五月雨が静かに古民家の庭を湿らせて、植木に潤いをます5月30日の午後 、登録有形文化財
「藤岡家住宅」の大広間で、ムジークフエストならの行事の一つとして、素晴らしいイベントが開かれました。
ソプラノ岡田由美子&児童文学作家川村優理 ジョイントコンサート 祝 童謡百年〜五條の童話・童謡の産声〜
- <曲目>
- 新作童話・童謡「栄山寺のカエル 寺子屋に行く」
井上内親王に捧げる歌
オペラ「ジャンニ スキッキ」より いとしのお父様
「万葉集」より うちの大野(巻一・4)
みなさまと歌いましょう
風・夕焼け小焼け
他
岡田由美子さんの素晴らしいソプラノが、五條市を詠んだ万葉集の「うちの大野」へと
万葉の世界へ運んでくれました。
続いて川村優理さん作詞の「井上内親王に捧げる歌」にも大感動です。
聖武天皇の第1皇女で、光仁天皇の皇后となったものの皇位継承争いに巻き込まれ、
光仁天皇との間にもうけた他戸(おさべ)親王とともに現在の五條市に幽閉されて亡くなった
不幸な内親王の生き様を、心を込めて歌う綺麗な響きに、心打たれました。
地域と結びつき地域から生まれる歌が、「安らかにお休みください」と語られた岡田さんお最期の言葉に、
さらに感動しました。」
席が後ろの方でしたので、川村優理さんの立ち位置が丁度前の人の頭と重なってしまいました。
児童文学作家の川村優里さんの、新作童話「栄山寺のカエル寺子屋へ行く」の栄山寺・音無川・栄山寺梵鐘など
心温まる創作童話と、挿入歌「カエル かえる」を川村優里さん作詞・岡田由美子さん作曲と北原白秋作詞のお馴染みの
かえろ かえろとを歌と童話の登場人物の会話、優里さんの語り、様々な、楽しい童話と音楽の世界に浸ることができました。
岡田さんの美しい歌声が、ドイツとイタリアのスミレの2曲を歌われた後
万葉植物研究科の尾上ツヤ子さんの、この時期の万葉の花に寄せて、
すみれ・卯の花・橘・ホトトギス・かわず・かえで(かえるで)などの万葉の歌の中に詠まれている
動植物をわかりやすく楽しく語ってくださいました。
木村直子(ヴァイオリン)さん
ヴァイオリン独奏 ヴァイオリンコンチェルト第1番 バッハ作曲
最後には「皆様と一緒に歌いましょう」の時間が組まれていました。
すみれの花咲く頃・カナリヤ・風・夏は来ぬ・夕焼け小焼け・故郷
岡田さんは、マイクを持ってご自分も歌いながら、参加している人たちの間を回って
全員でとても楽しく歌いました。
あの日、あの頃歌った歌の懐かしさも込み上げて、みんなその時代に戻ったように
ひと時を同じ時代に彷徨っているような時間でした。