海狸香(かいりこう、カストリウム:Castoreum、ビベルゲイル:Bibergeil )
カストリウムは、シベリア、 カナダの河や湖沼に住むビーバーのオスとメスの生殖器のそばにある2個の梨状の袋を乾燥したものです。
医学では、19世紀まで痛風やけいれんに対して、カストリウム(またはそれから作られた海狸香またはビベルゲイルオイルおよびそれから作られた製剤)が神経質症などに使用されてきました。古代ギリシャ、ローマ世界では、すでに体液性病理学で「熱で乾」と分類されている病気等に対して、又、てんかんまたはてんかんのようなけいれんに対して、および言語障害に関連する麻痺に対しても使用されます。
媚薬としての使用は、麻痺の治療薬としての使用と同じ原理に基づいており、体液性病理学に基づいています。カストリウムは医薬品として大きな需要があり、8世紀からドイツ語圏で発見されています。
サリチル酸(ビーバーの好きな食べ物であるヤナギの樹皮の成分にはアセチルサリチル酸がある)が含まれており薬効があります。今日、ビベルゲイルは同種療法においてのみ使われています。ビベルゲイルは中毒に対する薬としても使用され、テリアカ(7/18参照)の一成分です。
ビベルゲイルは、中世後期には、主にアジアのマイナービーバーまたはシベリアビーバーを入手していました。米国では、主にバニラ、ラズベリー、ストロベリーフレーバーとして使っています。 スウェーデンでは、ビベルゲイルは、伝統的なシュナップスドリンクであるBäverhojtのフレーバーに使用されています。
Bäverhojt https://punchdrink.com/articles/tales-from-the-fringe-beaver-gland-vodka/
トウガラシチンキ (capsicum tincture)
トウガラシ(Capsicum annuum)またはトウガラシ、タカノツメなどの果実の可溶性成分をエタノールで浸出したもの。
黄赤色の透明な液で、激しい辛味を有する。蕃椒(ばんしょう)チンキともいう。この辛味成分はカプサイシンとよばれる物質で、毛根刺激、頭皮刺激などによる血流の促進を目的とした局所刺激剤や止痒剤(かゆみ止め)として、ヘアローションなどの育毛剤に配合されます。医薬品では健胃剤や外用剤に使用されます。
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