Annabel's Private Cooking Classあなべるお菓子教室 ~ ” こころ豊かな暮らし ”

あなべるお菓子教室はコロナで終了となりましたが、これからも体に良い食べ物を紹介していくつもりです。どうぞご期待ください。

ダマスクローズ 9

2020年02月22日 | ダマスクローズをさがして — Ⅰ

         
       Roman de la Rose France, possibly Paris, ca. 1405 MS M.245 fol. 11r 

Below miniature, gold initial N with blue pen flourishes at beginning of text, NARCISUS FU UN DAMOISAUX / QUI AMOURE TINT EN SES REMAUX / …

 

1400年に入ると写本に描かれた絵が、写本の内容とは別の意味合いをも併せ持つようになります。左に二人の恋人が、右に木の枝の中に王冠をかぶった王が。その下には彼の顔が泉の中に映っています。

             

ザ・サウス大学のジャクリーン・ティボールト・シェーファー ( Jacqueline Thibault Schaefer ) はこの絵は、『トリスタンとイゾルデ又はトリスタン物語』の中に登場する騎士トリスタン(Tristan)とイゾルデ(Isolde)を、そして木の枝の中にマルク王を、泉の中に潜むマルク王の顔は二人の仲を疑う王を現していると指摘しています。

リヒャルト・ワーグナーの楽劇『トリスタンとイゾルデ』(1857 - 59)の原作はゴットフリート・フォン・シュトラースブルク(Gottfried von Straßburg、ca.1170- 1210、ドイツの叙事詩人。代表作『トリスタンとイゾルデ』(ca.1210、未完)ですが、ゴットフリートはブリテンのトマの作品(1170 – ca.1175)『トリスタン』伝説をもとにまとめたのです。 我々が知っている「アーサー王伝説」はこの時代誰でもが憧れた騎士道文学を扱う散文作品群を指します。『トリスタンとイゾルデ』は、そのうちの一つです。

 

 


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