませんよね。まあ、こればっかりはわかりませんけど。

「いこい」


太郎の下絵の線画にだんだんを色が足されていって映像が動きだしていきます。

白い画面に色が入ってく様が液体を注いでいくよう。

やはりタナカカツキはこういうキラキラした描写が上手いのです。

「タナカカツキの太郎ビーム!展」は充分に堪能出来ました。

ですが、まだ見るところが残ってました。

太郎のアトリエが公開されているのです。1Fに降りて進んでいくと右手には庭に面した部屋が。

そこには太郎が立っていました。


生前にご本人が見たかったですね。実際はどんな感じの方だったんだろう。

アトリエには何か別の空気が漂っていました。


ここで描いてたんだ!

またすぐに戻ってきて、作品を描き始めそうな雰囲気です。

これはかなり興奮しました。

棚には無数のキャンバスが収められています。

正直、アトリエ跡はあまり期待してなかったのですが、いいものが見られました。満足です。

さて、写真をいっぱい撮ったのであまり買い物しなくて済むだろうと思っていました。

ところが欲しいグッズがあるわあるわでいお財布の紐が緩んでしまいました

なんと、今回の映像のDVDが販売されているのです。


1000円だったので迷うことはありません。ただし、トータルの収録時間は15分45秒。

液晶テレビの大きい画面のがあればこの映像をループで流しておくといいかもしれません。特に「引き裂かれて舞う布」はいいですよ。意味のないものをだらあと見続けると気持ちが開かれますからね。

くせ者はポストカードでした。


上のはたんにサイズの大きい「豊穣の神話」。これはまあ普通のポストカード。

で、下の2枚。写真で伝わるかどうか微妙なのですが3Dになってるのです。値段が確か630円だったかな?

高いけど、これは欲しくて2枚買ってしまいました。

ちなみに裏にはトン子ちゃんのこんなイラストが入ってます。


イラストがそれぞれ違うのもグー!


タナカカツキの太郎ビーム!展
7月29日(日)まで
10:00~18:00(火曜日休館)
(但し5月1日(火)は開館)
東京都港区南青山6-1-19
岡本太郎記念館
コメント (2)
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