春夏秋冬

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崇徳上皇のこと

2017年12月12日 | 遍路

四国といえば真っ先に思い浮かぶのが崇徳上皇と西行です。

西行法師はただの歌人かと思っていましたが、歴史上、大物と対等に並んで登場するんですよね。

数年前の11月に吉野の奥の千本からさらに30分ほど山へ分け入ったところにある西行庵へ行きました。

こんな山深いところに一人で2年も住んでいたなんてうそでしょ、とか思いつつ、西行庵と聞くとつい探さずにはいられません。

 

善通寺からほど近い曼荼羅寺-出釈迦寺ルートの途中にも西行庵がありました。

けど、これは絶対にイメージが違うなあ。

これではまるで地区の集会所みたいじゃないの。

吉野のほうがまだリアルだった。

 

このあと、翌日に天皇寺へ行きました。

八十場の霊泉というのが近くにあって、崇徳上皇が亡くなったときに、京都の朝廷にどうしたらよいかお伺いを立てている間、20日間?この泉に遺体を漬けておいたところ、ぜんぜん痛まなかったという。

そこの水で作ったところてんを提供しているのがこのお茶屋さんです。

さすがにいただけません。

その次の日、国分寺近くの宿に泊まってから、白峰寺へ向けて登山しました。

なかなか険しい山道で上り甲斐がありました。

一本松まで行くと、左右にドライブウェイが通っており、左へ行くと白峰寺、右へ行くと根香寺に行きます。

ドライブウェイの向こう側に旧道(史跡の道)があり、そこはもう理想的な遍路道で素晴らしいです。

 

 

 

あいにく雨上がりで一部沢登り状態になっていましたが、行ってよかった。

下乗石もありました。

どんなに高貴な方でもここからは歩いて行きなさい、という印です。

むむ、それでは白峰寺へ行くためには坂出方面からではなく、国分寺側から登ったのかなあ・・・

 

白峰寺こそは崇徳上皇ゆかりのお寺で、周囲には源頼朝寄贈の十三重塔や、西行ゆかりの歌碑などがあり、御廟の遥拝所があるのですが、ちょっと歩けば御廟そのものに行けるんです。

 

天皇陵は近くへ行った際には必ず寄るようにしています。

崇徳天皇陵はだれもいませんでした。

かなり規模が大きく、立派な造りです。

この写真の撮り方では距離感がつかめないですねー。

すごい階段になっています。

だから我々以外、上には誰も来ませんでした。

余談ながら、白峰寺のトイレは洋式できれいです。

札所の中ではいちばんきれいだった。

最悪なのは雲辺寺で、ここが日本か!と思う旧式のトイレ。

ちょっと言葉になりません。

歩き遍路をしていると足がもう痛くて痛くて、曲げるのが大変です。

だから洋式でないと困るのよねー。

トイレだけはどうかもうちょっと整備してもらいたいと思いました。

白峰寺へはみなさん車で来ているみたいですが、ぜひ歩き遍路をお薦めします。

歩いて歩いて、もう駄目だっ、と思ってもその翌日にはまた歩きたくなります。

こんな調子で四国をぐるっと全部回ったら楽しいだろうなあ。

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遍路宿

2017年12月11日 | 遍路

個人旅行で宿をとるときはインターネットの「じゃらん」を利用して申し込むことが多いです。

これだと直前まで何度でもキャンセル交換ができて、気楽に申し込めます。

ところがお遍路の場合、遍路宿というのはじゃらんに載っていないために電話で予約を入れることになります。

そうなると、ここぞという日を決めて、一大決心をもって電話をかけることになりますが、遍路の日程を立てたものの大学側から実習計画の返送がないために本当に出発してよいものかどうかというところから迷い始め、見切り発車でおよそ4週間ほど前に申し込みました。

そういうような遍路宿は、1日目の「雲辺寺-大興寺」にある青空屋、2日目の「本山寺」隣の一富士旅館、3日目の「善通寺」いろは会館、4日目の国分寺「せと国民旅館」の4個所です。

真っ先に申し込んだのが「いろは会館」で、大変評判がよいところだったので不安はありませんでした。

青空屋もネットではすごくいいです。

一富士旅館は少し不安、せと国民旅館はだいぶ不安、という感じでした。

さて、実際に宿泊してみると、これらのすべてがみな「よかった」ので正直なところ驚いています。

「青空屋」

 

歩き遍路の道沿い、標高911mの雲辺寺を下っておりたところにある民宿です。

農家を改造して数年前に始めた民宿らしいですが、夫婦二人(40代くらい)で切り盛りしていて、ご主人がなかなかの一刻者、遍路の先達といった風格を感じます。

部屋は和室で8畳くらい、平屋で、高原の別荘みたいな空気感のある場所にあって、屋外にランドリーの施設が整っていて、洗濯乾燥が無料でできます。

料理は和食のフルコース(お刺身、天ぷら、煮付けなど)のほか、ご主人自ら仕留めた猪の手作りハンバーグが夕食に出てきます。

お風呂もきれいに手入れされています。

これで1泊2食6500円。

ぜひ機会があればまた期待と思う民宿です。

宿泊客数3人、我々の他にいた男性客1人は神戸あたりから毎月1回四国に来て、数カ所ずつ歩き遍路をされている方。

「一富士旅館」

大興寺から本山寺まで20kmを徒歩で行った日の最終地点本山寺のすぐ脇にあり、一見して大変古めかしい旅館だったのであまり期待はしていませんでした。

 

でも昔はかなり大きな旅館だったのではないかと思える造りで、古いけれども手入れは行き届いているし、料理がとにかくしっかり作ってくれてあって、予想外のことで感動しました。

少々難なのはトイレで、この日はもう足が痛くて限界で、階段の昇り降りがきつくて、その上和式トイレ・・・

それ以外はほんとにいいところです。

宿泊客は我々2名のみでした。

6500円。

「いろは会館」

前評判どおり、びっくりするくらい素晴らしい宿泊施設で、善通寺の一角にあり、鉄筋の大きな建物です。

食事は豪華、ランドリーは洗濯乾燥ともに無料で4個所ずつあり、お風呂は天然温泉!!!

しかも6100円です。

ここを拠点にして連泊し、金毘羅さんなどへ行く旅を推奨します。

「せと国民旅館」

何が不安かって、この旅館ほど心配なところはなかった。

なにしろ、口コミも見たらず、ほかに泊まれそうなところがなかった。

國分駅から1kmくらい離れていてそれもマイナス材料。

建物は一富士旅館のような古めかしさとは別の、昭和の安宿っぽい建物で、廊下の両側に個室が並んでいる感じ。

宿泊客は我々だけだったのでその不気味さは問題がなかったですが。

宿は高齢のご主人の姿が一人見えているだけ。

やさしそうな方で、翌日の白峰登山についてじっくり教えてもらいました。

アメニティはほとんどなく、浴衣も自分たちで洗濯しているようであり、部屋にお茶菓子の接待などもありませんが、夕食は8人くらい入れるイス式の食堂に暖房を入れて、奥さんが作ったのか盛りだくさんの家庭料理を並べてあり、こちらも大満足です。

長所はトイレで、今までのところと比べても最新型のウォシュレットにリフォームしてありました。

5800円です。

以上、民宿というか遍路宿の紹介ですが、どこもみな思い出深い宿でした。

四国はみんなあのようにいい宿ばかりなんですかね。

空いていて気の毒なくらい。

歩き遍路にはかかせない遍路宿なので、もっとおおぜいの人が利用して繁栄していってほしいと思います。

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四国お遍路雲辺寺

2017年12月10日 | 遍路

遍路実習初日は、第66番札所雲辺寺からスタートです。

最初の門前までは公共交通機関を使ってよい、との解釈をして、JR観音寺駅からタクシーで行き、ロープウェイに乗って雲辺寺入口までまったく省エネで体力温存。

ロープウェイから見る下界。

さて、ここからはこの高低差を下山することになり、約4時間かけて山道を歩きました。

最初は鼻歌まじり、といったところ。

そのうち荷物がくいこみ、足がガタガタになり、平野部に降りたところでギブアップ。

こんなところへ救急車は来てくれないよねー、なんてつぶやきながら歩いたから、同行者は気がモメたことでしょう。

 

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